第六話 駅伝シーズン、開幕戦!(出雲駅伝編②)
毎年、
10月上旬、スポーツの日(祝日)に
出雲駅伝は開催される。
本編に入る前に、今一度、
出雲駅伝の説明をしておきたい。
『正式名称を
出雲全日本大学選抜駅伝競走と言い、
選抜と名がつくように、
各地の大学がそれぞれの地区の
選抜方式により参加を許される大会だ。
なお、関東地区では、前年度の箱根駅伝で
十位以内に入った大学に出場権が
与えられる。
伊勢路で行われる全日本大学駅伝と、
正月の箱根駅伝と共に、いつしか、
大学三大駅伝と呼ばれるようになった。』
第六話 駅伝シーズン、開幕戦!(出雲駅伝編②)
城西拓翼大学の区間配置は
当日変更なし、
最初のエントリー表どおりとなった。
区間配置は次の通りである。
一区(8.0km) 力石 守 (三年)
二区(5.8km) 神崎 一心(二年)
三区(8.5km) 石川 涼介(四年)
四区(6.2km) 東原 修太(四年)
五区(6.4km) 東原 蓮太(四年)
六区(10.2km) 西條 蒼太(四年)
一方、ライバル校の有力選手は
以下のとおりの配置なっている。
一区
・ 早瀬刃(中央義塾大学・三年)
・ 葛城龍治(東洋文化大学・三年)
三区
・ エドワード(山梨国際大学)
六区
・ 柴崎和真(中央義塾大学)
・ 伊澤剣(東京駒澤大学)
以上である。
駅伝シーズン開幕戦であるにも関わらず、
一区と六区で早くも大学4傑同士の
直接対決となることや、
アンカー起用が予想されていた
ヤマガクのキャプテン、
エドワード・シュナイダーが
前半のエース区間である三区に
配置されるなどもあり、
レース前から、例年を遥かに超える
大盛り上がりをみせていた。
そして、出雲駅伝当日。
時間は13時すぎ。
空は青くさえわたり、
風も全くない。
出雲大社の大鳥居から出てきた
各校の一区を担うランナーが
その鳥居の直前に位置する
スタート地点についている。
直前の緊張感から
しばらく沈黙が続いたが、
ピストルの合図と共に、
各ランナーが出雲大社前の
石畳を颯爽と駆け出した!