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授業中に物理の先生が大司教が私を呼んでいると呼びに来ましたが、授業の邪魔をするなと礼儀作法の先生が怒って扉を締めました

「今日は皆さんに、礼についてお話します」

礼儀作法のアデライド先生の授業だ。

この授業はわんぱくな男子生徒も全員真面目に聞いていた。


何しろ冗談が通じないのだ。


下手に補講1時間コースなんてやらされた日には適わないと男子生徒も理解しているのだ。


何もしていないのに私だけ1時間コース必須なのは止めてほしいんだけど……


「礼に始まり礼に終わるというように、礼はすべての礼儀作法の基準です」

この世界はどうやら日本的感覚の礼儀作法みたいだ。

確か礼に始まり礼に終わるって日本の剣道か何かがそう言っていた記憶がある。


「はい、それではクラウディアさん、まず普通の礼をして下さい」

来たーーーー、いきなり私?


「はい?」

私は返事すると

「声が小さいです。それと自信を持って返事なさい」

「はい!」

私はアデライド先生の叱責に慌てて大声で返事した。


「そう、その調子です」

アデライド先生は言うと、では礼をして下さい。


私は

「はいっ!」

もう一度大きな声で返事をすると頭を下げた。


「なんですか? その礼は」

ぎろりとアデライド先生に睨まれた。


「まず、首だけ下げない。体ごと折り曲げるのです」

「こうですか?」

「首を引いて、両手を体の横につけて指先伸ばして」

「はいっ」

私は必死に先生の言うようにした。


「もう一度最初からしてください」

「はい」

私は返事をして体全体で礼をする。


「うーん、まだまだ練習が必要ですね。ではコンスタンツェさん」

「はい」

コンスは騎士式に大きな声で返事をする。

剣術部の訓練で日頃からやっているのだろう。

返事は堂に入っていた。


「礼」

ピタリとコンスは体全体で下げて礼をする。

そして、ゆっくり戻った。


「そう、さすがコンスタンツェさんです」

アデライド先生が褒めてくれた。

私はやばいと思った。

いつもコンスと一緒に怒られているのに、これは勝手が違う。

考えたらコンスは公爵令嬢だった。私が比べるのも間違っていたのだ。


「次はヘレナさん」

「はい」

当てられたヘレナもさすが帝国の男爵令嬢、ちゃんと礼が出来たのだ。

同じ転生者なのに、私は少し焦った。

ポピーは当然出来た。

私にいつも突っかかってくるイルマもユーリアも出来たのだ。

さすが口うるさい貴族の令嬢だ。


平民のベルナールは私とおんなじような感じで私はほっとしたのだ。

でも、平民でも結構出来るものは出来るみたいだ。

出来ないのは私含めて10人くらいだった。


「はい、では、全員、立って下さい」

「「「「はい」」」」

ガタリ

皆一斉に立った。


「ダメです。音を立ててはいけません。もう一度やり直し」

「「「「はい」」」」

私達はもう一度座らされた。

そうだ。音を立ててもいけないのだ。


「全員立って」

「「「「はい」」」」

私は精一杯返事をして、今度はゆっくりと音を立てないように机の横に立った。


「礼」

「「「「はい」」」」

私達は返事をすると礼をした。


「クラウディアさん。また、顎がでてます」

「すみません」

「こう言うときは『申し訳ありません』というのです」

「はい、す、申し訳ありません」

危うくまた言いそうになった。


「ベルナールさんも手の指先伸ばして」

先生は次々に指示していく。

よく40人も見てられる。わたしは変なところに感心した。


「次は出来ていない人だけもう一度」

「「はい」」

10人くらいが立たされて練習させられた。


「クラウディアさん。固くなりすぎです。もう少しリラックスして」

「はい」

でも、固くなるのは仕方がないと思う。だって出来ていないし……


私がそう思った時だ。

いきなりガラリと教室の扉が開いたのだ。


皆が一斉に扉の方を見る。

「あっ、失礼」

そこには物理のランベール先生が立っていた。


「何の御用ですか? ランベール先生」

そこにはブチギレているアデライド先生がいた。


「いや、授業中申し訳ない。実は学園長に頼まれてな、そこのクラウディア君を少しお借りしたいのだが」

怒っているアデライド先生に対してさも当然のように言えるランベール先生を一瞬わたしは尊敬しそうになった。

と言うか、学園長が何のようなのだろう?

別に私は学園長に用はない。



「はいっ? 何か言われましたか」

ぎろりと目を剥いてアデライド先生はランベール先生を睨みつけた。

「いや、学園長からそこのクラウディア君を呼んでくるように言われてだな」

流石にまずいと思ったのか、おどおどしながらランベール先生が言った。


「今授業中です。私の授業よりも大切な事などないでしょう」

学園長の名前にもびくともせずに言い切ったアデライト先生はさすがだ。私は少し尊敬した。


「えっ、いや、そうは言ってもだな。実は大司教様がいらっしゃっていて、光栄なことにそちらのクラウディア君とお話されたいとのことで」

大司教が私に何のようなんだろう? 私は用なんてないんだけど……

「それがどうしたのですか?」

先生には大司教の名前も全く通じなかったみたいだ。

「いや、アデライド先生、大司教様はお忙しい身で」

「忙しいのは私も同じです」

ランベール先生の言葉を一顧だにせずにアデライド先生は断った。

「いや、しかし、アデライド先生、大司教様だぞ。普通の生徒がおいそれとは会えない」

「それがどうしたのです。教会関係者だろうが、皇帝陛下だろうが、授業中は私の授業が最優先です。授業が終わってから改めて呼びに来て下さい」

「えっ、いや、アデライド先生……」

「しつこい!」

なおも言い募ろうとするランベール先生の前で扉をピシャリとアデライド先生は閉め切ったのだった。

皆唖然とその姿を見ていた。

凄い、先生の鏡! 皇帝陛下でも待たせるんだ!

私はアデライド先生の言葉に唖然とした。



「はい、クラウディアさん。もう一度礼をして下さい」

何もなかったかのようにアデライド先生は授業を進めてくれた。


でも、私は大司教がわざわざ私に会いに学園まで来たというのが、とても気になって、授業どころではなくなった。

そして、その結果、延々とアデライド先生に怒られる羽目になってしまったのだ。


大司教許すまじ!

私もプッツン切れてしまった……


ここまで読んで頂いて有難うございました。

学園で一番強いアデライド先生でした……

さて、大司教はどうするか?

クラウの運命やいかに?

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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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