第七十四話 卒業、そして…
激動の箱根駅伝から
2ヶ月後…。
東京都S区、
某会場にて。
この日、
城西拓翼大学の
卒業式が行われてた。
式は粛々と
進んでいたが、
スポーツ功労者として
石川涼介、西條蒼太、
東原蓮太、東原修太、
そして、
荻久保圭佑の名前が
呼ばれると、
会場は歓声とともに、
拍手が嵐のように
巻き起こる!
『最高の世代』が
あの日に見せた
魂を込めた走りは、
それを現地で、
またはテレビで観ていた
多くの人々の心を、
今まで感じたことが
無いほどに、
アツく、激しく
震わせていたのだ!
(今日で本当に、
この仲間とも
お別れなのか…。)
会場の盛り上がりとは
対照的に、蒼太たちは
感傷的な気持ちを
噛み締めていた。
第七十四話 卒業、そして…
「おーい!!!
何してんだよー!
こっち、こっち!
ここで撮ろうよ!
集合写真!」
「おー!いま行く!」
無事に卒業式が終わり
1人だけはぐれてしまった
蒼太は、
ようやく
同期メンバーと合流する。
「だけど、
俺たち5人全員が
スーツ姿なのは、
一年の時の
入寮式以来だな!」
「確かに!
あの時も
道に迷った蒼太が
半泣きで寮に
入ってきて
ほんとに
腹抱えて笑ったよ。」
「おいッ!
それを言うなって。
いいから写真だ!」
蒼太が話を逸らす。
「それじゃあ、
圭佑は真ん中な!」
「えー!?
それは涼介に悪いって。」
「いいから、いいから。
俺たちにとって、
やっぱり主役は圭佑…、
お前なんだからさ!」
そう言いながら、
卒業式会場を背景に
片手に卒業証が入った
筒を持ちながら、
仲良く肩を組んだ。
センターには、
あの日アンカーを務め、
ジョーダイの象徴となった
圭佑が、
その両となりに
蒼太と涼介、
両端には
レンとシュウが並ぶ。
そこには、
最高の笑顔で写真に映る
5人の姿があった。
「それじゃあ、
撮るもの撮ったし、
そろそろ行くかー!」
涼介が全員に声をかける。
「ああ!
すぐに行こうぜ。」
(俺たちの
4年間の思いが詰まった
最高の場所に!)
(絆が生まれたあの聖地に!)
(そして…いつも魂で
繋がれていた仲間の下に。)
慣れないスーツ姿は
やはり、いつもより
動きづらかったが、
5人は一斉に、
ジョーダイの
陸上競技場へと
駆け出していった。




