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弱虫の反撃④

日常に戻る優愛。しかし…

日常が当たり前になって、3日ほどたった。私は、外を散歩することからはじめて、来る登校の日の為に備えを行っていた。


散歩から始めた理由は、単純に知人が少し怖いからだ。翔馬やリサちゃんと旅をしていた時と違って、やはり地元は知り合いが多い。別にだからどうしたと言われてしまえば、それまでなんだけど…。いろいろと頭を駆け巡る記憶が、嫌だと言っている。といえば良いのかな…?うまく表現できない…。


それから、はじめ学校へいくことを家族に伝えると…父は「本当に大丈夫なのか?」と心配してくれた。麻衣子さんも、同じく心配してくれて、弟の羽太くんは、いつも通りあまり興味がないような感じだった。


「いいんじゃね?いつかは行かなきゃならないわけでしょ?」


こんな感じである。彼は素っ気ないがふとした時に優しさを見せる子だ。一昨日だったか?私が醤油を補充しようと探していると、黙って出して渡してくれたり、パパに夜、お使いを頼まれた時に、「俺がいくわ」と言って代わってくれたりしてくれる。


そう言ったところまでは、なんとなく掴めるほどには仲良くなってきた――。


――と、そう言えば今日は羽太くんを見ていない。晩御飯の時間をすぎても戻ってきていないし…。私は洗い物をしている麻衣子さんに聞いてみることにする。


「ねぇ、麻衣子さん。羽太くんは?まだ帰ってないみたいなんだよね」


そう言うと麻衣子さんは時計を見て


「本当、もうそろそろ帰ってきても良い頃なのにね。なにやってるのかしら?」


といい、時計を確認しながらエプロンで手をふくと、スマホとりだし電話をかける。


すると、ガチャ!と音がして「ただいまー」と声が聞こえる。それとほぼ同時に羽太くんのスマホが鳴り、すぐに止む。


「おわっ、ビックリしたぁ…母さん、もう帰ってるよ!」


玄関から聞こえて、麻衣子さんが玄関へと向かう。


私もなんとなく、それにならい玄関へと向かった。そして――




「ちょっ!!なにその格好!?羽太貴方何したのっ!?」



泥だらけの羽太くんが玄関にたっていて、泥水を床に落としながら立っていた。


「わっ!わわっ!?た、タオルもってくりっ! もってくるねっ!」


私は、慌ててお風呂場へとむかう。タオルをとり戻ると、それを羽太くんに渡す。そして羽太くんはふきながら


「マジ焦った。スマホいじって歩いてたら水溜まりで転んでさ、膝も擦りむいてるかも…いてぇし…。とりあえず風呂いくわ」



「本当になにやってんのよ! 気を付けなさいよっ?」


「はいはい」



羽太くんはたんたんと答えて浴室へと行ってしまった。にしても、水溜まりなんてあったかな…?今日散歩したときは見なかった気がするんだけどなぁ…。



それから、自分の部屋に戻って遅れている分の勉強を少しやってみる…。


「うへぇ…全然わかんないや…」


かといって、勉強を教えてくれる友人がいるわけではない…考えてむなしくなってくる。麻衣子さん…に勉強聞くのもなぁ…。頼れる存在が近くにいないとは、こんなにも苦労するのか…。この間までは翔馬とリサちゃんいたからなぁ…


「はぁ~…ダメダメ! がんばらなくちゃ、耐えるだけの生活はもうやめなんだから…! 動かなければ!」


そう呟いて、私はまた、視線をノートに落とすのだった――。


・・・・・・

・・・・

・・・

・・



長崎県を出た俺達は、佐賀県で休憩をしていた。





佐賀県さがけん】は、日本の九州地方の北西部にある県。県庁所在地は佐賀市。


唐津(からつ)伊万里(いまり)有田(ありた)などは古くから陶磁器の産地として有名である。玄界灘と有明海の2つの海に接する。


令制国の肥前国東部(ひぜんこくとうぶ)に相当する。明治の府県制成立の際、同国は佐賀県と長崎県の2県として分立した。県名は佐賀郡(現在の佐賀市)から採られたもので、『肥前国風土記(ひぜんこくふうどき)』に伝えられる、楠の木が生え盛るこの地を指して日本武尊が言った「栄の国」に由来する。【Wikipediaより】



そして、佐賀県の日本一は海苔の収穫量である。またそれに対して消費量も日本一だ。その他意外なところだと、全国の市町村道路舗装率でも日本一で、ドライバーやライダーに優しい街でもあり、薬局数も日本一である。【ココペディア調べ】



とある開けた農道、自動販売機の前でジュースをのみながら休憩する。車通りは少なく空は相変わらずの青さ、周りは土と牛の匂い。少し先には牧草畑で作業をしている老夫婦…。


「のどかだ…。」


俺が缶コーヒーを一口のんで、そう呟くと、リサが


「ほんとねー…あの牧草に転がってお昼寝したいわね…」


と、世良が近くの牛に声をかける。


「おい、リサどうした?鼻輪までつけられて…とうとうつかまってしまったのか…!」


牛はガッチャンガッチャンと紐を引っ張り音をたてる。するとリサが歩いていき、世良の横に落ちている、牛の排泄物と思われるソレに


「ちょっとチビロリ…あなたこんな姿に…」


「おおい! ちょっとまて、それは悪意がありすぎるんじゃねぇのか!?」


「ハンっ! 先に始めたのはあなたじゃない!」


「なんだと!? あたしはなぁっ!」


また始まった…俺が止めにはいろうとすると、孝輔が先に


「まあまあ、二人とも落ち着け。牛はかつてより人の為にその身を捧げてきてくれた。世良、足元に落ちてるソレもまた、人の為に働いてきたのだ。決して悪いものではないんだぞ?」


牧師か。何罪を許しましょう…みたいな空気だしてんのか知らないけど、全然フォローになっていない。案の定二人は理解しようと2秒ほど思考して理解できなかったのだろう。すぐにまたジャレ合いはじめる…。いや、ちゃんと言おう。喧嘩してる。


「あーもう。ああ、ああ…はいはいはい。二人ともやめろ! 道端でみっともない!」


二人の間に入り、リサと世良を制す。


「「だって翔馬!!」」


「わかった、わかったから。おまえらマジで…」


すると、急に俺のスマホがなる。


「んお!?ちと、ちーっと、待ってろよ?もめんなよ?!」


そして俺は電話に出る。着信は優愛だ。


「もしもし?どうした?優愛…」――。


電話の向こうで、少し鼻をすする音がする。何かあったのだろうか?


「優愛?どうしたんだ?なんかあったのか?」


すると、無言だった電話の向こうから



「翔馬…どうしよう…弟が…いじめられてるかもしれないよ…。」



「は?」



【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!!】







お気付きかと思いますが、今回のお話は家族ものとなります。生きていれば壁にあたる。その壁を家族はどう乗り越えるのか、見届けていただければと思います❗(´・ω・`)✨きゅぴーん


もちろん、旅をしている四人も関わるよ❗


またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん

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