表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/80

第十七話 徳丸(エース)の変化(法正大学編 最終)

箱根駅伝予選会から1週間後。


法正大学陸上競技場にて。


徳丸トク…。

流石にやりすぎじゃろ!


予選会の日から抗議の電話

ばっかりじゃ。まったく…。


テレビを使って挑発するなんざ、

前代未聞もええとこじゃぞ!」


自主性と個性を重んじる

法正大学監督の鳴山ですら、

苦言を言わざるを得ない。


しかし、当の本人は、

全くと言っていいほど

これを気にしているように

感じさせなかった。


鳴山に背を向け、

お気に入りのサングラスをかけたまま、

「そうっすか?」と言って、

ストレッチを繰り返している。


その上、多くの部員、特に下級生は、

徳丸に心酔しきっており、

誰もエースに異をとなえる者は

当然のごとく皆無であった。



第十七話 徳丸エースの変化(法正大学編 最終)



しかし、徳丸と同じ四年生らは、

別の意味であの発言に驚愕したと言う。


「なあ、確かに徳丸トクは言ったよな。」


「ああ。間違いなく言った。

箱根駅伝で勝つのは『俺たち』だって。


常に自分のことしか

考えないようなヤツだったのに。」


彼らは気づいていた。


徳丸の中で

何かが変わり始めていることを。


そして、今回の件で、

鳴山に迷惑をかけたことに関して

本当は申し訳ないと思っていることも。


その証拠に鳴山の話を聞く時だけは、

絶対にサングラスを外す徳丸が、

今日に限ってこれをかけたままだからだ。


徳丸は謝ることが苦手な男である。

それはある意味、

不器用なのかもしれない。


「謝るぐらいなら

結果を出して見返せばいい。」

そんな力ずくの人生を歩んできた。


ただ、恩人である鳴山に対しては、

「すみません。」と言いたいはずだ。


だが、「ここまでやった以上は、

監督や仲間のためにも強気でなければ!」

という気持ちの方が勝ってしまう。


(あんな風に振る舞っていても、

徳丸アイツは誰にも負けないくらい、

鳴山監督ナルさんに恩返しがしたいんだろうな。)


同期全員がそう思っていた。


「お前の内定先からも

クレームが来とったぞ!

日青食品からオファーが来たのに、

取り消しになったらどうするんだ!?」


鳴山の説教は止まらない。


「大丈夫っす!

そんときゃ、バイトでもしながら、

鳴山監督ナルさんとオリンピックで

金メダル取りにいくんで!」


そう笑いながら、

徳丸桂馬はトラックに駆け出した!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 徳丸桂馬選手のキャラクター、なかなか面白いです 生意気だけど、強い決意を持ってるのが、上手く描かれていて、良かったです [一言] まだまだ波乱ありそうですね
2023/11/08 20:21 イクヨネルネル
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ