表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/79

イチョウの下で会いましょう⑬

やっとついたよ四国地方!

さあ、それからフェリーに乗り込み俺達は四国を目指す。

フェリーは、夜間運行のためここで一泊することになる。


フェリー内を各々がうろうろして過ごす。椅子に座って優愛は本を読み、多鶴子さんは船内のゲームセンターをうろうろしていた。リサはなんか、知らないお姉さんと意気投合してお喋りをしている。


俺は一人で外に出てみる。夜の海を見ながら考え事をする。多鶴子さんの手紙にあった伊佐治さんは、この空を今日も眺めたのだろうか…?俺ならどうだろう?30年近くも毎日眺めたりするだろうか?…正直、自信はない。見たとしてもきっと"たまに"上を見上げる程度だろう。それを継続していたら対したものである。


「空は繋がっている…か…。」


そう呟いて上を見上げる。すると、後ろから優愛の声が聞こえる。


「今日も月は綺麗ですか?えへへ」


「はは、そうだなぁ…君の向かう未来に比べれば霞んでしまうけど、そこそこ輝いてんじゃないかなぁ」


「え?何言ってんの?ははは」


「言わずに後悔するより、言って悔やめとじいちゃんに言われたからな」


「…え…ふふ!翔馬ってたまにクサイ事言うもんね」


「うわ…それ今日清水寺で多鶴子さんにも言われたわ」


「ええ!?多鶴子さんに何て言ったの?」


「錆びつ…いや、なんでもない」


「さびつ?…サービス?」


「え?」



「え?」


他愛ない会話、そんな話をしていると今度は噂の多鶴子さんがやってくる。


「あら、お二人さん。デートかしら?」ニコニコしながら話しかけてきた多鶴子さんに優愛が答える


「え?違いますよ、ふふ!デートに見えました?」


「ええ、でもそうね…デートと言うには少しだけ距離があるはね、はい、積めて積めて」


「わ!?わわっ!?」


そういって多鶴子さんはわざとらしく優愛を横から俺の方へ押す。そんな事をしていたら今度はお姉さんとのおしゃべりは落ち着いたのかリサがやってくる。



「ワオ!皆お揃いのようね!ちょうど良いわ!面白い話を聞いたの!」


そう言ってもう片方の俺のとなりにやってくる。そして四人揃い、リサがその面白い話とやらを話し始める。


「なんと、淡路は玉ねぎラーメンと言うものがあるらしいわ!」


「へぇ、玉ねぎ…うまいの?」


「おいしいらしいわよ、丸々玉ねぎが1つ入っているらしいの、他にも刻んだものとかもあるみたいだけど、見てみたくない?」


「見てみたいっ!」何故か優愛が目を爛々とさせながらメチャメチャくいつく。が、しかし多鶴子さんの一言でショボくれる事になる。


「あら、でも淡路は通りすぎちゃうんじゃない…?」


「がーん(゜ロ゜;」と優愛。


俺は航路を確認する。


「通りすぎちゃうな」そう言うとリサも言う。


「がーんΣ(´□`;)」


なんなんだコイツら。


「まぁ、なんだ…四国にも探せばあるかもしれないし、その時にでもよってみようぜ」


「そうね、二人ともそうしましょう!ね?」


「そうだね…仕方ないね」


「なんて事…あんなに熱く話しをしたのに…」


玉ねぎラーメンであれだけ盛り上がっていたのか。まあ確かにインパクトはでかそうである。


「ところで、淡路市のどこにあるんだ?」


リサは親指をグッとたて答える。


SA(サービスエリア)よ!」


いや、このメンツじゃいけねえじゃねえか。すると多鶴子さんが何故か関西弁で


「あかんやん」


と言った。それを聞いた優愛が笑いだし、それにつられて皆で笑う。笑い声は夜空へとのぼり、きっと楽しい明日へと向かって消えていった――。


さあ、それから船内で弁当を購入し皆で部屋で食べる。どこで買ったのか、優愛が急に納豆を取り出し、「くさっ!?おまえマジかっ!」とか「oh!Shit!韮崎正気っ!?」とか賑やかに食事を済ませた。また、本日は四人部屋なので全員でここに寝ることになる。


みんなシャワーを浴びたり歯を磨いたりして布団へ入った。


そのあとは何かあるわけでもなく誰かの寝息が聞こえ始め、気づいたら俺も眠りに落ちていた。


翌朝、目を覚ますとリサと優愛は眠っているが多鶴子さんの姿がない。どこいったのだろうか?そんな事を一瞬考え、トイレへ行くことにする。


部屋を出てトイレを目指していると、椅子に腰掛けテーブルに筆記用具を広げている多鶴子さんを見かける。が、先にトイレに行きたいのでそっちを優先し、戻ってくるとそこにはもう、多鶴子さんの姿はなかった。


部屋へ戻ると、残りの二人も起きており、目を擦りながら口々に「おはよう」が交わされる。そして皆で下船の支度を済ませる。


さあ、四国である。その中の愛媛県に俺達は降り立った。


【愛媛県】は日本の都道府県の1つで、四国地方の北西部、北中部にあたる。日本三古湯の1つ、道後温泉を有している。【Wikipediaより】


また、言わずと知れた蜜柑県でもあり、街に設置された水道から蜜柑ジュースが出るのは有名な話である。また、真鯛の養殖量も日本一で、その普及率たるや全国の57%をしめる。【ココペディア調べ】


そして、皆で伸びをする。そう言えば、みんなはどう思うか分からないが、土地と言うのは、その町1つ1つの風に匂いみたいなものがある。と、俺は思う。例えば、昔育った町やおばあちゃんの家なんかを懐かしく感じることはないだろうか?それはきっと、その土地の香りがそうしているのじゃないかと勝手に思ったりしている。では、なぜそんな話をするかと言うと、愛媛県に降り立ち、呼吸をしたときに始めての香りを感じたからである。



「さて、行きますか」


そう言うと、みんな頷き準備をして出発した。愛媛から南下し、またフェリーを使って大分県に降りるのが一番早いのだが、お腹もすいたしと言うことになり、玉ねぎラーメンも調べたら無さそうなので、せっかくの四国だし、うどんくらい食べとこうと言うことになり、道は逆になるが少しだけ逆走して、香川県に行くことにした。



【香川県】は、日本の都道府県の1つで四国地方の北東に位置する。瀬戸内海に面しており、全国一小さい県だが災害が少なく、コンパクトな中に都市と自然の調和した生活環境を併せ持つ特徴を有する。【Wikipediaより】


うどんは言わずもがな知られているが、丸亀城の石垣の高さは日本一であり、また日本最古、最大の溜池を持っている。【ココペディア調べ】



香川県に向けて出発し、景色を見ながらすがすがしい気持ちで階調にバイクを転がす…。そうだ。そうなのだ。俺はこんな旅を目指していたんだ!気ままに、風のふく方向へふらふらと走る。なんと心落ち着く旅だろう…?決して今に不満があるわけではない。ただ、理想はそうだったと言うだけの事…そんな事を考えながら、ふとサイドミラーを見る。


「あれ…?」俺はブレーキをかけ、道のわきに停車する。すぐに優愛が


「どうしたの?」と聞いてくる。


「いや…」そう言って後方を眺めること1分、来ない。


優愛の頭に?マークが出て、ようやく優愛も異変に気づく。二人で後方を眺め、3分。やっぱり、こない。




どうやら、俺達は、リサと多鶴子さんとはぐれたらしい…。





「…どうすっかな…。」






【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!】


























玉ねぎラーメン食いたい。(´・ω・`)✨きゅぴーん


またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ