表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/4

2.転生するときチートスキルが貰えるテンプレ


「異世界に転移ってラノベや漫画みたいな?」


 自分の今までの常識をひっくり返すような情報をこの短時間で詰め込まれた脳は疲弊して判断力が低下してしまったのかいつの間にか驚くことも減り、そんな突拍子のないこともある程度すんなりと受け入れるようになってしまっていた。


「ええ。まあ大輝さんは一度命を落としているので"転生"とも言えますね。しかし完全に新しい赤ん坊として生まれ変わるとかではなく、『大輝さん』としてその世界に行く、と言ったイメージが近いですかね。

 もちろんその世界でちゃんと生きられるように、言語などについてはサポートします。あと、異世界と言っても沢山あるのですが、大輝さんの行く異世界はあなたの周囲に関する情報はすべてあなたに分かりやすいようにあなたの好きなゲームのような《ステータス》等で確認でき、レベルの概念もあるような世界を選びました。

 大輝さんのお好きな異世界冒険的なゲームをイメージしていただければある程度近い想像になるかと。」


 そういうとサラはその世界の説明を始めた。


「大輝さんが行く世界は先程を言いましたが、それこそゲームのような、剣や魔法、魔法とは違う『スキル』などを使い、魔物と戦って生計を立てる冒険者達の暮らす世界です。

 世界は魔王率いる魔族が支配する魔国と、ダイナー大王家率いる人族が支配する聖国に分かれていて対立しています。獣人やエルフなどの亜人種も人族とされます。

 先の発言からわかるように、魔族サイドには魔王がいます。そして逆に人族サイドには勇者や聖女などもいます。あと、聖国には勇者と聖女を信仰する宗教が存在し、その世界の人間達のほとんどはその宗教を信仰しています。

 こういう時あなたの好きなライトノベルなどではあなたが勇者になるのでしょうが、残念ながらその世界にはもう勇者が存在していて、私はその世界に深く干渉できず、それを変えるのは出来ません。

 そして、勇者のように目立ちすぎると勇者信仰の強い聖国では生きて行けなくなってしまいますのでくれぐれも気をつけるように。」


 サラは本当に申し訳なさそうに尻尾を垂らしてそう話した。


「別に大丈夫だよ。俺もそこまで目立ちたいわけではないしね。」


 ここで一抹の不安がよぎる。


「でも魔物や魔王はいるんだろ?俺は生きていけるのか?危険な気もするんだけど。」


「それは大丈夫です!大輝さんはその世界では勇者よりも強い。所謂『チートスキル』ってやつを持って行くことになります。」


 ん?待てよ?確かサラは……


「待ってくれ。たしかサラは世界に深く干渉できないんだろ?なのにそんなことできるのか?」


「大丈夫です。この天界内で済ませますので。というよりもスキルを付与しないと大輝さんは転生出来ずに死んでしまうんですよ。」


「は?」


 転生後に殺されるとかならまだしもこの俺とサラしかいない空間で転生出来ずに死ぬのは訳が分からない。


「事故の時、衝撃はあっても痛みは感じなかったのをおぼえていますか?」


 確かに、痛みを感じた記憶はない。衝撃があったのなら衝突はしているはずなのにだ。でもそれに何の関係が?


「あの時、痛みが残るとさすがに精神にダメージが残ってしまうと思い、エネルギーに変換したのです。これがその時のエネルギーです。」


 そう言うとサラは空中に黒い『何か』を出した。


 『それ』は白い世界で周りの空間を歪めながら『そこ』にありながら一目で俺の理外のものであると感じさせるのに十二分なまでにおぞましく、異質な存在感を放っていた。

 『それ』を俺の知識の範囲内で強いて例えるならば大質量高重力の破壊の代名詞ブラックホールだろう。本物のブラックホールなどもちろん見た事はないがそれに相当、ともすればそれ以上に危険だと本能で感じる。1度経験しているからわかる。これは『死』だ。俺の頭が一瞬にして恐怖に染まる。


 (これはマジでやばい。関わるべきじゃない。駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目d


「大丈夫。落ち着いて。」


 『それ』を消すとサラは言った。


「膨大で強いエネルギーというのが分かりましたか?このエネルギーを何かに変換しないと大輝さんはエネルギー暴走で死んでしまいます。ここまで大きなエネルギーをスキルに変えるなど神でない限りできませんし、他者には得られない強力なスキルをいくつか得ることになりますね。」


 あー、なるほど。そりゃ死ぬって感じるわけだ。ご本人かよ。こんな危なそうなエネルギーをそのまま体内に入れるなんてまっぴらごめんだ。


「そういうことか。そらあぶねぇな。話も聞かずに取り乱してすまん。ありがとう。」


「『一応』お礼なんですから気にしないでください。ところで、ある程度は私の方でスキルを調節しますが、お望みのスキルなどあればお伺いしますよ?エネルギーが足りる範囲で、ですが。」


「なるほど、そう言うことならゲームで言うストレージみたいなスキルは元々ないのなら欲しいかな。あとはレベルの概念があるならレベル限界突破と経験値アップとかかな。あと目立たないようにするならその世界の常識かなんかを教えてくれるスキルとステータスの偽造スキルは欲しいかな。

……あとさ、例えばの話なんだけど、その世界の金を作るスキルとかあったりしないかな〜……なんて。」


「お金はその世界では魔法ではなく人が工業的に作っているので無理ですね。なんてこと考えるんですか…星奈に怒られますよ?

 他のスキルは全部設定可能です。あと、重ね重ねですが目立つのは危険なんですから強くなったからとはいえ、目立つようなことにはくれぐれも気をつけるように。」


「分かってるよ。ちゃんと目立たないようにするよ。ところで星奈は大丈夫なの?」


「あなたの死で心が崩壊しかけましたが、ギリギリでなんとか持ち直しました。今は大丈夫ですよ。」


 サラは優しい声でそう言った。


「よかった。俺が言うことではないかもだけど、これからも星奈をお願いね。あと、父さんと母さんのことも少し気にかける程度でもいいから頼めるかな。俺がいなくなったら悲しむだろうから。」


「ええ。任せてください。おや、そろそろお時間ですね。名残惜しいですが、ご武運、心より願っております。

 転生されましたら魔力を込めて『ステータス』と念じて大輝さんのあちらでの情報を確認してください。その他気持ちばかりのアイテム等もストレージスキル内に入れてあります。

 スキルや魔力の使い方はその世界のことを教えてくれるスキル、《賢者》に聞けばある程度は教えてくれます。」


 そうサラが言い終わると同時に俺は今までに感じたことの無い眠気と倦怠感に襲われた。『ありがとう』そう口を動かすだけの気力は残っておらず、その言葉はサラに伝わることなく俺の意識とともに暗闇に消えた。


やっと異世界行けます。

感想、評価お願い致します。

不定期になるのでブックマークして下さると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ