第六十五話 サバイバル!(復路・最後の箱根駅伝編13)
箱根駅伝第10区、
5キロ地点。
「行け行け!ジョーダイ!」
「行け行け!圭佑!」
先代の城西拓翼大学の
メンバーである矢車たちが
ジョーダイ・コールで
圭佑にエールを送る!
たった
3人しかいない世代、
『狭間の世代』と呼ばれた
不遇の時代を過ごした
メンバーの応援は、
その場にいる誰よりも
アツかった。
(矢車さんたち…
来てくれたんだ!
ゴールしたら、
お礼言わなきゃな。)
矢車たちの応援を受け、
軽快な走りを見せる圭佑に
もはや7位以上は確定したと
誰もが確信する。
2年前に意識不明の
重体だったことが
嘘だったかのように、
圭佑の走りは
持ち前の安定感に
満ち溢れていた。
しかし…
その後方では。
第六十五話 サバイバル!
10区スタート直後、
十位グループを形成していた
山梨国際大と埼玉帝強大が、
8位グループの
青葉大と関東体育大を
吸収すると
団子状態になりながらも
集団走を形成し、
7位の城西拓翼大との
距離をじわりじわりと
詰めてきていたのだ。
(最後の最後まで、
何が起こるのか分からんのが、
箱根駅伝というものだ。
櫛部川君、悪いが
ジョーダイには
辛酸を舐めてもらおう!)
山梨国際大学の監督である
植木もまた、
勝負師としての顔を
のぞかせる、
(1万メートルの
ベストタイムを見ても
やはり、ジョーダイが
この中では劣ると見た!
箱根駅伝は勝負の世界、
強いて言うならば
結果が全ての世界よ…。
よく頑張っていたがね。)
青葉大学・監督の
原口もまた、
まずは確実にシード権を
獲得すべく、
ジョーダイ下ろしを
決断した。
無論、
関東体育大や埼玉帝強大も
言葉は交わさずとも同様の
認識である。
選手たちもまた、
「引き摺り下ろすなら、
ジョーダイだ。」と
申し合わせたかのように
統率された集団走を
繰り広げていた。
そしてついに!
13キロ地点にて、
ジョーダイの背中に
追いつく!
ここに、5人の
7位集団が形成され、
並走を始めた。
これにより、
今年のシード権争いは、
この5校のうち4校が
シード権を獲得し、
1校がシード落ち、
翌年の予選会送りとなる
サバイバルレースに
発展したのだ。
この時、誰もが
この並走が大手町まで
続くとは…
そしてあのような
衝撃的な結末になるとは
誰もが予想だに
していなかった。




