弱虫の反撃⑧
何でもない日々が幸せで
何でもない日が大切で
優愛との電話を終えたあと、俺達は福岡県に突入していた。
【福岡県】は、日本の九州地方北部にある県。県庁所在地は福岡市。九州本島の北部に位置し、九州地方の県では最も人口が多く、県庁所在地の福岡市は九州地方で最大の人口を擁する都市である。福岡市と北九州市の2つの政令指定都市を抱え、所謂三大都市圏以外では人口密度が1,000人/km²を超える唯一の県である。
北部は日本海(響灘・玄界灘)、東部は瀬戸内海(周防灘)、筑後地方は有明海に面している。県の中心部を筑紫山地が連なっており、筑後川・矢部川・遠賀川流域、宗像地域、京築地域では平野が広がっており水田地帯が多い。
玄界灘の壱岐や対馬をはさんで大韓民国があり、同国南部の主要都市である釜山までは福岡市から直線距離で200km程度[1] である。また、中国の上海市までは同様に850km程度といずれも東京より近い。これらの事例のように、近隣諸国の主要都市がおおむね1,000km圏内に存在するため、博多港、福岡空港、北九州港、北九州空港などから韓国や中国、台湾などのほか東南アジアの主要都市への航路が多く設定され、これらの地域からの観光客が増加傾向にある。【Wikipediaより】
また、福岡県は有名どころで言えば、たらこの生産量で日本一なのだが、珍しいもので言えば、たけのこも日本一である。また、ペットホテルの数も日本一で、日本一住みやすい街と言われることもある。【ココぺディア調べ】
さあ、それから俺達は一泊するのに、北九州にあるキャンプ場をチョイスする。
ホテルやペンションが続き、少しは節約しようと言うのが理由だ。てか、世良と孝輔とは初めてなんだよなキャンプ…、前回はスーパーシェフ多鶴子さんがいたが、今回は、リンゴで謎の彫刻を作る外国人と、チビロリヤンキー、ドMの高身長イケメンである。
正直微妙な結果しか思いうかばないので、カレーをみんなに推薦してみる。すると、世良が
「晩御飯はあたしがやるよ、カレーでもいいけど、あんたらはなんか食べたいものとかないのか?」
と、リサと孝輔にきく。
「じゃあ私はフライドチキンね」
「じゃあ俺は、ルンダンが食べたいな」
「!?」
ルンダン!?なにそれ、初めて聞いたんですけど!!
「ルンダンってなんだよ」
「なに?翔馬ルンダンをしらないのか?」
「いや、知ってる方が珍しいだろ!絶対!なんだルンダンて!名前から連想されるのなぜか打楽器だったから!まず食い物じゃないだろそれ!」
俺がそういっていると、世良が
「何いってんだ?決めつけは良くないぞ。ルンダンてのは、インドネシア料理だ。牛肉をココナッツミルクと香辛料で長時間煮込んだ肉料理だな、てかどっちにしろ作るのは難しいな…似た物でもいいか?」
いや、おまえすごすぎだろ。似た物作れるのかよ。そういやこいつ旨いもの全国制覇とか言ってたな…。まさかガチで料理できんのか?
「なあ世良、おまえ実話…料理得意なのか?」
「誰にいってんだ翔馬…あたしだぞ?」
「なにそれ、かっこいい。俺もいってみたい!」
「だろ?」
「なんでもいいけどあなた達、早く食材選びなさいよ。スーパーの青果売り場でなにやってんのよ」
そうでした。俺達は現在、そのキャンプ場でのご飯のために買い出しに来ているのである。
やんや、やんやと話ながら食材を選ぶ。そして、一通り店内をみて回り会計を済ませ、目当てのキャンプ場へ。
キャンプ場につくと、リサと世良は料理、例によって俺はテント設営。今回は孝輔もいるため思いの外早く終わる。
設営を終えた俺と孝輔は料理をしている女性陣の方へと向かう。
すると…
「おい牛、あんた遊んでんならどいてくれ、作業が遅れる」
「うっさいわねチビロリ! 今林檎で新作つくってるでしょ!」
「いや知らねぇよ! 他でやれ!」
案の定もめてた。見かねてすぐに止めにはいる…と、世良がリサから林檎を取り上げ、手際よく飾り切りをほどこし、林檎はみるみる鳥の形へと姿を変えていく。
そしてあっという間に白鳥のような林檎が出来上がる。これだけならリサの方がすごそうだが、なんといってもその早さが半端ない。リサがペガサスに1時間かけるとすれば、世良はこの白鳥に5分ほどである。
「ほら、できたぞ。まんぞくしたか?そこどいてくれ」
「ぐぬぬ…チビロリのくせに…」
「すげぇ…世良、おまえすごいな。正直なめてたわ」
「は?どういう意味だよ。」
「いや、まさかこんなことまで出来るとは…」
「なんでだよ、このくらい普通だろ。」
いや、普通ではないです。むしろ職人技の部類だと思います。
そんなこんなで夕食が出来上がる。本日のメニューは、カレー味の唐揚げをはじめ、世良ならではの料理がならんだ。食べ始めると、めちゃくちゃうまい。
てか、やはり将来的に飲食店をめざしてるだけはあり、出てくるものが綺麗にもられている。ここは女の子でもあるからなのかもしれない。
「いや、これうまい。カレー味の唐揚げ」
俺がそういうと孝輔も同意する。
「確かに、これはうまいな。俺も初めて食べたが、スパイシーで、男は好きだろうな」
「そうか?口にあってよかった。へへへ」
あれ?今思ったけど、世良が素直に笑顔を見せたのはじめてじゃね?いつも怒ってる感じというか、まあ性格と目付きのせいなんだろうけど…なんにせよ、素敵な笑顔だ。
「おまえも笑えばやっぱ女の子だな」
「は?意味わかんねぇし! てか、どういう意味だよ」
「確かに、世良も笑えばそれなりに可愛いのだな」
「あんたらバカにしてんのか…?」
「おいおい怒るなよ世良、ほらスマーイル」
「うるさい! だいたいな、あたしは」
「ほへはへほ!はやふはへははいほ!」
おうけい、リサがなにいってるかわかんない。てか口にものためすぎだろ。
「なにやってんだおまえ…」
呆れた顔でリサをみる俺と世良、そしておいしそうに食べるリサと、それをみて笑う孝輔。
ここに、優愛もいたらいいのになと、俺は何も知らずに呑気にそんな事を思った。
焚かれた火が炭を割り、パチパチと音をたてる様をなんとなく、見つめながら――。
【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!!】
たまに、こうして小説書いてる間に誰かは風呂入ってたり、誰かは電話してたりしてるんだなぁ…とか考えるんですが、今回のように翔馬達が当たり前の事をしている裏では優愛のように巻き飲まれてるヤツもいると言うギャップって、なんか不思議な感じしますよね(´・ω・`)
次回、話がまたうごくよ❗
またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん




