表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「天恵」 ~零の鍵の世界~  作者: ゆうわ
第十二章 世界の終わり。
411/425

第四十二話 世界の終わり 30



 クウに自身のイドを、守護者の鍵を奪われるその瞬間を目撃したラスは、一瞬、虚ろの双眸を見開き、何かを発しようと骨となった顎を開いたが、声にならず――そのまま、絶命した。その瞬間を境にピクリとも動かず、ラスの魂気マイトは消失した。クウはラスが零鍵世界から消えたのを感じた。クウが握ったはずのラスの鍵も。だが、いずれにしても決着が訪れた。勝者が確定したのだ。


 「やった……やり遂げたんだ。僕は――ラスを倒したんだぁああああっ!」


 続けて、うああああっと言葉にならない叫びを上げて、クウは歓喜の感情を爆発させる。同時にラスも爆発した。巨大な閃光が周囲を覆い、空振が走り、大障壁が崩壊した。頭部だけのロイも死にかけているハクも吹き飛んで瓦礫に抉られて食い荒らされた死骸のように引き裂かれた。意識のあったクウは辛うじて魂気マイトで衝撃を防ごうとしたが、受け止めきれなかった。クウの四肢は爆発で引きちぎられていった。死の苦痛の中、ゆっくりと過ぎていく最後の一瞬にクウは渦翁の言葉を聞いた。ロイの頭部は爆散してしまっていたから神意顕現マーフが届いたのは理解しがたい現象だったが、確かに渦翁のその声は聞こえた。


 「ありがとう、クウ。さらばだ。すでに私が水紋の最後の一人だ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ