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公爵家には挨拶だけのつもりだったのにそのまま週末の逗留が決まってしまいました

私は今まで辛かったことを大叔母様やエルザさんに話して慰められた後、そろそろ暗くなってきたのでお暇しようとした。

「クラウディアさん。明日は土曜日で学園は休みでしょう。今日と明日は我が家で泊まっていきなさい」

と大叔母様に言われたのだ。


「いえ、そんな、滅層もない」

私は断ろうとした。

「何を遠慮しているの。あなたは元々このライゼマン公爵家の人間なんだから、遠慮なんてする必要はないわ」

大叔母様に言われた。

「でも、私のお祖母様は、先代様から勘当されたのでは?」

「何言っているのよ。そんなの口先だけよ。エルザのお義父様に遠慮して大っぴらにはしなかったけれど、男爵家になったおいシュタット家には我が家から毎年援助もしていたのよ。でも、あなた全然もらっていないんでしょ」

「おそらく」

大叔母様に言われても私には判らなかった。私の衣装はメイド服かお古で、まともな衣装なんて無かったし、領地の運営に回されたのかもしれないけれど……


「本当に信じられないわ」

「これもちゃんと見ていなかったオイゲンのせいね」

「それじゃあ衣装もほとんどないんでしょ」

「あら、ルードはクラウディアさんの衣装を作らなかったの?」

大叔母様はルードを見たけれど、


「そんなのこの子に言っても無駄よ。その点はエーリックと一緒でからきしだめなんだから。お父様もそうでしょ」

「いや、母上、私も少しは衣装を揃えましたよ」

「よく言うわ。ルードが用意したのって平民の着る既製品の少し高級なものでしょ」

「まあ、ライゼマン公爵家の者がそれではだめだわ。すぐにドレス工房の者を呼ばないと」

「私の工房のものも呼ぶわ」

「でも、明日すぐに来てくれるかしら」

「私とお母様が呼べばすぐに来るわよ。こなければ他の店にすれば良いんだし」

「それもそうね」

私の意思を無視して、大叔母様達は勝手に決めてくれるんだけど……


「カトリナ。客室にクラウディアさんを案内して。それと私の学生の頃の衣装があるはずだからとりあえず、クラウディアさんに合いそうなのを2、3他の侍女に指示して持ってこさせて」

「判りました」

カトリナと呼ばれた侍女が他の侍女に指示した後、私は断るまもなく客室に案内されたのだ。


その客室はとても広くて立派だった。

真ん中に天蓋付きの高級なベッドまである。

中はトイレや広いお風呂まであって私はびっくりした。

これじゃ完全に王侯貴族だ。

まあ、ここは帝国の公爵家だからオイシュタット男爵家とは比べようもなかったけれど……

部屋を一通り見せてもらったらエルザ様の昔使っていた衣装が届いた。

ちょっと胸のあたりが涼しいんだけど……

なんとか着れるものがあったので、それをカトリナに手伝ってもらって来た。


「ではクラウディア様。食事になったらお迎えに上がりますので、それまでこの部屋でおくつろぎください」

そう言うとカトリナは部屋から出ていったのだ。


一人で部屋に残された私はこの急激な変化に戸惑っていた。


とりあえずくつろぐって何をしたら良いか判らなかったが、ベッドがどんな感じだろうと上に寝転んでみると本当に布団はふかふかだった。


「本当に、夢みたい」

私はそう言うと今日起こったことを思い出していたら、いつの間にか眠っていたみたいだ。



なんか、息が苦しいとハッとして起きると鼻をつままれていた。


「やっと起きたな」

私の眼の前にはルードの整った顔があった。


「ルード!」

私は一瞬真っ赤になった。

ルードに寝顔を見られた事がとても恥ずかしかったのだ。


「えっ、ここは?」

一瞬私はどこにいるか判らなかった。


「ライゼマン公爵家だ」

「あっ」

そうだった。この客間に案内されて、寝てしまったのだ。

私は慌てて飛び起きた。


「ルード坊ちゃま。私が起こすと申し上げましたのに、さっさとお入りになって! 淑女の鼻をつまむなんて、なんということですか?」

その後ろには怒った顔のカトリナさんがいた。


「あっ、あなたルードの侍女のカトリナなの!」

私は思い出した。そう言えば私の家に滞在していた時のルードの侍女がこのカトリナだった。

カトリナにはルードに虐められた時に良く叱ってもらっていたのだ。


「そうですよ。クラウディアお嬢様。良く覚えて頂けていましたね。本当にルード坊ちゃまと来たら相変わらずなんですから。淑女の鼻をつまむとは何事ですか!」

「良いじゃないか。カトリナ。今日は母上とお祖母様に取られてほとんどクラウの相手ができていないんだから」

ルードがすねていってくれた。


「まあまあ、ルード坊ちゃまは昔からクラウディアお嬢様のことが好きですからね」

「えっ?」

私はその言葉に一瞬固まった。

好きってどういうことだろう?


「うん、クラウはからかうと面白いからな」

そうか、やっぱり私はルードのおもちゃなのか?

私はムッとした。


「はいはい、恥ずかしがり屋のルード坊ちゃまは相変わらずですね」

なんか生暖かい目でカトリナさんはルードと私を見てくれるんだけど……

「そんなんじゃないからな」

そう言うルードが少し赤くなっのは気の所為だろうか?


「これからクラウディアお嬢様は少し支度がありますので、坊ちゃまは外でお待ち下さい」

そう言うとカトリナは強引にルードを外に連れ出してくれたのだった。


ここまで読んでいただいてありがとうございました。


皆様の応援のおかげで私の小説の第三巻がコミックシーモア様から先行発売されました。

果たして、お義兄様の想いはエリーゼに通用するのか?

山場です。

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シーモア限定SSはエリーゼの護衛騎士セドリックのお話です。

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10センチ下にはその表紙絵と各リンク張ってます

よろしくお願いします

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
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表紙画像
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上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

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第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

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