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第二十話 神々の眷属《アドミニオン》 11
「何も。ここにあるのはただの変異だけでした。」
ラスはその喋る石像に答えた。石造は身体も顔も全てが一メートル立方の岩から出来ており、無表情で感情が無かった。真っ直ぐ虚空を見つめるだけの巨像はがりがりと音を立てて、ラスのことを見下ろした。大きな石が落ちて、大地を荒らした。
「先に受けた報告とは違うな。本当に只の変異か?真化や発生ではないのか。」
一瞬、ラスは回答出来ず……その一瞬に巨像に声が掛かる。運命の一言だった。
「私達は確かに変異です。ですが、同時に魂であり、命でもあります。」




