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庇ってくれるものがいなくなって聖女に虐められましたが、友人がやり返してくれました

私はルードの胸で号泣してしまってなかなか涙が止まらずに大変だった。

ルードが必死にハンカチで私の涙を拭いてくれたけれど、中々止まらなかったのだ。

ルードの制服も涙だらけにしてしまった気がする。


結局、馬車までルードにお姫様抱っこされて運んでもらったし、とても恥ずかしかった。


出てくるときに見た大聖堂は大きな穴が開いているのを見て、目が点になった。


大聖堂の結界をぶっ壊すためにコンスが宝剣でぶった切ってくれたと後で聞いた時は本当に驚いた。私は属国の男爵家の令嬢にすぎないのだ。普通は教会との軋轢を気にして適当に探すふりをしてお茶を濁して終わりなのだ。それを教会に喧嘩を売るのを気にせずに宝剣で障壁をぶっ壊してくれたのだ。

やってくれたコンスには私は感謝することしか出来なかった。必ず、コンスの恩には報いると私は決意したのだ。



「当然のことをしたまでだ」

とコンスは平然と言ってくれたけれど、普通は後のことを気にして、やってなんてくれない。

私のためにむちゃしてくれて泣きたいほど嬉しかった。


でも、国の宝剣をそんなことに使って良かったんだろうか?


私が心配したとおり、翌日からコンスは一週間の停学処分になってしまった。

教会の結界を叩き壊したことに対する罰則だそうだ。


「私のためにしてくれたんだから私も責任を取ります」

って言ったら、なぜかアデライド先生の礼儀作法の補講が倍に伸びたんだけど……何故に?


最悪だった。言うんじゃなかった……


私にとっては停学よりもひどい処分だ。


でも、コンスもつらい目にあっているんだから私も我慢せねば。




まあ、ルードもコンスと同じで一週間の停学処分を食らっていた。

教会としては今回の私の誘拐事件について当事者だけの処分で済ませたかったみたいだが、ルードが強硬に主張したみたいで、大司教の給与一か月分の返納になった。

「あの狸おやじの処分が降格にしたかったんだがうまくいかなかった」

ルードはすまなそうに言ってくれたけれど、高々属国の男爵令嬢のために、ここまでやってくれた二人には感謝の言葉もないのだ。


そして、ルードの側近たちもコンスもいなくなれば、私への令嬢達の当たりはきつくなった。ヘレナとポピーだけでは私を守るのは身分的にも力的にも難しかったのだ。


ドボン

三人で歩いていた私達は水を頭の上からもろに被ってしまった。


ずぶ濡れだ。


誰がやった?


見ると目の前にピンク頭のデジレが達がいたのだ。


「あーら、水浴びするなんて、そんなに暑かったかしら」

真ん中のデジレは白々しく言ってくれた。

「本当に田舎者は、変わった風習がおありなのですね」

「なんですって」

ヘレナがぶちギレていた。

「ダメよ、ヘレナ。あなたまで停学になるわ」

手で火球を出そうとしたので慌てて、止める

「ああら、男爵の分際で聖女様に逆らおうと言うの? そんな事したら魔物が現れても、聖女様は癒してくれないわよ」

「ふん、そんな、心の腐った聖女なんかが本当に癒せると思っているの?」

馬鹿にしたようにヘレナが言ってくれた。


「な、なんですって!」

デジレがいきり立った。

「あなた聖女様になんて事を」

「あなた達にも良いことを教えてあげるわ」

馬鹿にしたようにヘレナは集団を見下したのだ。

「聖女が醜い事ばかりしていると、聖なる力が使えなくなるのよ」

「何言っているのよ。そんなこと無いわ」

デジレが言い返すが、

「あーら、あなた、そうなったことがないの? 私は一度なったから、それ以来酷いことは一切していないわ」

「何を言っているのよ? あなたが聖女なんかになったことはないでしょ」

取り巻きの一人が叫んだが、

「あるわよ。何回もね」

「はああああ! どのみち夢でも見たんでしょ」

「そうよ、夢の中での事よ。デジレさん、あなたもあるんでしょ。何回も」

「ま、まさかあなたも転生者なの?」

「で、デジレ様何をおっしゃっているのですか?」

「な、なんでもないわ、行くわよ」

デジレが歩き出そうとした時だ。

その瞬間、デジレは足をもつれさせて、顔面から地面に激突したのだ。

「あなた、何してくれるのよ」

デジレが後ろを向いて叫んでくれた。

「えっ、何もしてないわよ」

私は驚いて言った。

「変ね、天罰でも当たったんじやないの」

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頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


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『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

― 新着の感想 ―
”~たら~した”というタイトルになる予定ですよね。 “ルードとコンスが居なくなったとたんに聖女に嫌がらせされました”というタイトルはいかがでしょうか? というか、本当に聖女なんでしょうか?癒している…
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