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とっておきキャンバス③

喫茶店が閉まっており、落胆する翔馬とリサ、しかし、そこにアイツらが現れる――。

クソガアアアアアアッッ!とか心の中で言ってしまったが、それはこのお店にたいしてでは、決してない。あくまで俺のこの店運のなさにである。なんなら、ここ最近のラーメン屋にはじまったわけではない。俺はガキの頃から店運がないのだ。昔、流行りのカードゲームを買おうと、ためたお年玉を握りしめ向かったおもちゃ屋さん。学生時代、うまいらしいとの噂を聞き向かったクレープ屋さん。とにかく、期待していくと閉まっている。


「…最悪ね、翔馬の呪いがこんなとこにまで…」


「言うな、一番申し訳ないと思っているのは俺だ…。」


そんな会話をしていると、少し後ろから


「くそがああああッッ!」と俺の心の声が肉声で聞こえてくる。驚いて振り替えると、そこには小学生とお兄ちゃん…お父さん?のような二人組が…って、さっきベンチで見た兄妹?じゃないか?

いや、近くで見ると親子…?


すると、その兄妹だか親子だかもこっちに気づいたようで、男の人の方が話しかけてくる。


「…やはり、定休日でしたか」


「あ、はい。そうみたいですね。残念ですが」


…?なんか、この人…なんだ?なんか引っ掛かるな。なんだろうか?声…?容姿…?などと考えていると


「…ところで、そちらのグラマラスなお姉様はお一人でしょうか?」


リサに急に声をかけだす。いやいやいや、どう見ても俺ら会話してたろ!なんだこいつ!


「…それ、ナンパ?」


やめとけ、黒髪イケメン。こいつは顔だけじゃ動かねえぞ!てか、おまえなんならガキいるだろっ!と少女の方を見てみる。


「ア?なに見てんだアンタ。」


うわっこわっ!アナタの娘さん怖っ!目付き鋭すぎるっ!まさか小学生にビビるとわっ…!


「おい、孝輔はずれだ。次いくぞ」


「待て世良、あたらしい旅の仲間だ。このお姉様だ。」


「は?なに?旅…?なんで私が急にアナタの旅の仲間になるのよ。」


「いや、ちょっと待て…親子じゃなかったのか…?」


「ア?てめぇ、誰が誰と親子なんだよコラ」


「そうだぞ、そこの少年。我々は同い年だ」


「ええええ!?ってどっちに驚けば良いっ!?なにこれ、どう言うことだよっ!!」


――カオス。


この誰が何を言っているのかわからない状況に終止符をうったのはリサだった。


「ちょっと!一度落ち着きましょ。物事がいろいろいきなりすぎて、整理がつかないわ」


「は?急に仕切んな牛。」


「…は?ちょっと、そこのロリ。初対面の人に向かってなに?喧嘩を売ってるのかしら?」


いや、おまえもわりとそんな感じだろ。初対面の人に。


「は?誰がプリティーフェイスだコラ」


いや言ってない。誰もそんな褒めるような事言ってない。


「は?あなたこそ。誰がグラビアアイドルよ」


いやだから言ってない。誰もそんな事言ってない。むしろ褒めてるだろそれ、なんでキレてんだよ。なんなんだコイツら。


「まぁ、落ち着けおまえら…」


俺はとりあえず二人に声をかける。そしてなだめようとした時だった。小学生がリサに飛び付いてきた、その瞬間。黒髪イケメンが小学生の首根っこをつかむ。


「ふみ"っ!?」


「落ち着け世良。君は頭に血がのぼるとすぐに手が出る。悪い癖だ」


「だって!孝輔!こいつがっ!!」



…?孝輔?え?まさか…まさかな…。一応聞いてみるか?



「え…っと失礼ですが、孝輔…さん?」



「…?ああ、孝輔だが。どうした?」


「すみません、翔馬と言う名前に心当たりはないですか?」


「………。あ」


「…だよね?」


「君は…まさか、あの翔馬か?」


「…孝輔?」


「「ぉぉぉぉおおおおおオオオオオオオオっ!!!」」



奇跡とはこの事か!ヤバイ!めちゃめちゃテンションあがるっ!!正直ロリとか牛とかしろくまとか、もうどうでもいいッッ!!この、今ある奇跡が素晴らしすぎて何も言えない!!


「おまえ!!マジかよ!電話から想像してたより全然イケメンじゃねぇかっ!!」


「ははは!!翔馬、君は思っていたより細いなっ!」


「うるせぇよ!!」


そう言って、俺は孝輔と拳を軽くぶつける。


「いやぁ…マジか、ココかぁ…!」


「ああ、ここのようだ。」


俺達の交わる場所。いつか連絡して合流しようと思っていたが、まさかこんなところで、しかもたまたま会う事になるとは…運命ってたまにマジですごい。と、そんな俺と孝輔が急に仲良くするもんだから、リサと小学生事、世良が完全においてけぼりをくらっている。


「翔馬、この黒髪眼鏡は誰なの?知り合い?」


「孝輔、そのへなちょこ野郎は友達なのか?」


いや、へなちょこ野郎て…このチビ…


「ああ、リサに言わなかったっけか?旅に出る前にSNSで連絡しあってるヤツがいるって」


「…?ああ…なんとなく、そんな話をしたような気がするわね」


「こいつが、ソイツなんだ。まさかの合流!」


「え?すごいじゃない。そんな事ってあるの?」


「それがあったから、こんなはしゃいでるわけですわ!な?」


と孝輔に話をふる。


「ああ、さすがの俺も取り乱したぞ!こんなところで会う事になるとわな!」


「…?すまねぇが、あたしだけおいてけぼりなんだが」


ああ、そうだ。そう言えばこの子は誰なんだろうか?


「孝輔、そう言えばこの子は」


「ああ、彼女とも先程会ったばかりなのだが、どうやら我々と同士のようでな」


「同士?」


すると、そんな会話を聞いた世良が話に入ってくる


「ん?同士ってことは、アンタも旅人なのかっ!」


急に目を爛々と輝かせる。どう言うことだ。


「?ああ、まあ、日本一周をしてる途中だけど」


そこまで言うと急に手を握られ、ぶんぶんと握手というか、振り回される。


「お…おお?」


「そうか、そうか!アタシもそうだ!」


「え?日本一周しようとしてんのか?」


「フッフッフッ…よく聞け愚民よ、アタシの場合はな…『全国制覇』だッッ!バーンッッ!!」




いや、なんのだよ。



【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!!】












次回、やっと話が動く!予定!


またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん

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