第六話 幼馴染。
包帯だらけの身体にオーバーオール。首にはゴーグルが掛けられていた。何も変わらないその姿を見たハクは走り出して飛び付いた。
「クウ!!」
真っ白な毛皮や綺麗なグリーンのワンピースが汚れるのも構わずにハクはクウに抱きついた。ハグのように優しく、ではなく、クウの身体を取り込もうとするかのように強く抱きしめた。ハクは泣いていた。泣きながら困惑顔するクウをお風呂に引きずって行き、お湯が張られた浴槽に放り込んだ。クウが苦情を言ったが、ハクは泣くばっかりで答えない。ハクは大泣きしながらクウと同じ浴槽に入った。わんわん泣きながら、クウの肌の様子を確認し始める。前よりも状態が良い気がした。少し安心したハクはやっぱり泣いた。泣きながら、ウーと少し唸り、痂に覆われたクウの胸のイドに触れる。僅かにひび割れている。痂に裂け目があり、内部の赤い光が漏れている。そこでハクは泣き止んだ。黒い円らな瞳をまんまるにして、鼻を啜り、鼻の頭をペロリとする。ようやく、口を開いた。
「ねぇ。痂が取れそうだよ?直ろうとしているの?クウって。」
「それは分からないけど、とにかくよかった。ハクが泣き止んでくれて。心配かけてごめん。」
「そうだよ。すっごく心配したんだうわわぁ……。」
クウはハクの事をよしよししてやった。昔、よくしたように。僕たちは変わらないんだな、と感じたクウは胸の内が熱くなるのを感じた。少し前から感じていたように、少しだけ、イドの光が戻って来ているのをまた、感じた。