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第七話 四傑の恐怖!(出雲駅伝編③)

出雲駅伝一区。


城西拓翼大学の三年、

力石守はスタート直後の下りを利用して

先頭トップに立ち、各校を揺さぶる!


しかし、最初の1キロを落ち着いて入った

早瀬刃(4傑)と葛城龍治(山の神)に、

他校のランナーもこれに同調!


これは、

出雲駅伝は距離が短いゆえに、

一区であれば後半で巻き返しが

可能であるからだ!


序盤からスパートを仕掛けて

そのままゴールができるほど、

甘いレースではないのだ。


力石もその事を十分に理解している。

一旦、スピードを落として

集団の中に潜っていった。



第七話 四傑の恐怖!(出雲駅伝編③)



集団に飲み込まれた

と思われてた力石だが、

四傑の早瀬と葛城を崩そうと

後方でその牙をといでいた。


(四傑だから、何だってんだ!

俺だって…、来年は!

ジョーダイのエースになる男なんだ!

早瀬も葛城も、俺と同じ三年だろ!?

だったら、負けるわけにはいかねーよ!)


ラスト4キロ、ここで集団が動いた!


申し合わせたように、早瀬と葛城が

徐々にペースを上げていく。


一人また一人と先頭争いから脱落!


残り2キロ地点で先頭集団に残ったのは、

中央義塾大学・早瀬刃(四傑)と

東洋文化大学・葛城龍治(四傑・山の神)、

そして、城西拓翼大学・力石守となった!


ここでラストスパートを

だれが先に仕掛けるのか!?


誰もが固唾を飲んで見守っていた。


その時!


力石が思い切って、早瀬と葛城の前に出る。


そして、そのまま逃げ切りをしかけた!


しかし、四傑と呼ばれた二人は

簡単にこれに追いつくと、


その勢いのまま、

圧巻のスパート返しを決めた!


結果、力石はトップと36秒差の三位で

二区の神崎一心にタスキをつなぐ。


昨シーズン、力石は怪我のため

思うように走ることができなかった。

その上、相手が四傑の一角だけに、

この成績は出来過ぎと言ってもよい。


だが、早瀬と葛城、

彼らの圧倒的な走力を目の当たりにし、

力石は実力不足を痛感せざるを

得なかった。


(これがもっと長い距離…、

ハーフマラソンや箱根駅伝だったら、

間違いなく大差でやられていた!

なんてヤツらなんだ…。

俺たちはこんなヤバい奴らと

この先もやり合うのかよ!)


アスリートである以上、

誰もが負けを経験する。

しかし、負けを知ることは

決して悪いことではないはずだ。


負けたとしても

何度でも立ち上がり

強くなればいい。


ただ、それだけである。


だが、

負けを知り、心が折れた時、

アスリートという人種は

完全に敗北する。


そして、当の力石は、

四傑に勝つイメージが沸かなくなるほど

走ることに恐怖を覚えていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 予想外の出雲のメンバー [気になる点] 元陸上部の3人がこの出雲をどういう感じで受け止めているのか [一言] 今回の出来事が箱根駅伝でどんなドラマが展開されるのか楽しみ
2023/10/28 19:33 マスターネルネル
[良い点] 出雲駅伝の一区の走行感の緊迫感を感じ、ドキドキしました 選手選抜の所も、皆の特徴も捉えていて、読みごたえありました [一言] これからの各選手の走行が、どうなるか楽しみです
2023/10/28 11:11 イクヨネルネル
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