第十話 男の背中!(出雲駅伝編⑥)
(やべぇな…。
こんな奴が大学駅伝界にいるとは…。
ガタイは俺とそう変わらんが、
何てデカい背中をしてやがる!
本当に
こんなスゲェ奴…見たことねぇ!
これが、外国人でありながら、
100人以上の部員を
まとめ上げた男の持つオーラなんか!?
まるで追い抜けるイメージが沸かん!)
一方、山梨国際大学のエドワードも、
後方で粘りの走りを続ける涼介に
脅威を覚えずにはいられなかった!
(城西拓翼大学には、
ソウタ・サイジョーよりも
速いエースがいるのは知っていたが、
こんなに走れるやつだったのか!
ここで隙を見せたら一気にやられる!
涼介の前に出続けるしかない。
いつもレースに出れなくて、
悔しい思いをしている仲間のために!
俺が負けるわけにはいかないんだ!)
二人のキャプテンによる真っ向勝負は、
ラスト1キロメートルまでもつれこんだ!
第十話 男の背中!(出雲駅伝編⑥)
(でもな…、エドワード。俺だって!
伊達にジョーダイのキャプテンを
張ってるわけじゃねーんだよ!
あの日、箱根で棄権した俺のことを、
最後まで信じてくれた仲間のために!
ここで恥じない走りを示して、
結果を出すことが俺の仕事なんだよ!)
仲間への強い想いが、
涼介の両足に力を与える!
ついに、残り500メートル!
ついにエドワードと並び、
そして前にでた!
エドワードのアスリート魂が
ぶるっと震える!
(間違いない!
こいつは俺と同じニオイがする!
分かるぞ!言うまでもなく、
お前の背中が物語っている。
そう、奴が…
誰よりも仲間想いだということを!
何人率いているとか、
そうゆう問題じゃないんだ。
思いの丈がどれだけホンモノか、
それが大事だったんだ。
涼介は強いぞ!!)
さらに、エドワードが前に出た!
残り150メートル。
二人は最後の力を振り絞り、
ラストスパートを仕掛けた!