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呼び出されて怒り狂った令嬢達に集団で囲まれてしまいました

1限目の授業は結局、アデライド先生のお説教で受けられなかった。


2限目の授業は地理だった。

私はお手洗いから帰って来て、カバンから教科書を出そうとして、地理の教科書がないのに気付いた。


「あれ、ない?」

私はカバンの中を再度探した。

「どうした、クラウ?」

心配したコンスが聞いてくれた。

「地理の教科書がないみたい」

「朝、ギリギリだったから、忘れたんじゃないのか?」

「うーん、昨日はちゃんと入れたと思ったんだけど……」

私は必死に探したが、やはりカバンの中には入っていなかった。

やはり教科書を入れ忘れたんだろうか?


「教科書くらい、見せてやるぞ」

そう言ってコンスは机をくっつけてくれたのだ。

「有難う、コンス」

私は御礼を言って、コンスに教科書を見せてもらったのだ。


地理の先生には

「いきなり教科書を忘れて来たのですか?」

と嫌味を言われたが、なんとか2限目を乗り切った。


しかし、それからも、物が無くなる事は続いたのだ。


こんなにたくさん忘れることなどない。

絶対におかしい。

私はそう思って改めて周りを見ると、私を見る女たちの目に敵意が感じられた。

絶対に昨日のことをよく思わない令嬢連中が物をわざと隠してくれているのだ。


昨夜ヘレナが説明してくれた、ゲームの中で私がデジレに対して行ったいじめとおんなじだ。

考えたら、水掛けも、花瓶落としもゲームの中でデジレがされたことだった。

でも、私が悪役令嬢ならば、なんで私がこんなことをされるんだろう?


まあ、それもこれも全部、昨日私を連れて女たちから逃げ出してくれたルードのせいだ。

私はルードに文句を言いたかった。



しかし、あまりにも物が無くなるので、今度は私の隣のコンスが切れてくれたのだ。


「おい! 今朝からクラウの物が無くなっているが、誰だ? 隠しているのは?」

コンスは立ち上がると皆をぎろりと睨んで言ってくれたのだ。

流石に公爵令嬢のコンスに逆らえるものは一人もいなかった。


女の子の中で2、3人がコンスの怒りにビクリと肩を震わせたのが見えた。

やっぱりコイツラが隠してくれていたんだ。


「クラウの物を隠すということは、私に喧嘩を売るという事だ。次からやった奴は私が許さない。判ったな」

コンスが啖呵をきってくれたおかげで、それから私の物が無くなる事はなくなった。

公爵令嬢で剣術の強いコンスに逆らう危険性を皆も認識したみたいだ。

というか、今まで無くなっていた物も放課後までに全て出て来たのだ。

私はコンスにとても感謝した。



そして、放課後になった。

コンス達は部活を見に行くという事でさっさと部屋から出て行った。


私はルードとの補講だ。


「はああああ」

それを思うとため息が出た。

私もコンス達と一緒に部活を見て回りたかったのに。

そう思って再度溜息をついた時だ。


「クラウディアさん」

「ちょっといいかしら」

後ろから声がかかったのだ。

それは確か、イルマとユーリアだったと思う。おそらく貴族のご令嬢だった。


私は二人に連れられて、別の空き教室に連れて行かれたのだ。


そこには10人くらいの女生徒がいた。


私が中に入るとぐるりと囲まれて教室の扉が閉められたのだ。


「えっ」

私は驚いた。

これもゲームの中でクラウが


「ちょっと、あなた、どういうつもりなの?」

真ん前の偉そうな女が私を問い詰めてきた。

「せっかくルード様と一緒に踊ろうとしたのに、ルード様をパーティー会場から連れ出すなんて」

「本当に許せないわ」

「一体どういうつもり?」

皆とても怒っていた。

いや、ちょっと待って! 連れ出されたのは私だから!

そう言ったらまた怒られそうだからここは黙っていたけれど……


「高々辺境の属国の男爵令嬢風情がルード様にパーティーでエスコートされるなんてありえないわ」

「というか、普通は男性の場合は、先輩の女性がエスコートされるはずだったのよ」

「そうよ、今上級生で一番爵位の高いのはこちらにいらっしゃるキューネルト侯爵令嬢のラーラ様なのよ」

「そうよ。だから私がルード様にエスコートされるはずだったのよ」

憎々しげにラーラが私を睨んできた。

「なのに、なんで高々属国の男爵令嬢に過ぎないあなたがエスコートされたの?」

「普通は新入生を新入生がエスコートするなんて、婚約者でない限りあり得ないのよ」

「あなた一体、何やったのよ?」

「どんな卑怯な手を使ったの?」

私は先輩たちから非難されたんだけど。

そんなの知らないわよ!

何故私のエスコートがルードだったかは私も疑問だった。

学年最下位の私をエスコートするのを皆いやがって仕方無しに、ルードがきたと思ったんだけど。


「ちょっとあなた、何か言いなさいよ」

「私は何もしていないわ」

「なんですって」

ラーラは睨みつけてきたが、事実だ。

「何、嘘を言っているのよ」

「そうよ。正直に話しなさいよ」

「正直にいつているわよ。それに逃げ出したのだってそもそもルードが私の手を引いて勝手に連れて行ったからで」

そう私が言った瞬間だ。


パシーン

私は思いっきりラーラに頬を張られていた。


「きゃっ」

私は頬を押さえて地面に倒されていた。


「あなた、ルード様を呼び捨てにするなんてどういうつもりなの」

そこには怒髪天のラーラがいた。

「何様のつもり」

「信じられないわ」

女たちが一歩前に出たのだ。

やばい、私が危機感を持った時だ。


「生意気なあなたには思い知らせてやる必要があるわね」

令嬢達がまた一歩前に出てきたのだ。

なんか皆、手からはバチバチって火花が立っているんだけど、これって魔術か何かよね?


ええええ! これってひょっとして相当やばい状況なんじゃ。

私は蒼白になった。





ここまで読んで頂いてありがとうございます。

続きは今夜です。

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