42/425
第十六話 シキ
「あ?俺はもう最後の子じゃねぇ。お前達が最後の子でいいだろ。ほっとけよ。」
そう言い放つ幼生のセアカは苛立ちながらも、どこか安堵の表情が隠し切れていなかった。その時のクウは、その表情を読み取ることが出来なかったが、彼の兄であるシキはセアカの心の奥底まで見通していた。それが、セアカの苦痛だった。
「俺も同じ。でもさ、クウとロイやハクはどっちが最後なんだ?俺とクウは本当の歳は判らない。前の街でも拾われだったからな。教えてくれる筈の家族は皆死んでる。で、俺は想うわけ。最後ってナンか意味あんのか?」
「知らねぇよ。周りがそう言ってるだけだろ?俺はただ、そうじゃねぇって言ってるの。」
「じゃぁ次の質問。なんでそんなに苛立ってんの?」
いつだっただろうか?シキとクウとセアカと三人だけで話すことがあり、この後、シキとセアカは――大げんかして――親友となった。まだ、皆、何処にでも居るただの幼生だった。




