表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/79

とっておきキャンバス⑦

まさかの彼氏に少し驚く翔馬達、しかしそのあと予想だにしない事態に巻き込まれる――。

「か、彼氏ですか……。」


いや、失礼なリアクションだろうか?だが、なんというかその、とても個性的な男性なので、こんなにゆるい系のしかも、美人なお姉さんが彼女なんて思いもしなかった……。


「正直、あんなのが彼氏とか、私は無理ね」


「おおおい!?失礼千万だなおまえ!そんな言いかたないだろ!」


「あら?おかしいかしら?でも事実よ、アナタが女性だとしてあの人と付き合える?」


「ぐ…」


グーの音もでない…でも当人同士が良いならいいじゃないか!!黙る俺を見てリサは


「はいはい、日本人は奥ゆかしいわね、結構、結構。」


と言って、水を一口、口に含みのみこんだ。これが、外国と日本の差か…彼らは常に正直で真っ直ぐだ。子供の頃から痛感するこの感覚の違い。毎度思うが…"馴れない"


「ははは…、すみません、よく言われるんで大丈夫ですよ」


とお姉さんが気を使い、少しだけ彼の事を訂正する。


「でも、彼…貴幸(たかゆき)くんは、ああ見えてとても素敵なんですよ。」


「まあ、人の趣味にまでどうこう言わないわよ、私は無理だっていってるだけだし、気分を害したなら謝るわ。ごめんなさい」


いや、本当害さない方がおかしいから。謝んなさい!!もっと、全力で!!


「あ、いえいえ、そんな…まあ確かに髪はのびまくってボサボサですし、身長も高くはないですけど、ただ…誰よりも素敵な"絵"を描くんですよ、彼…ふふふ!」


そう言って、お姉さんは柔らかく笑う。そして、思い出したかのように注文を取り直しはじめる。


「あ、そうだでしたね。そう言えばご注文は…えぇと、赤牛のハンバーグステーキと…お兄さんは…?」


と言って孝輔を見る。孝輔は、空気を読んだのか今度はふざけずに「俺も一緒のものを、あとそれをもうひとつ」と言って世良の分まで一応注文し、お姉さんはペコリと頭を下げて「かしこまりました」と厨房へと消えていった。すると、孝輔が


「そう言えば、世良とたか…たか…なんだったか…」


隆之助(たかのすけ)よ」


「いや貴幸(たかゆき)さんな。どっから出てきたんだよその、"のすけ"」


そんな話をしながら、料理と世良を待つ。が、なかなか戻ってこない。30分ほどたっただろうか?俺達の会話が、壁にかけてある阿蘇の写真は、今日通った場所でしょうか?ゲームみたいなものになっていて、テーブル席のカップルは先ほど帰り、俺達の肉が順番に出始めていた。と、さすがに世良に一度連絡を取ることにする。俺が孝輔に世良に連絡してくれるように頼むと、孝輔もそうしようとしていたらしく、すぐにスマホを取り出した。


そして、電話をかけると思いの外世良は早めに電話に出たようだった。


{「もしもーし、孝輔?どったの」}


「世良、もうごはんできてるぞ」


{「え?ご飯…?あ、おいアンタ何してんだっ!おい、ばっ…やっ…!うぶっ!ゴボッ」…ツーツー…}


「…世良?どうした?もしもし?」


幸助は不思議そうにスマホを見たあと、おもむろに立ち上がり「世良になにかあったかもしれん」と言ってきた。


「は?どういうことなのよ」


「わからん、が…少し慌てた様子だった」


「あわてた…か…」


「リサ様、翔馬、すまないが探してくる」


と言って急に店を飛び出していく。俺とリサも慌てて立ち上がり、料理を運んできたお姉さんに、あとからいただくことを伝えて、事情を話し、一言謝って店を出る。すると、店内にいると気づかなかったが、外は雨がふっていた。


「うわっ雨か、全然気づかなかったな」


「何のんびりしているの?翔馬、行くわよ」


「お、おう!」


そういって、すっかり暗くなって雨のふる中、先行する孝輔を追って走りはじめる。てか、あいつ世良の場所わかってんのかよ!?

そして、孝輔においつく。


「孝輔、おまえっ!世良の場所、わかってんのっ?」


「大丈夫だ、問題ない」


と言ってスマホを見せる。止まって確認する。そこには


【親子の位置関係(ハート)


とポップに書かれたアプリが起動されており、航空写真にて写しだされたマップ、その田んぼに(かこま)れた小さな川の所で青色の点が点滅していた。……って、


「川っ!?」


「そうなのだ。急がねばなるまい」


いや、確かにそれは急がなきゃならない。正直なぜおまえがそんなアプリを起動して更には世良の場所、GPS情報をどのように取得しているのかとかも気にはなるが、それどころではない。そして、少ししてからリサが俺達においつく。



「…ってか!はぁ、はぁ…!孝輔…っ、早くない!?しょ、翔馬のペースに、なんで…ついていけんのよっ…!はぁ、はぁ…」


と、両膝に手をついてリサは息をきらしながら、ちょいちょいと、スマホを見せてくれとジェスチャーをする。孝輔はすぐにマップを見せる…すると、


「oh My god!!最悪じゃないっ!!いそぎましょう!」


とすぐに体制を建て直し、3人で先を急ぐ。道は街灯も少なく雨もふっている…最悪、"川への転落"も充分に考えられるのだ――。


想像してゾッとする。


「マジで…勘弁してくれよ…っ!」


俺は走りながらただただ、あの破天荒な少女の無事を祈るのだった――。




【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!!】






※キャラクター紹介


【名前】:一ノ(いちのせ) 世良(せら)


【年齢】:18歳


【身長】:143cm


【体重】:だいぶ軽い


【性格】:物怖じしないタイプ。情にあつい。


【バスト】:B(自称)


【好きな食べ物】:パン、オレンジジュース、鶏のタタキ


またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ