大司教の闇魔術の攻撃を受けた私はルードのお守りでそのまま反撃しました
「もう一度繰り返す、直ちに学園は降伏せよ」
大司教が叫んでくれた。
なんと今回の魔物の大発生は教会の大司教が黒幕だったみたいだ。
こんなこと誰も想像だにしていなかった。
教会は神じゃ無くて魔物を信奉していたらしい。
「貴様らが信頼している騎士団も、その騎士達も我が前衛たる魔物達の前に殲滅した。貴様らがこれ以上抵抗しても無駄である」
大司教が更に教えてくれた。
「嘘よ! 騎士団が殲滅させられたなんて!」
ポピーが呟いた。
「そうだ、絶対にあり得ない」
エグモントが同意した。
「でも、何故、魔物がここに現れたの?」
「そうよ。騎士団が無事ならばここまで魔物を来させないわ」
イリアとユーリアがそれに反論した。
「馬鹿だな、おまえらは。俺たちにはコンスがいるんだぞ。学園史上最強の天災級の化け物が。
こんな魔物達にあのコンスがやられるわけはいだろう」
エグモントが言ってくれたけれど、その言葉の内容はどうかとは思ったが、言っていることは正しい。
「でも、じゃあ、なんでコンスはここにいないのよ」
ユーリアが聞いていた。
「そんなの決まっているだろう。魔物達はコンスに恐怖しているからコンスを天然の勘で避けてきたんだよ」
エグモントは言ってくれた。
「えっ、そんなのあり得るわけ?」
ユーリアは疑い深そうに聞いてきた。
私も魔物達が避けるなんてあり得るのかとも思わないでも無かったが、相手はコンスだ。
その可能性は確かにあった。
「何をしている。さっさと降伏せよ。クラウディア・オイシュタットさえこちらに引き渡してくれれば、貴様らの命は保障してやろう」
大司教が言ってくれるんだけど、皆が一斉に私を見る。
「えっ、私?」
まさか大司教が私を名指しで指名してくるとは思ってもいなかった。
「貴様らにとって属国の男爵令嬢の命などどうなってもよかろう」
大司教は言ってくれた。
ちょっと待ってよ!
私も生きているんだから、どうでも良いことは無いわよ!
「あの変態司教、なんてことを言いやがるんだ」
「絶対にクラウを捕まえてあんなことやこんなことをやるつもりだ」
「ちょっと待って、そんなことされたら、俺、絶対にルード様に殺されるよ」
男達が騒ぎ出した。
特にベルナールが青くなっているんだけど……
少なくともクラスの面々で私を差し出そうという奴がいなくてわたしはほっとした。
「はっはっはっは。もう、いつから教会は魔物の巣になってしまわれたのかしら」
そこに大声で笑ってアデライド先生が前に出られたのだ。
「えっ、アデライド先生」
私はまさか礼儀作法の先生が前に出るとは思ってもいなかったのだ。
確かに、魔術実技のマルタン先生をいつも、顎で使っているけれど、戦闘は別物では無いんだろうか?
「これはこれは生意気な皇宮の犬か」
「魔物の手下のバルトルトに言われる筋合いは無いわ」
なんとアデライド先生は格好良く言い切ったのだ。
いつもはなんていけ好かない先生なんだろうと思っていたことは忘れて、私は颯爽と歩く先生を憧れの視線で見た。
「何だと、生意気な。そんなに死にたいのか?」
大司教はまだ余裕だった。
「ふん、魔物の手下は地獄に落ちなさい! サンダーボルト!」
先生は人差し指を突き出したのだ。
一直線に雷撃が大司教を襲いかかる。
「リジェクト」
しかし、あっという間に、大司教によって無効化されたのだ。
「では次は俺からいかしてもらおう。喰らえ!」
大司教は凄まじい爆裂魔術を放ったのだ。
「リジェクト」
アデライド先生も無効呪文を使ったけれど、これはほとんど効果が無かった。
ズカーーーーン
先生はズタ袋のように弾き飛ばされたのだ。
「先生!」
私は慌てて先生に駆け寄った。
「私は、良いから、クラウは皇宮に逃げて……」
体中傷だらけになりながら、声を振り絞ってアデライド先生が私に言った。
でも、クラスの皆を置いて私一人逃げることなんて出来ない。
それに、私はアデライド先生に今まで補講でとても世話になったのだ。
そのアデライド先生をこんな目に遭わせた大司教を許せるわけはなかった。
私は完全に切れていたのだ。
「ヘレナ、先生は頼むわ」
「えっ、クラウ、どうするの?」
「私もやるわ」
「いや、クラウでは無理だって」
私は止めようとしたヘレナに先生の体を押しつけると、立ち上がった。
この前に一つ目巨人相手に戦っていたから、どこかとてもハイになっていたんだと思う。
でないとあんなことは絶対に出来なかった。
「そこの変態! なんて事を私のアデライド先生にやってくれるのよ」
「ちょっと、クラウ!」
私は皆の制止を振り切って建物の外に出たのだ。
「ほう、小娘自ら捕まりに出てきたのか」
にたりといやらしい笑みを浮かべて大司教が言った。
「気持ち悪い笑みを浮かべているのではありませんわ。変態、ガマガエル。魔物に与したガマガエルには神から天罰が下るでしょう」
私は大司教を挑発するために、大司教をガマガエル呼びしたのだ。
「な、何だと小娘。私をガマガエル呼びするのか?」
大司教は激高した。
「少しは貴様を可愛がってやろうと思ったが、考えが変わった。
ここで処分してくれるわ」
「まあ、ガマガエルが人間語を話しているわ。やれるものならやってご覧なさいよ」
私は更に挑発したのだ。
「おのれ! 許さん!」
大司教は怒り狂って私を指さしたのだ。
「死ね、小娘!」
大司教からは真っ黒い闇の魔術が発動した。
黒いおどろおどろしい巨大な黒い塊が私目指して殺到したのだった。
その瞬間だ。
私のお守りが光ったのだ。
私の目の前に、光の障壁が現れるとそのまま180度反射した。
ズドーーーーン
大司教の立っていたところに大爆発が起こった。
大司教の放った魔術はルードのお守りに反射されてそのまま大司教に襲いかかったのだ。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
クラウの反撃は大司教に効いたのか?
続きは明日です。
完結までもう少しです。
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