泣かない少年①
今度は少年が出てきて
「お母さんに置いていかれた」と言われる。
とりあえず話を聞くことにした翔馬。
はたして、どんな理由があるのか。
ーー「お母さんに置いていかれた」
若干、突拍子もないことを言われることにデジャブ感がいなめないが、俺は話を理解するために事情を聴くことにする。
「いや、まてまてどういう事だ?お母さんはこのホテルにはいないってことか?」
「うん、兄ちゃんはこんな夜中に何してんの?」
いや、おまえがこんな夜中に何してんだよ。とりあえずこの子をフロントにつれていって親を探さないと、そう考えた俺は中にいる優愛に声をかけ出てきてもらう。
「どうしたの?」
出てきた優愛に事情を説明して、フロントに行こうと少年を誘うが頑なに動かない。
しかもさりげなく優愛の手を握っている。
「こりゃ、ダメだな。とりあえずここにいても仕方ないから二人は部屋で待っててくれ、俺はフロントにいって保護してること伝えてくるから」
そう言って俺はフロントへ向かい、そこにいる受け付けに声をかける。
「すみません」
「はい?お客様、どうかなさいましたか?」
「ええと、飲み物をかおうと、、、」
一通り説明をすますと、受付のお姉さんはパソコンをカタカタと叩き始めた。しばらく待つと、とりあえず少年に会わせてほしいと言われ連れていくことにする。
部屋の前に戻ると中から優愛の笑い声が聞こえてくる。
「ははは!あっ・・ひひっ・・やっ//」
ちょっとやらしい声も聞こえてくる。
どういう事だ。オラわくわくしてきたぞ。
高鳴る気持ちを抑え、カードキーで鍵を開ける。
ガチャ、、、
するとベッドの上でじたばたもがく優愛、その上にのり優愛の服をめくりあげ、お腹に顔を押し当てて「ぶううううう!」と優愛のお腹をならす少年。
「あっははははははは!ひひひ!し、死ぬっ!ひゃはっ!・・・あっ///」
なんて羨ましく微笑ましい光景だろうか?てかなんでそんな事になってんだよ。
「おまえらなにやってんだ・・・」
フロントのお姉さんも少し驚いた様子を見せるが、すぐに少年のところへ行き名前を聞き出す。
「君のお名前は?お母さんはどこに行ったのかな?」
すると少年は優愛にしがみつき
「お母さん」と言う。
それに優愛は驚き、すぐに否定した。
「えぇ!?ちが、違うし!和人くん、嘘は言っちゃダメなんだよ?泥棒になるんだよ?」
「うるせえブスッ!」
「えええ、、、( ;∀;)」
子供の言うことにガチで凹む優愛。
とりあえず名前は和人と言うらしい、詳しく話を聞くために和人に目線を合わせ、ゆっくりと話をする。
「和人、女の子にブスっていっちゃダメなんだぞ?男の子は女の子を守ってやらなきゃいけないから、優しくしないといけないって言われたことないか?」
「うるせえブスッ!うんこ!ナメクジ!」
酷い言われようである。
このクソガキっ!ともまあ、思わなくもないが子供なんだしこんなものだろう。
それから、落ち着きのない和人をあの手このてで手懐け、話をようやく聞き出して状態がのみこめてきたころ。
すでに時計は深夜を指そうかというころであった。
「なるほど、つまり和人はお母さんをさがしてお父さんとこのホテルにきたわけだ?でもお父さんが寝てしまって、つまらないから部屋を出たら入れなくなったと、、、」
「そう」
事情が把握できたのなら話は早いと、フロントのお姉さんがお父さんが宿泊しているであろう部屋に内線をかける。
案の定出ない。直接部屋に行きノックをするが出ない。
やむをえずマスターキーにて解錠をする。
入口で待つように伝えられ、言われるままそこで待つ。
「橘さーん、すみませぇん、失礼しまーす」
と小声でフロントのお姉さんが入る。
どうでも良いことだが、姓は橘と言うらしい。
「グガガガガ、グガッ!」と開け放たれた部屋から鼾が聞こえる。
そして待てと言われたのに待てないのが子供である。
テンションMAXで部屋へと突撃、何らかの理由で疲れはて寝ている父親のベッドへとフルダイブを決め込む。
当然、寝ていた父親にモロに直撃し「うごぇッッ!」と形容しがたい悲鳴が聞こえる。
「お父さん!おはよう!!」
と深夜を過ぎた頃に騒ぐ少年。
「げほげほっ!ウオェッ!」とむせかえりえずくおじさん。
「あぁ~ッ!アレはいたい!」と言いたげに開いた口を両手でおおうフロントのお姉さん。と入口に立ち、何事かと目を丸くしている優愛。
「だだだだ大丈夫ですか!?お客様ッッ!」
このカオスな状況をぶち壊したのはフロントのお姉さんだった。
ぐっじょぶ。
「げほげほっ!な、なん!?なんなんなッッ!?」
まだ少し寝ぼけているらしい、そこに和人が追い討ちをかける。
「お父さん!!翔馬と優愛がね!」
状況を把握しきれていない父親にさっき知り合ったばかりの若者の紹介を嬉々として始める少年。
完全にポカンとしている父親に、フロントのお姉さんが経緯を伝える。
・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
ーー「なるほど、そうでしたか。それはご迷惑をおかけしました。申し訳ありません」
と割りと普通に謝罪を受け、時間も時間だと言う話になり明日の朝また、改めて詳しく話す事になった。
その後、俺と優愛は和人にバイバイして自室に戻りやっと一息ついたのだった。
【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!】
※キャラクター紹介
【名前】:宮崎 優愛
【年齢】:17歳
【身長】:157cm
【体重】:秘密
【性格】:優しく明るい性格。面倒見がいい
タイプ。
【胸のサイズ】:Cカップ (自称)
【好きな食べ物】:納豆、お茶漬け、炭酸飲料