第六話 夜の半分 6
彼女たちは素早く行動を起こした。ラスと一緒に居た3人のモルフが白死から目覚める前に、二人で縛り上げて開いた牢に放り込んだ。サカゲ達もロイの強力な白死で気を失っている。まずは仲間達を牢から出さなくてはならない。しかし、この牢は術で施錠されている上に、牢に対する練術を無効化する印が刻まれており、容易に破壊することは出来ない。つまり、正式な手順がないと牢を開けることが出来ない。ラスが死んでしまった今となっては、誰が牢を開くことが出来るのかも判らない。
「どうしよっか……。」
牢の前で思案するハクにロイは告げる。
「いや、多分、大丈夫だ。」
言って、ロイは無雑作にサカゲが入れられている牢の扉に手をかけて……開いた。中に入り、サカゲの手錠も外した。どちらも鍵が掛かっている様子は無かった。ハクはかわいい眉を寄せる。
「こんなことってある?」
これだけ厳重な施設を用意しておきながら、全く運用しない……施錠していない……なんてあり得るだろうか?そもそも、ハクがこの区画の最奥に閉じ込められていた時は錠も封練術の印も有効だった。なのに何故?不審がるハクにロイはさらりと言った。
「あるみたい、だな。その内話すよ。とにかく、皆を牢から出そう。」




