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第十話 親友。
ロイはクウの作業室に立ち寄り、ハクが言った“ロイに渡したいモノ”を確認した。それは彼の真面目さを現しているのかも知れないし、単なる義理かも知れない。でも、ロイは感じた。クウの愛を。そうだ。俺たちは幼馴染みで友人で兄弟では無いけど、同じ時間を過ごした。仲間だ。最後の子と言う訳の分からないくくりに纏められて、持ち上げられて、突き落とされた。その、仲間だ。目の前には、黒光りする外殻が置いてあった。式神の魂力核を使い新しい外殻を完成させていた。熱に浮かされて生死を彷徨っていたはずなのに。どれだけ辛かっただろうか?彼は、何故これを成し遂げたのだろうか?そこにある想いに名前はあるのだろうか?いや、でも、だから、ロイは涙を堪えられ無かった。そうなんだ。本当に。俺たちは。
「変わってないんだよね。」
埃を被った懐かしい部屋の空気は甘く、ロイの涙をさそった。




