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とっておきキャンバス⑩

夕食を食べに降りた翔馬と孝輔、そこにはすでにみんな来ており―

リビングに向かうと、すでにみんな集まっていた。が、彪牙さんだけ見当たらない。俺はなんとなく、伸雄さんに聞いてみると


「彪牙は時間だから帰ったんですよ、また明日の10時頃にやってきますよ。何かご用でもありましたか?」


「え?いや、なんとなくです。本当に、ただ、いないなぁ~と思ったもので…」


そんな話をしていると部屋で着替えたっぽい(またジャージ)世良が


「そういや、あのメソポタミアはタオルもらったあとどこいったんだ?」


と言い出した…。いや…メソポタミアって、なんで文明出てきたんだよ。しかも、それがおまえに引きずられて、メソメソしていた貴幸さんの事かな?って少し思わせる辺り、おまえにネーミングセンス感じるわ。マジで。


「メソポタミア…?」


「なんだメソポタミアって、映画か?」


うん、伸雄さんと大河さんはわからないでしょうね。それは仕方のない事だ、あと映画ではないです。てか


「本当に、貴幸さんどこいったんだろうな」


すると、リサが


「あのメソポタミアならアナタ達が頭拭いてる間に、くるみにタオル返して、頭下げて出ていってたわよ」


「え?マジか…タオルより先じゃなかったか…?いなくなったの…なんにせよ、全然気づかなかった…」


てか、メソポタミアは固定なのか?部屋で着替えながらリサとそんな話でもしたのだろうか?


「そうなのか、メソポタミアは神出鬼没(しんしゅつきぼつ)なのだな。」


って孝輔おまえも!?いや、おまえもメソポタミアなの?なに?共通語なの?ちゃんと名前呼ぼうよ!!おまえまで、言い出したらもう逆になんか、分かりづらいよ! ここ最近ツッコミのペースが早くなってない?ねぇ、俺仕事増えてない?そんな風に雑談をしていると、くるみさんと、お姉さんだろうか?似たような美人が出てきた。そして、


「お母さん、それはそこにおいてもらえる?」


とそのお姉さんにい…えええええええ!?お母さん!?お母さんなの!?


「え…お母さんですか?」


つい、口をついて出てしまう。そう俺に聞かれたくるみさんのお母さんは


「?あ、はい、くるみの母で、ここで女将のような事をしてます。木ノ(このみ)と申します。」


と言って頭を下げた。やはり母親のようです。てかまじここおかしくないか?なんでこんなに若々しい感じの女性やイケメンが集まってんだ…?そういや、孝輔もイケメンで、リサも美人だ。世良はまぁ、子供っぽいが綺麗な顔立ちをしている…あれ?これ実話、俺もそれなりに見えてんじゃね?並んでみると、見れないことないかな…くらいにはなってんじゃね?そんな淡い想いを(いだ)いていると、世良が


「おいフツメン、あたしにその水の入ったポットとってくれよ」


「おおおおいッ!!」


「うわっなんだよ!うっさいな…、ビックリするだろ!」


「ビックリしたのはこっちだ!おまえエスパーかよ!無意識に他人を傷つけんな!」


「はぁ?訳わかんねぇぞ、おまえ…」


まあ…確かに。俺の思考なんて知らないわけだからな。


「悪かったな意味わかんねぇこと言って!」


「まったくだ!!なんで謝りながら怒ってんだよ!!ホント訳わかんねぇぞ!」


「いや、怒ってねぇよ!」


「そうだぞ、なんで怒っているのだ翔太(しょうた)


「翔馬だよッッ!! いきなりいれてくんなよ! のっかっちゃっただろ!」



孝輔のファインプレーにより、笑いがおきる。いや、本当に怒ってないからね!!


―さて、それから夕食会がはじまる。さっき食べ損ねたハンバーグは口惜しいが、くるみさんと木ノ実さんに運ばれ、テーブルにならんだ料理も、かなりうまそうである。熊本と言えば、コレと言うような馬刺しや、カラシ蓮根なんかも顔を揃えており、さすがペンションだなと感心してしまう。しかも、コレタダである。


料理が出揃うと、運んでいた二人も席につき伸雄さんの「いただきます」で、いっせいに食べはじめる。みんなお腹すいていたのだろう。世良なんかは右手にはからあげ、左手にはフォークに刺さった肉を持ち、「んまいんまい」と言いながら、うなずいて食べている…と、ジャージのポッケから、急にメモを取りだしサササッ!とメモってすぐに直した。


そして、その一部始終を見ていたのだろう。大河さんが、世良を見ながら


「こいつ…出来る…」


と呟いたのは、俺だけの秘密である。まあ、秘密にするようなことでも無いんだけど…。それから、みんな食事を終え、伸雄さんと大河さんは「おやすみ、明日はよろしく頼みますね」と自室へと戻っていった。木ノ実さんとくるみさんは、俺達にお風呂がわいていることを伝え、洗い物をしに厨房へ。リサと世良は風呂にはいるといって戻っていった。


俺は食後のコーヒーを飲み終え、それを待っていてくれた孝輔が部屋に戻るよう提案し、それに従う。部屋に入ると、リサ達の後に風呂に行こうと言う話になって、リサに


『あがったら教えて』


と簡単にメールして、部屋でくつろぐ。しばらくしてリサから


『あがったわ。今上裸だけど、見たい?』


と連絡が来て、華麗に後半をスルーして風呂へ行く。風呂は石で縁取(ふちど)りをしてあり、温泉っぽい作りをしている。その浴槽の横にはドアがあり、開くと露天風呂まであった。俺はテンションが上がり、洗ったあと直ぐにそこに行こうとすると、孝輔に急に腕を捕まれる。そして、


「翔馬、先程から思っていたが、良い体をしているな」


「あ?そうか?」


「ああ。特に腹筋が素晴らしい。」


「いや、おまえもわれてんじゃん。あとなに?その暴れん坊将軍。どうしたの?なんでそんな殺気だってんの?」


「暴れん坊…?ああ、俺のムケランジェロの事か?」


「ムケランジェロ!?それ、ムケランジェロなの!?」


「ああ、翔馬のは…ははっ」


「いやなんだ!ははって!俺のは妖刀だからっ!ぬいたらスゴいから!」


「翔馬、ぬいたらとかそんな下世話な話は…」


「いや、おまえふざけんなよ!!もう充分下品だろうがっ!」


それから、湯に浸かり本当にくだらない事を二人で話して、俺は思う。いや、旅に同年代の同姓がいるっていいね!!リサと優愛じゃこんなことには、絶対ならない。恋人や女友達とでかけるのも良いと思うが、やはり男友達とはまた別の楽しさがあり、何より10倍は気楽である。とそう俺は思いながら、風呂を後にするのだった――。





【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!!】

















前回のあとがきで嘘ついて、すんませんでした。次回こそ馴れ初めだと思います。


またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん

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