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「天恵」 ~零の鍵の世界~  作者: ゆうわ
第二章 夜の帳。
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第十六話 シキ




 「あ?俺はもう最後の子じゃねぇ。お前達が最後の子でいいだろ。ほっとけよ。」


 そう言い放つ幼生《エイラ》のセアカは苛立ちながらも、どこか安堵の表情が隠し切れていなかった。その時のクウは、その表情を読み取ることが出来なかったが、彼の兄であるシキはセアカの心の奥底まで見通していた。それが、セアカの苦痛だった。


 「俺も同じ。でもさ、クウとロイやハクはどっちが最後なんだ?俺とクウは本当の歳は判らない。前の街でも拾われだったからな。教えてくれる筈の家族は皆死んでる。で、俺は想うわけ。最後ってナンか意味あんのか?」


 「知らねぇよ。周りがそう言ってるだけだろ?俺はただ、そうじゃねぇって言ってるの。」


 「じゃぁ次の質問。なんでそんなに苛立ってんの?」


 いつだっただろうか?シキとクウとセアカと三人だけで話すことがあり、この後、シキとセアカは――大げんかして――親友となった。まだ、皆、何処にでも居るただの幼生《ガキ》だった。



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