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寮に帰ったら同じ転生者のクラスメイトに捕まって、この世界がゲームの世界だと知らされました

私はルードに寮まで送ってもらって、少しでも女の子らしい事を体験出来て、少しうきうきして寮の中に入った。


そして、その浮かれた気分のまま階段を登って、自分の部屋に向かったのだ。

そして、自分の部屋の前に立っているヘレナを見て驚いた。


ヘレナは下を見て何か思いつめた顔をしていた。

私が近付くと顔を上げたのだ。


「あなた、転生者なのね」

ぼそりと私に向かって言ってくれたのだ。


「えっ⁉」

私はギョッとした。

ヘレナがゲームと違うとか悪役令嬢とか呟いていて、転生者かも知れないと思ってはいた。

でも、なんで私が転生者だって気付いたの?


「ちょっと来て!」

驚いていると、私が抵抗する間もなく、あっという間に自分の部屋に私を連れ込んだのだ。


「ちょっと、いきなり何なのよ!」

私が驚いて抗議すると


「誤魔化さないで! なんであなた悪役令嬢なのにルード様と一緒に仲良くしているの?」

「えっ、私って悪役令嬢なの?」

私はヘレナの言葉に驚いて思わず聞き返していたのだ。


「ほら、悪役令嬢って言葉にその反応は、あなたも転生者でしょ」

ヘレナは勝ち誇ったように言ってきた。


私は逡巡したが、ヘレナは確信めいた顔で私を見ていた。

私は諦めた。


「それは、まあ、私も前世の記憶はあるけれど、でも、私が悪役令嬢ってどういうことよ? そもそも私は自分がどのゲームの中にいるか知らないんだけど」

私が正直に言うと、

「えっ、あなた知らないの? 『帝国の桃色の薔薇』って言う超有名な乙女ゲームよ」

「何そのダサい名前? そんなゲームの名前、聞いたことないんだけど」

私が言うと


「何言っているのよ。私達女子高生の間で爆発的に流行ったスマホゲームよ」

私は聞いた事もなかった。


でも、ヘレナによると高校生の二人に一人はしていたらしい。まあ、ヘレナは関東の片田舎にいたみたいだから、その地方だけではやっていたゲームかもしれないけれど……そんなこと言ったら怒られそうだからおくびにも出して言わなかったけれど。


ヘレナによるとそのゲームは帝国の学園を舞台に繰り広げられる恋愛ゲームでヒロインはピンク頭のデジレ・モントランが主人公らしい。

けなげなヒロインだとヘレナは言うけれど、現実はどう見てもずうずうしいヒロインにしか見えなかった。

彼女は教会の孤児院で育てられたのだけど10歳の時に聖女の力が発現して、モントラン伯爵家に養女としてもらわれたらしい。

そして、その彼女を中心にゲームは進んでいくらしい。


「このゲームの凄い所はAIを使っていて、誰でも攻略者に出来るのよ。ヒロインが何回も接触するうちに好感度が上がって、その人が攻略対象になるの。私、それにはまってしまって何十回もいろんな人とやったから、良く判っているわ」

ヘレナが自慢げに言って来たけれど、そんな都合の良いAIなんてあるんだろうか? 

今はAIも発展途上だ。私はとても眉唾ものに思えた。大体五人位ターゲットを決めてそれに対してシナリオを描いて、残りはその他モブという事で適当にモブパターンを与えているだけだと思うんだけど……

懸命に話しているヘレナの話を邪魔したら話が進まなそうだったから聞き流したけれど……


メインターゲットはルードで、イケメンの生徒会長やルードの側近のカスパーらが人気だったんだとか。

その中に出てくるのが、悪役令嬢のライゼマン公爵家のクラウディアだっていうんだけど……


「ちょっと待ってよ。私はカッセル王国のオイシュタット男爵家の令嬢なのよ。そのライゼマン公爵家って何よ?」

私はよく判らなかった。


「そうよね。そこがよく判らなかったんだけど……だってアタナの今の顔、髪の色から目の色含めてゲームの悪役令嬢クラウディア・ライゼマンにそっくりなのよ」

私はゲームではルードの婚約者でライゼマン公爵家の令嬢だったらしい。


「帝国の公爵家令嬢って何よ。私、オイシュタット男爵家の令嬢でしかないのよ。

それも、今までは男爵家で継母と義妹に延々虐められていたんだから」

私はヘレナに今までの私の話をしたのだ。


「そうなのね。それでルード様に助けていただいて、仲が良くなったんだ」

「良くはないわよ。ルードは私の成績が悪いから上げるのに必死なのよ。今もあの後延々と歴史の勉強させられたんだから」

私が文句をいうと、


「うーん、でも、変ね。なんでルード様があなたの面倒を見てくれたのかしら」

「遠い親戚だって聞いたわ。昔、お母様がいた頃、3ヶ月位私の領地にいたことあるのよね」

「そうか、判ったわ。あなたのおばあさまがライゼマン公爵家の出身なんじゃないの? ルード様のお母様がライゼマン公爵家の出身だから、それで繋がるわ」

「でも、私はライゼマン公爵家の令嬢ではないわよ」

「ゲームでは養子になったんじゃないのかな。それで、ルード様の婚約者になっていたのよ」

ヘレナは言ってくれるが、属国の男爵家の娘がそう簡単に帝国の公爵家の養子になれるものなのか?


「そんな事出来るの? 少なくとも、今は、私はルードの婚約者じゃないわよ」

私ははっきりと言いきった。


「そうよ。そこなのよね。変なのは。そこはあなたが転生者だから悪役令嬢になりたくないがためになにかしたのかと思ったんだけど……」

「何もしていないわよ。私はそもそもゲームのことなんて全く知らなかったんだから」

私はヘレナに首を振ったのだ。


ゲーム上ではクラウは同じAクラスのデジレとルードが親しくしているのを見て嫉妬して、凄惨ないじめをしていくそうだ。最後は破落戸にデジレを襲わせようとしてそれをルードが阻止して、婚約破棄されるそうなのだ。


「クラウディアは怒ったルードによって処刑されるのよ」

「ええええ!」

私はヘレナの他人事の言葉にびっくりした。

「私、ルードに処刑されるの?」

「まあ、それは最悪の場合よ。運が良ければ娼館送りよ」

「ちょっと待ってよ。それって全然良くないじゃない。私は処刑されるか娼館送りにされるかしか未来がないわけ?」

私が再度ヘレナに聞くと、

「ゲーム上はそうなっていたわ」

あっさりとヘレナが答えてくれた。


「ヒロインがルードのルートに入らなければ大丈夫よね」

私が希望を持って聞くと、

「うーん。でも、ヒロインが誰を好きになっても、大体、クラウは同じくクラスのヒロインに嫉妬するのよね。人に言えないようないじめをして、怒ったルードに娼館送りにされていたわ」

「そんな、馬鹿な」

私には意地悪ルードに見せしめに娼館に送られる未来しか見えなかった。


「ちょっと待ってよ。私10歳の時からずっと奴隷のような生活送らされていたのよ。せっかく学園に入れたと思ったのに、今度は処刑か娼館送りってどういうことなのよ。それおかしくない?

ぜったいに伯爵家に聖女として養女に入ったデジレの方がいい生活送っているのに、悲惨な生活送っていた私が娼館送りはおかしいわよ」

私が怒って言うと


「そういうふうに根にもったのかもしれないわ。だからクラウはいじめたんじゃない」

「ええええ!」

ヘレナに言われて私はズキンと来た。

それはそうかも知れない。

せっかく自分が幸せになれると思ったのに、横からかっさらわれたら仕返ししようと思うかもしれない。


「それはそうかも知れないけれど、私は今はルードの婚約者でもないし、一緒のクラスでもないわよ」

「そう、そこがおかしいのよね。ゲームではルード様もデジレもクラウも同じAクラスなのよ。コンス様も同じクラスだわ。なのに、クラウとコンス様がこのEクラスにいるっておかしいのよね。

私もゲームが見たいから、必死に勉強してAクラスに入ろうとしたのに、理科のテストで物理の問題が出て赤点取ったからEクラスになってしまったし……ああああ! 絶対に何かの悪意が張り巡らされているわ」

ヘレナが何か叫びだしたんだけど。


私はその日はああでもないこうでもないとヘレナといろいろ言い合って空が白みかけるまで、話していたのだった。





ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ここからどんどん話は進んでいきます


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でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


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このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

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