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ルード視点 公爵令嬢の化け物ぶりを見せつけられて俺たちは魔物に同情しそうになりました

俺たちはコンスを先頭に馬を突っ走らせたのだ。

だが、郊外から続々と逃げ出してくる民の集団の前に馬をなかなか進ませられない。


「やむを得ん。抜け道を走るぞ」

コンスが走るところは裏道だった。

貧民街のど真ん中を突っ走る。

貧民街がまだこんなに残っていたのか?

俺たちの施政がうまくいっていない証拠だ。

もっとしっかりしろとコンスが叫んでいるような気がした。

まあ、こいつは何も考えていないとは思うが……


こんなところがまだあったのか、と俺もよく知らない道をコンスは突っ走ってくれた。

貧しい身なりの者たちの多くいる中を馬で突っ走るのだ。

気迫に迫る先頭のコンスを見て、さすがに皆避けようとした。

俺たちはその後ろに続いて馬を駆けさせた。

まあ馬を駆けさせるとはいっても小走り程度だ。

それ以上走らせると馬は走り続けられない。


「通るぞ」

帝都の門をコンスの顔パスで通過する。

そのまま、郊外に出てしばらく走らせると人通りが途絶えた。


「どうなっているんだ、これは」

こんなに早くに一通りが消えるなんておかしい。

俺たちが周りを警戒しだしたときだ。


「おい、ルード。出たぞ!」

カスパーの声がした。

カスパーの指す先にゴブリンの大群が現れたのだ。


「ほう、早くも出てきたか」

コンスはそう言うやにやりと笑ってくれた。

獲物を見つけたオオカミの目だ。

いや、巨竜の目と言うべきか。

コンスは爛々と目を輝かせて宝剣ミネルヴァを抜いてくれたのだ。


「化け物どもいくぞ!」

コンスが抜剣した宝剣を前に突っ込んでいった。


「よし、続け」

俺も残りの面々に言うや、抜剣して、続いた。


コンスの前の魔物達はいないように次々に斬り下げられて行く。


「ギャーーーー」

何故か俺たちはゴブリン達の悲鳴を聞いたのだ。

普通ゴブリンが悲鳴を上げるなんて信じられないのだが。


「「ギャーーーー」」

そして、みんな、一斉に避けていきだしたんだけど……

あるいは後ろを向いて一斉に逃げ出したのだ。


いやいや、あり得ないだろう!


その逃げるゴブリンを宝剣ミネルヴァを振り回したコンスがなで斬りにしていくのだ。


なんか逃げ惑う魔物達を虐殺しているような変な気分になってくる。

絶対に変だ。

魔物は馬鹿だからか神経が無いからか考えなしだからか普通は逃げたりしないのだ。

どんなに劣勢になっても最後の一匹までかかってくるのだ。

それが逃げ出すってどういうことなんだ?


「「「ギャーーーー」」」

悲鳴がどんどん大きくなってくるんだけど……


普通はスタンピードと言えば魔物が増えすぎて集団暴走するものだ。

その流れは基本的に一方向に流れるはずなのに……

何故かコンスの前ではその流れが逆行を始めたんだけど……そんなのあり得るのか?


俺たちは馬の調子もあり、途中で休んだ。


魔物達が逆襲してくるかと思ったのだが、魔物達は出てこなかった。


「変だな、こんな簡単なことがあるのか?」

カスパーが呟いた。

「いや、もっとでかい魔物がいるはずだ」

俺はそう言いつつ、何か異変を感じた。


遠くの草が沈みのが見えたのだ。

そして、次の草が沈む。


「おい、何かいるぞ」

見えないものがゆっくりとこちらに来る。


俺たちが抜剣したときだ。


「喰らえ!」

コンスが宝剣ミネルヴァを振りかぶって渾身の力を込めて振り抜いてくれた。


ザンッ


すさまじい斬撃が走った。


必殺ソニックブレードだ。

普通の人間では到底出来ない、宝剣とコンスの力業だった。


バキッ

「ギャーーーー」

隠蔽の魔術を駆けていたと思われる一つ目巨人が現れたと思ったときには真っ二つに切り裂かれていた。


「ふん、まだまだいるみたいだな」

コンスは不敵な笑みを浮かべると


「雷神!」

コンスは宝剣ミネルヴァを振り上げると魔術を発動させたのだ。


コンスの宝剣から雷が四方八方に飛びだした。


「「「ギャーーーー」」」

その先にいた一つ目巨人の群れがコンスの雷を受けて黒焦げで次々に倒れていく。

凄まじい雷撃だ。


しかし、遠くの一つ目巨人は隠蔽の魔術が消え去っただけだった。


10体くらいが残っている。


「ようし、行くぞ」

コンスはいきなり一人で駆けだした。


「おい、待て!」

俺たちも慌てて追いかける。


「喰らえ!」

コンスは先頭の一体の前で飛び上がるや頭から斬り下げたのだ。


一つ目巨人は反応する間もなく瞬時に真っ二つになっていた。


他の巨人達が慌ててコンスに殴りかかろうとする。

しかし、コンスはその手をかいくぐり

「死ね!」

ズバッ

「どけ!」

ズバッ

「邪魔だ!」

ズバッ


次々に宝剣で斬り抜けていくのだ。

その後には真っ二つになる一つ目巨人を残して……


俺たちが追いついたときには10体の一つ目巨人は悉くコンスの剣の前に倒されていたのだった。


「なんか、怪獣コンスの圧勝って感じだな」

「勝手に人を化け物にするな」

そう言ったカスパーはコンスに殴られていたけれど、俺たちは心の底からカスパーに同意していた。


そして、標的のように倒される魔物達が少しだけ可哀相になってきたのは秘密だ。


最強のコンスの前に敵はいないのか

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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
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このお話の前の話

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