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公爵家の嫡男が会いに来て強引に雲の上の公爵家に連れて行かれました

ルードは嵐のようにやってきたと思ったら、お母様を連れて嵐のように去っていった。

私はあっけにとられていた。


でもそのあと、今度は鬼気迫る勢いでアデライド先生の挨拶講座が始まることになったんだけど……

カーテシーのやり方だけは徹底的に叩き込まれたのだ。

なんか食事時間までなくなってしまった。


私はなんで急にここまで厳しくされなければいけないんだろうと泣きそうになった。


結局、その日も食事にはありつけず、私はヘレナの部屋に直行したのだ。


「えっ! あなた、エルザ様にお会いしたの?」

私が今日の事を話したらエルザが食いついてきた。

そういえば昨日の事は忙しくてあまり話していなかった。


「そう、結構素敵な方よね」

「まあ、若手の社交界はあの方が中心だから」

「そうなんだ」

そんな方が親類ならば私が社交界でつまはじきになることはないみたい。

もっとも私が社交界に出るのは難しいと思うけれど……


「ああん、私もお会いしたかった」

というヘレナに、またお会い出来たら紹介すると約束させられたんだけど、もう会うことなんてしばらくないと思っていたのだ。



次の日はまた、令嬢たちの視線が厳しくなっていた。

少し収まったと思っていたのに……


なんか所々でピンク色の髪を見たからデジレがいろいろ暗躍しているみたいだ。

本当にしつこい。

私は不安になった。

その不安は放課後的中したのだ。


私はヘレナとポピーが部活に行った後でアデライド先生の補講に行こうとしたら、ラーラ・キューネルト侯爵令嬢の呼び出しを受けてしまったのだ。


出来たら避けたかったが、5人くらいの令嬢に取り囲まれて強引に連れて行かれたのだ。

E組の皆は遠巻きに見ていた。

さすがにコンスに釘を刺されたのが効いたのか、イルマもユーリアも私を連れて行く連中の中にはいなかった。


そして、10人くらいの令嬢に囲まれて、水をぶっかけられたんだけど、そこに学園長が現れて皆唖然としていた。


そのあとアデライド先生が現れたのだ。E組の誰かが呼んできてくれたのだろう。

先生を見て令嬢たちは青ざめていたが、更に学園長についてきた人がライゼマン公爵家の嫡男だと聞いて、みんなもう蒼白になっていた。



「オイシュタット男爵家のクラウディアと申します」

私はその後、応接で再度、その令息オイゲン様にカーテシーであいさつしたのだ。


まさか、昨日特訓させられた事が今日生きてくるとは思ってもいなかった。

さすがアデライド先生は凄いと私は改めて先生の慧眼に感嘆したのだ。

お互いに挨拶して、私は席についた


「クラウディア嬢、カッセルでの、あなたの扱いについて、あのようなことをアロイス等にさせていたこと、本当に申し訳なかった」

そう言うとオイゲン様は私に頭を下げられたのだ。

「えっ、オイゲン様、私なんて男爵令嬢に頭を下げるのはやめて下さい」

私は慌てて、立ち上がると、手を振った。

「クラウディアさん」

アデライド先生が注意してくるけど、そんな事言われても私には帝国の公爵令息に頭を下げさせるのを黙ってみているなんて、無理なのだ。

「オイゲン様、クラウディアさんが困っています。公爵令息ともあろうお方が頭を下げるのはどうかと存じますが」

「アデライド先生、そう言われるが、聞くところによると、クラウディアさんは奴隷に近い扱いを受けていたとか。公爵家の縁者が、そのような状態になっていること自体を私は知りもしなかったのだ。お前は何をしていたと姉からも怒られた。本当に申し訳なかった」

改めて、オイゲン様は謝られたんだけど、

「えっ、いえ、そのような事は、お気持ちだけでも十分です」

私は首を振った。

「そう言っていただけると嬉しいが、この事については改めて謝罪させていただく。

もう聞いているかも知れないが、あなたのおばあ様、私の叔母は、元々姉の今の義父と婚約していたのだ。それを当時、流行った真実の愛に出会ったとかで、カッセルのオイシュタット伯爵令息と駆け落ち同然で出奔して、結婚したのだ。姉の義父は激怒したが、してしまったものは仕方がない。ライゼマン公爵家はおばあ様を勘当、属国に過ぎないカッセル国王は恐縮し、オイシュタット伯爵家を子爵に降爵、最後は勝手に忖度して男爵位まで降爵したのだ」

オイゲン様は詳しく経緯を説明してくれた。

その後、その子供のお母様が学園に通うときにオイゲン様のお姉様も同じクラスで、いとこだったこともあり、親しくしていたそうだ。お姉様がその義父様の息子であるエーリック様と結婚するときも、また、真実の愛に目覚めるのではないかと、エーリック様はとても心配されたとか。そして、エーリック様の家にお家騒動が起こったときに、その息子のルードを我が家で匿ったのだとか。

「だから、我が家としても、あなたの家にはとても感謝しているし、本来、あなたが奴隷のような生活をしていたと知り、驚愕しているところだ。それで、大変急な話で、恐縮だが、これから、私と一緒に公爵家に来ては貰えないだろうか?」

オイゲン様がとんでもないことを言ってこられたんだけど、

「はい? そんな、属国の男爵家の者が公爵家にお邪魔するなんて、無理です」

私は必死に頭を振った。


「何を言ってくれる。あなたは私の叔母の孫だ。親類なのだから、無理ではなかろう。

公爵家に関わるものが奴隷のような扱いを受けていたことを父も母もとても憤っていたし、あなたに直接謝りたいと言っているのだ」

「でも」

「あなたを連れてこないと、私が姉にどやされるのだ。ルードも今我が家にいるし、知らないものばかりではない。ここは私を助けると思って一緒に来てほしい」

そう言われてしまって、アデライド先生もそう言うことなら仕方がありませんね。練習した通りにちゃんとしてね。とまで言われたら、私には断りようもなかった。

私は不安だらけで公爵家に強引に連れて行かれてしまったのだ。



ここまで読んでいただいてありがとうございます。


皆様の応援のおかげで

本日24時、すなわち25日金曜日の午前0時に第3巻シーモア様にて先行配信されます。

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました』

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/

先行予約も開始しています。10センチくらい下に表紙絵とリンクもあります。


Twitterでその宣伝動画も作りましたのでリンク載せておきます。

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よろしくお願いします

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次のお話はこちら

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『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
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表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
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小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

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第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

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