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【アニメ化】転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す  作者: 十夜


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233 筆頭聖女選定会 二次審査 1

第一次審査が終了してから4日後、私は他の聖女たちとともに、王城の一室で説明を受けていた。

「それでは、筆頭聖女選定会の第二次審査についてご説明します」


聖女たちが第一次審査で魔力を使い果たすことを想定し、魔力が完全に戻ってから審査を行えるよう、中三日空けて第二次審査を実施することについては、事前に説明を受けていた。

そのため、この3日間はのんびりすることができたわ、と思いながら事務官の話に耳を傾けようとする。


「第二次審査は薬草の知識を問うものになります。本日より五日間、聖女様方はこの王城内にある薬草を使って、できるだけ多くの薬を作ってもらいます」


事務官は大事な説明をしており、今は彼の話をしっかり聞く場面だと分かっていたけれど、私はどうしても集中することができなかった。


というのも、説明者側の席に座っている3人組が気になって、視線が引き付けられてしまうからだ。

我慢ができずにもう一度目をやると、そこには生真面目な表情をしたデズモンド団長、クラリッサ団長、カーティス団長が座っていた。


ああー、まずいわ。私が選定会に出ることは、デズモンド団長とクラリッサ団長には内緒なんじゃなかったかしら、と思いながら身を縮めたけれど、二人は一切こちらを見ず、目の前の空間をじっと見つめていた。


ううう、これは一体どういう状況かしら。

先日、クェンティン団長と話をした際、なぜか団長は私が筆頭聖女選定会に参加していることを確信している様子だった。


同じようにデズモンド団長とクラリッサ団長も、私が選定会に参加していることを既に知っているのかしら。それとも、まだ気付いていないのかしら。

気付いていないとしたら、そっくりさんで誤魔化せるかしら。

いや、どうせバレるのならば、シリル団長のせいにして自らカミングアウトした方が罪が軽くなりそうよね。うーん。


様々に考えながら、もう一度、騎士団長たちをちらりと見る。

すると、どういうわけか三人のうち二人は怪我をしていた。

デズモンド団長は髪の半分を隠すような形で頭に包帯を巻き、カーティス団長は裸の胸にぐるぐると包帯を巻いている。

カーティス団長はシャツを着用しておらず、騎士服を羽織っているだけだったので、怪我をしていることを示したいのだろうか。


一方のクラリッサ団長は、一人だけ怪我をしていない様子だ。

三人三様の騎士団長を見ながら、一体どうしてこの場にいるのかしらと理由を考えてみたけれど、さっぱり分からない。


首を傾げていると、事務官の説明する声が響いた。

「後ほどご案内しますが、敷地内の西側に臨時の薬草園を造りました。そちらには平地で見ることができる薬草を約20種類植えています。それから、薬草園の隣には臨時の林を造りまして、薬作りの素材となる実や葉を茂らせる樹木を10種類ほど植えています」


まあ、最近、お城の西側には行っていなかったけど、そんな面白いことになっていたのね。

というか、色々な場所から採取してきた薬草や樹木を、わざわざ王城の庭に植え直したのだとしたら、デズモンド団長が忙しいと言っていたのも納得ね。


「王城の敷地の最奥には離宮がありますが、そちらには既に採取し、乾燥させた素材が置いてあります。王城内にあるものでしたら、どの素材を使用しても構いませんが、自ら採取した素材を使用する方が採取済みの素材を使用するよりもポイントが高くなります」


離宮は王宮住まいの聖女たちが暮らしている場所だから、彼女たちが準備した素材を自由に使用していいということかしら。

いえ、それだけじゃないわね。きっと、聖女たちが普段使っている素材に加え、各地から収集したあらゆる素材が離宮に置いてあるんじゃないかしら。


「審査方法ですが、聖女様方は必ず事務官立ち合いのもと、薬を作製してください。その際、立ち合った事務官が調合方法を確認し、資料としてまとめます。提出物は作製いただいた薬と調合方法を記した資料の2つになりますが、場合によっては素材の一部を提出してもらうことがあります。それから、薬の効果については、基本的に調合方法を記した資料を基に確認します」


なるほど、至極まっとうなやり方だけど、秤を使わずに薬を作る私には不利なルールね。

多分、滅茶苦茶な調合をしていると思われて、点数が付かないんじゃないかしら。

でも、ちょっと順位が高過ぎると思っていたからちょうどいいわ。


それに、調合方法を見て薬の効能を確認するのは、合理的な方法よね。

基本的に同じ手順で作れば、同じ効能の薬ができるのだから。

そもそも薬の効き目を確認するため、薬に合った症状の患者を見つけてくるのは大変なことのはずだ。

だから、怪我人や病人に服薬させて試さないのは仕方のないことなのだ。


第二次審査の審査方法は、非常に理に適っているんじゃないかしら。

うんうんと頷く私の視線は、またもや三人の騎士団長に引き付けられてしまう。


騎士団長たちに何か役割があるのかしらと思ったけれど、それらしい説明は何もなかった。

団長たちが怪我をしていたこともあり、選定会での役割があるに違いないと考えたけれど、もしかしたらたまたま怪我をしていただけで、選定会での役割はないのかもしれない。

そうだとしたら、本日の役割は審査会場の警備なのかしら。

そして、事務官の説明が終わったらいなくなるのかしら。


よかったわ。このまま体を縮めていれば、取りあえずの危機は免れることができそうね。

ほっとして笑みを浮かべていると、事務官がそれまでの無表情を崩し、顔をしかめた。


「しかし、せっかく聖女様方に薬を作っていただいたのに、一切使用しないというのはもったいない話ですよね! それから、実際の現場では、怪我や病気に合わせて薬を作る場合もあるでしょう」


ん? 事務官は何を言い出したのかしら。


「そのため、今回は特別に三名の患者をご用意しました。こちらの騎士団長たちです! 本来ならば、第一次審査で治療しきれなかった病人を連れてくるつもりでしたが、誰一人残らないというとんでもないことが起こりましたから、急遽騎士団長たちに代わりを務めてもらうことにしたのです!!」


「えっ!」

事務官のとんでもない説明を聞いた私は目を丸くすると、思わず声を漏らしたのだった。

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「【挿話】事務官たちは必死で第二次審査結果を検証する」を加筆しています。

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どうぞよろしくお願いします。

― 新着の感想 ―
呪われたレッド御一行に初めて名乗った名前が「白昼のぴかぴか真紅」薬草摘み娘、略して「白昼のぴかりん」。 予想外な展開が何通りも想像出来そうだ。
選定会の主催者は王太后や地方聖女が持っている薬草の知識を収集して共有化したいのかな ローズは一次試験でアナと揉めたの時みたいにめぼしい薬草を独り占めしそうな予感 聖石の魔力で薬草から回復薬等を作れ…
騎士団長が出てくるだけで、何か起こりそうでニヤニヤしてしまいます。わざと怪我?目が合わないのは、わざとですよね〜(ー_ー)
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