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とっておきキャンバス⑫

居酒屋で、貴幸さんを見つけた翔馬達、すると世良が衝撃的な話を始め――

いやいや、マジでいきなり人覗きこむとかマジかこいつ。知らない人だったらどうすんだよ!


「おい、世良おまえ人様になにやってんだ」


俺が世良の肩を掴み、こちらに戻そうとしたときだった。座っていたメソポタミアこと、貴幸さんが振りかえる。


「あ…こ、こんばんは…」


「こっ…こんばんは…」


咄嗟に挨拶をしかえす。そして、世良を引っ張り、座敷に移動しようとすると、世良が貴幸さんに


「おい、アンタもこっちこいよ!」


といって声をかける。いや、連れとかいたらどうすんだよ!


「おい、友達と一緒かもしれないだろ」


「は?いねぇじゃん!」


「いや、トイレかもしれねぇだろうが、おまえいい加減に…」


俺が言い終わるより先に、世良が貴幸さんに


「アンタ、あの姉ちゃんとられてもいいのかよ、おい、翔馬はなせよ、アタシはこいつにちょうど話があったんだ」


世良は俺の静止を無視して、話を続ける。てか…ん?今なんて?


「さっき、そこの乳のでかい外国人に聞いたんだ、アンタ、あの姉ちゃんの彼氏なんだろ?」


いやいやいや、どう言うことだよ。何サラリとすごいこといってんのこの子! とられる?くるみさんが?誰に?てかなんでおまえがそんな話を知ってるんだ。


「どう言うことだ?とられる?」


世良は俺の方を見てうなずくと、すぐに貴幸さんの方を向き


「アンタ、あの彪牙って兄ちゃん知ってるか?あの兄ちゃんが、アンタの彼女に言い寄ってるのを見たんだ。」


その事を聞いた俺達は


「マジか…っ!」


「なんと…っ!」


「まぁっ!」


と衝撃の事実に素直に驚く。てかこいつ、いつ聞いたんだそんな話。昼ドラかよ。仮にそうだとして、彪牙さんは貴幸さんの存在を知らないんじゃないか?


「てか、彪牙さんは貴幸さんの存在をしってるんですか?」


俺が貴幸さんに聞くと


「えっと…クラスメイトでした…。」


え?コッチもそれなりに衝撃的だが、今はいい。俺はそのまま質問を続ける。


「付き合っていることは?知ってるんですか?」


「いや…どうだろう…」


そこまで話すと、世良が


「とりあえず、場所うつそうぜ」


と言って、奥の座敷を指差す、いやおまえ、さっき…まぁいいか…そして、みんなで移動する。座敷に座ると、適当に注文して、話の続きをする。そう、"衝撃の略奪愛疑惑"についてである。


席について、一番始めに口を開いたのは孝輔だった。


「なんかの間違いではないのか?世良、君はいつ彼が言い寄っているのを見たんだ?」


「部屋に案内されてすぐだよ、アタシがトイレ行こうとして探してさ迷ってたら、玄関で、こう。」


と言って、世良はいきなり立ち上がり、孝輔のもとへ歩いていくと、孝輔の後ろにある壁にドン!と片手をつき、顔を寄せ、


『いつになったら、僕の方を、向いてくれるの…?』


といいながら、空いた手でアゴをクイッと持ち上げた。すると、孝輔は――


「かまわん。続けろ」


「ドMかっ!」と世良にパシン!と頭をはたかれ、かつをいれられる。と、孝輔は


「最高かよっ!」


リサがその一部始終を完全に引いてみている。それに気づいた孝輔は、少し顔を紅くして、眼鏡をクイッとあげると、


「いや、違うんですよ。リサ様、これは世良が…(ゴニョゴニョ)」


ゴニョゴニョと声を小さくしてごまかす。てか素なの?ネタじゃなくて素なの?


「えっと…」


貴幸さんのその一言でみんな我にかえる。そうだった、話が脱線しすぎた。話を一度戻そう。


「すみません、話脱線しましたね」


すると世良が


「いや、脱線はしてはないだろ!」


いや、もうそこ拾わなくて良いヤツだから。とりあえず話を進めるために、貴幸さんに今の話を聞いての、率直な感想を求めてみる。


「えっと、貴幸さんは今の話を聞いてどう思いました?」



「…正直、仕方ないかな…って…」



めっちゃ、弱気だっ!!いや確かにくるみさん美人だけど…そんなことを考えていたら、今度はリサが



「ダメね、あなた男ならもっとこう。もうちょっと押してみないと、そんなんじゃ盗られるのも時間の問題ね」



相変わらず手厳しいことを言う…が、一概に間違ってるとも言えないだろう。このまま彪牙さんが押せば、可能性はなきにしもあらずである。すると今度は貴幸さんが



「…ですよね。自分でもわかってはいるんです。なよなよしてるって…その、見た目こんなですし自分に自信とかもなくて…」


「でも、めちゃめちゃ絵はうまいよなっ!!」


この世良の声に下を向いて話していた貴幸さんが、顔をあげ世良を見る。そして


「そんなことは…でも、ありがとうございます。」


その貴幸さんの顔を見たリサが、一瞬、(いぶか)しげな顔をして、首をかしげたがすぐにもとに戻る。それに気づいたのか、貴幸さんも少しこ首をかしげ


「なにか?」


と聞く、それに対してリサは


「いや、別に…てか、そもそも二人はどうして付き合うことになったのよ?」


確かに。馴れ初めは気になる。こんなに言いかたは失礼かもしれないが、自分に魅力はないと言う人間に、くるみさんが惹かれる理由はなんだろうか?


あと、何故彼はカフェに行くくせに、すぐに出てしまうのだろうか?


リサの質問に、貴幸さんはもともと頼んでいた残りのビールをグイッと飲み干し、グラスをおく…なんかそこは男らしい。と俺は思う。そして、


「あれは、7年ほど前になります…」


と話を始めてくれた。




【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!!】






次回馴れ初め。(ほんとだよ)


またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん

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