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弱虫の反撃⑤

優愛は悩む。新しい家族のために。


翔真は悩む。友人のために。



{「は?」}


翔馬の一言。ちゃんと言わなきゃ…!


「あ、あのね…今日、弟が…羽太くんて言うんだけど、泥水まみれで帰ってきたんだ…それはもうびしゃびしゃで…、それですぐにお風呂に行ったんだけど、たまたま私…その、脱衣徐に下着置いたままだったから、慌ててお風呂場に行ったら…羽太くん…背中に、土の足跡があった…それで、誰に相談すれば良いか分からなくて…私、友達も…その…」


{「見間違いとかではないんだな…?」}


見間違い…そんな事あるだろうか?いや、あれは足跡だった。それに…でも、証拠も何もない…。


「見間違い…かなぁ…?」


本当にそうだろうか?いっそ本人に聞いてみる…のは、さすがにまずい。どうしよう。少し様子を見てみようか?でも、これが事実なら、きっと羽太くんは苦しいはずだっ!


{「…見間違いじゃ…」}


翔馬が何か言うより先に、私は言う。


「見間違いだとしても、勘違いかもだけだ…たぶん、それで私が笑われるなら、私は笑われた方がいい。何もないなら、ないにこしたことはないよね?」


自分に言い聞かせるようにして翔馬にそう言う。


{「…それもそうだな。なんにせよ、もしそれが本当ならきっと、おまえの弟は苦しいはずだ。まあ、今俺にできるのは話を聞いてやることくらいだけど、いつでも連絡してくれて良いからな。相談くらいのるから」}


「うん! ありがとう!」


私は、「また連絡するね」と通話を終える。そしてゆっくりと考える…。


私の早とちりだろうか…?そうだとしても、一応気にかけていよう。すぐすぐに結果はでないだろうし…第一に、背中の足跡意外、羽太くんに変わったようすはない。もし、ここから数日いないに何かあれば、また翔馬に相談してみよう…あと、言いづらいけど…親にも。


・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・

・・


優愛との通話を終えると、さっきまで世良とのジャレ合いは終わったらしく、リサが俺のとこまで駆け寄ってくる。


「翔馬、韮崎からはなんでしょ?何かあったの?」


なんやかんや、こいつも優愛を心配している。


「いや…まぁ、なんだ。」


「なによ! ハッキリしないわね!私に言えないことなの!?」


いや、言えないことな訳ではないのだが、いかんせん話がデリケートな話題だけに、どう話すか悩む。きっと単純に「実話な、優愛の弟がいじめを受けているかもしれないらしい」と言ったら、まずこいつは俺引っ張って空港へ行き、飛ぶ。まあさすがにいきなりはないかもしれないが、可能性は大だ。


猪突猛進タイプなのだ。過去にも、修学旅行で俺がふざけて「死ぬかもしれない」みたいな電話をした時、自由行動でちりぢりな中、自分の班そっちのけでやってきて、めちゃめちゃ怒られた記憶がある。


「ええ…と…飛ばない?」


「は?どういう意味よ」


俺がもたもたしたせいか、とうとう世良と孝輔もやってくる。


「あんたら、なにやってんだよ。」


「そうだぞ。イチャイチャするなら俺も混ぜたらどうだ?」


「いや、別にイチャイチャしてねえから」


「そうよ、翔馬にそんな甲斐性ないわよ」


「おいまて、俺だってな、ちゃんと妄想内ならそれなりに良い男演じてんだぞ!」


「翔馬、良い男と言うのはな、自分で決めるものではない。勝手に周りが決めることなのだよ」


「うるせええ! そんくらい知ってるわ! でも褒められたいじゃない!? 俺だって褒められたいじゃない!?」


「いや、もうなんでといいけど、で、なんだったんだよ。電話」



そ、そうだった。しかしまあ、言いづらい話が人が集まりなおのこと言いづらくなった言いづらくなった…。どうすっかな…?


「ええと…」


すると、世良が


「…まあ、アレだな。言いづらいなら無理に言わなくていいんじゃねえか?、遠巻きに見てたらあんた真剣な顔してたからな。なんか困ってんじゃかって3人で話してたんだ。」


「本当よ、おかげで喧嘩もチュウトハンパ」


「リサさまはなぜ、そこだけカタコトになったんのですか?とりあえず、翔馬。無理に話すことはないが、本当に困ったのなら頼ってくれ。そうしなきゃ俺達もおまえに頼りづらくなるし、何より頼りないかもしれないが、助けになりたい。」



みんなが、口々にそう言ってくれる。話したら優愛に怒られるだろうか?いや、だが一人より二人、二人より三人。三人より四人だ。知識や、考え方は多い方が単純に解決を早くできる可能性が高い。怒られたら怒られた。大事な選択だが、俺はみんなを信用している。人の為に動いている姿を見てきた。


それに、それこそ優愛の早とちりだとしても、俺が早く動きすぎただけだとしても、それならそれに、こしたことはないのだ。


物事と言うのは、思っているよりもずっと早く起きて、予想なんて遥かに越えてくることなんて、珍しい話でもない。


しない後悔よりも、してからの後悔の方が、俺はずっとましだと思う。だから俺は言うのだ。この、アホみたいなことばかりするが、頼りになる。そんな空気の読めない連中に――



「みんなに、お願いがある…。いや、助けてほしい。友人の家族が、ピンチかもしれないんだ。」



「まかせろ!」


「早くいいなさいよ」


「話を聞こうか」



【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!!】


~あとがき小話~


「なぁ、孝輔」


「なんだ世良」


「おまえなんで牛には"様づけで敬語"なんだよ」


「キャラ付け」


「おまえら…見も蓋もない話すんなよ…」


「私はなんでもいいわ。悪い気はしないから」



なにこれ。



またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん



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