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第一章 part7 先輩

第一章 part7 先輩


俺はアリスの話を聞き、アリスから目線を外し視線を三兄弟に向ける。


「なぜ、俺達のギルドに練習試合を申し込だりしたんだ?他のギルドには出さなかったのか?」


ケイの疑問にラディは見下すような視線をやめず、ニヤけ顔で返答する。

「なぜって?そりゃ~・・・」


ラディは少し間を開け、左右にいるエディとケディの顔を見合った後同時に左右に吊り上がった口が開く。


「「「お前らが弱いからだよ!!ハッハハハーーー!」」」


息ピッタリの三兄弟の罵声は室内中に響き渡り、当然俺達の耳元まで届いていた。

しかし、誰も反論出来る者いなかった。三兄弟の言っている事が間違っていない、だから言い返せない。手を強く握りしめ怒りや苦しみを圧し殺し、飛び出しそうな感情を必死に堪えているばかりだった。

しかし、三兄弟は止まらなかった。ケディがニヤついた顔で続ける。


「今まで闘ってきた中でも最弱!」


さらに立て続けにエディ。


「他のギルドに出す気にならないわぁ~お前らみたいな雑魚ギルド中々いなからねぇ~」


二人を静止するようにラディが口を挟む。


「お前ら、その辺にしておけ、サンドバッグがわざわざ来てくれたんだからさっ。」


煽りを止めない三兄弟に対し、誰も口答え出来ない状況に痺れを切らしたアキが腕を組み先頭のガイヤの前に出て強気に言う。


「あんたら昔の話を掘り下げるなんて、心の小さい男達ねぇ~。あんた達、彼女とか一度も居たことないでしょ?」


「「「はっはぁ?!?!」」」


アキの予想外の言葉に驚きを隠せないのか、三兄弟は息のピッタリな反応をする。アキに便乗するかのようにニヤけ面のケイがアキの横に立ち並び、三兄弟に視線を向ける。


「はっ!図星のようだな~そんな性格だから出来ないわけだ。」


ケイが決まったぁ~と感傷に浸っているとアキが冷たい視線をケイに向けてくる。


「彼女が居ないのはケイも一緒でしょ?」


「まぁな・・・じゃなくて何で知ってるんだよ?!」


ケイはアキに三兄弟と同様に図星をつかれ動揺する。何この女、占い師かなんかなの?!っと勘違いするケイ。


「まったく~何でギルド入ったばかりの新人がイキリ出てんだっつーの、でもそういうの嫌いじゃねーぜ。」


「先頭は俺達先輩の場所だ。それと、ありがとな」


すると、俺達の後方からガイヤ、カイトの力強い声が聞こえる。

そして二人は、ケイの肩を一度叩いた後アキとケイの前に出る。


「そうだよ、私達の為にやってくれたんだよね。ありがとね、でも、もう大丈夫!」


「まったく後輩に励まされるなんて、私達もまだまだね。」


ガイヤに続いてサレーネ、アリスが、アキの両肩を掴んでさっきまでの沈んだ雰囲気を変えてくれたアキやケイに対して、もう私達は大丈夫と安心してもらうように穏やかな声音で言う。そしてアキとケイの前には、ガイヤ、カイト、サレーネ、アリスが立ち、その姿を見たケイとアキはギルドの先輩としての威厳を感じ、一段とかっこよく感じた。

すると、三兄弟が鬼の形相で此方を睨み付けていた。しかし、俺達は怯まない。一度、壁を乗り越えた者はさらに強くなって一歩前進する。

俺達の余裕綽々の姿にラディは怒りを言葉に変える。


「おいっ!!無能共!!好き勝手言いやがって、ただじゃおかねーぞ?!」


「ラディ!ちゃっちゃか試合始めようぜ。イライラしてんだよこっちは。特にあの女と男、あいつだけは許さねぇ」


エディがラディに試合開始の催促する。


「そうだな、さっさと始めるとするか。・・・泣きわめいても容赦しねーからな覚えてろよ。」


エディの提案をラディは了承し、双方向かい合う形で西側のギャラリーが「ジェスター」ギルドの陣営が使うベンチとなり、東側のギャラリーが俺達「無能」ギルドが使用する事になった、

ガイヤを中心に円になり、誰を選出するのか決める話し合いが行われていた。

相手ギルドがどんな選手を選出してくるのか、どの選手に誰を当てればいいのかなど、選出は慎重かつ正確に行わなければならない。選出によって戦局が大きく変わる事もあるからだ。


「じゃあ、どっから先に闘う?ケイかアキ」


ガイヤは話し合いが始まってすぐアキとケイを指差す。


「え?あっあのここはやっぱり、俺達以外の皆さんが・・・」


ケイはここは俺達の出番ではないと言い張るが。


「良いのよ、君たちの実力が見たいから練習試合を受けたのよ。」


アリスがケイに実力みたいが為に受けたと言い張る為何も言い返せなかった。


「そうだぞ、何度も英剣舞祭に出場してるあいつらに、あんな口を叩けるのはお前らしかいないしな。それにあの兄弟もお前達と闘いたいみたいだったしな。」


カイトがアリスに続いて、ケイとアキを催促させる。

カイトの話を聞き、アキとケイが西側のギャラリーにいる三兄弟を見て見ると、獲物を見るかのような鋭い眼光を向けていた。


「じゃあ、男の俺か・・・」


ケイが覚悟を決め女性のアキに一番手をさせるわけにはいかないと言わんばかりに名乗りを挙げるが。


「私先に闘います。」


ケイの口を挟むようにアキが我こそはと名乗りを挙げる。


「ってちょっと!男の俺が先でしょ?!普通。」


っと反抗してみたものの、効果はなかった。


「はぁ~まぁあんたは黙って見てれば良いのよ。あのバカ三兄弟を倒してくるから。」


そう断言すると、アキは5メートルくらいある高さのギャラリーから飛び降りリングに向かった。

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