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着飾って夕食を食べていたらエルザさんの旦那様が迎えに来ました

私はカトリナさんに、かわいい黄色いドレスを着せてもらったのだ。

それも、とても高価そうなドレスだった。


「あのカトリナさん。このような高価なドレスは」

「何を仰っていらっしゃるのですか? 貴方様にピッタリのドレスではございませんか?」

「でも」

「このドレスはエルザ様が、わざわざ注文された品なのですよ。あなたが学園に入学されたら貴方様のお母様のエレオノーレ様があなたに送られたであろうドレスを私が贈るとおっしゃって」

カトリナさんは戸惑う私に教えてくれたのだ。


「えっ、こんな高価なものを、エルザさんが?」

「まあ、あなたのお母様とエルザ様は学園時代は本当に仲の良い親友でしたから。あなたの母親代わりのつもりでいらっしゃるんでしょう」

「そうなんですね」

私とコンスやヘレナ、ポピーみたいな感じなんだろうか?

「まあ、それにお二人は従姉妹の関係でしたから。親戚の親友という感じで。だから貴方様は親友の娘でもいらっしゃいますが、血のつながった親戚でもあるんですから、これは喜んでもらってあげてください」

「判りました」

そこまで言われたら私はもらうしかなかった。


そして、カトリナさんに着飾れて薄く化粧までされた私は外に出た。

扉を開けるとそこで待っていたルードが固まってしまったんだけど……

「どうしたの、ルード? やはり変かな」

私が慌てて聞くと、


「いや、そんなことはない。とてもきれいだ」

「えっ?」

ルードに言われて今度は私が固まった。


きれいだなんてルードに初めて言われたような気がする。

私は真っ赤になってしまった。


「どうした? 少し赤いけれど、熱でもあるのか」

そう言ってルードが額に手を伸ばしてこようとしたのを慌てて避ける。

「熱はないわよ。少し暑いだけで」

私は誤魔化した。


「そうか? まあそれなら、あまり待たしてもいけないから、行こうか」

ルードはそう言うと腕を差し伸べてくれたので、私はその腕に軽く掴まった。

そして、ルードにエスコートされてゆっくりと階段を降りたのだ。


ダイニングルームに行くと既に皆揃っていらっしゃった。


「遅くなって申し訳ありません」

私が頭を下げると、

「疲れが溜まっているのよ。気にしなくて良いわ」

大伯母様がなんでもないように言ってくれた。


「まあ、その衣装、着てもらえたんだ」

エルザさんが喜んでいってくれた。


「エルザさん、このような衣装を頂いて本当に有難うございます」

私はエルザさんにお礼を言った。


「何言っているのよ。そんなの当然よ。あなたはエレオノーレの娘なんだから」

エルザさんは当然のように頷いてくれた。


食事の座席はお誕生席に公爵様がその斜め横が大伯母様でルード、その向かいがエルザさん、私の順だった。


私はルードのエスコートで席についた。


公爵家の食事なんて緊張するんだけど、エルザさんとルードとは良く話しているから初めてという感じでもない。

私は少しリラックスが出来た。



最初の前菜からとても美しかった。お皿に飾り付けられているのだ。

食べるのがもったいなかったが、思い切って食べてみた。


皆の手の動きを見ながら真似して食べる。

美味しかった。


具沢山のスープも美味しかったけれど、圧巻は子牛のステーキだった。


私の口の中に入った瞬間、とろけるように溶けてくれたのだ。


私は驚きのあまり固まってしまった。

「美味しい」

思わず呟いていたのだ。

こんな美味しい料理を食べるのは本当に久しぶりだった。


「どうした、クラウ?」

驚いてルードが聞いてきた。


「えっ、どうしたって何が?」

私が聞くと


「涙が出ているぞ」

ルードが教えてくれた。


「まあ、本当! どうしたのクラウちゃん」

エルザさんも心配して私を見てくれた。


「いえ、こんな美味しい食事久しぶりだと思ったら自然に涙が出てしまって」

私が言うと


「ごめんなさいね。クラウちゃん。あなたが辛い時に助けてあげられなくて」

横の席からエルザさんが抱きついてきてくれた。


「エルザさん」

私は思わずエルザさんの胸の中で泣いてしまったのだ。

温かい、こんなに私に温かい人たちがいるんだ。

私はとても嬉しかった。


少し泣いたら、涙も止まった。

私がエルザさんの胸から顔を上げた時だ。


外が急にうるさくなった。


「困ります」

「何が困るんだ。エルザがいるのは判っているのだぞ」

「しかし、エーリック様がいらっしゃっても追い返せと命じられていまして」

「ええい、うるさい! どけ!」

大きな音とともに扉が開いて、そこには正装した立派な男の人が仁王立ちしていたのだ。


「エルザ、迎えに来たぞ」

そこには見目麗しい男の人が仁王立ちになっていたのだ。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。


皆様の応援のおかげで私の小説の第三巻がコミックシーモア様から先行発売されました。

果たして、お義兄様の想いはエリーゼに通用するのか?

山場です。

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。【シーモア限定特典付き】』

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10センチ下にはその表紙絵と各リンク張ってます

よろしくお願いします

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
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表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

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第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

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4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

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