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イチョウの下で会いましょう②

いきなり表れた外国人女性。彼女は何者なのかーー?


今回からわりと賑やかなパーティーになりそうだ…


ガッツリハグされている俺をみて、優愛が何故かおもっくそうろたえている。


「なななななななな、な!なにしてんの!!翔馬!はっ!離れなよ!」



なぜ俺なんだ。完全にされている側の俺に離れろとか、おまえ正気か。



そんな優愛を無視して俺をぎゅっと抱き締めてご満悦な外国人は猫なで声で俺に言う。



「ねぇ…翔馬、翔馬も寂しかったわよね?私に会えないで…



そう言いながら背中に回していた手を俺の頬へと移動し、顔を近づけ、とても(なまめ)かしく色気を出して言う。



溜まってるんでしょ?い・ろ・い・ろ…ふふっ!」




それを見て更に優愛が取り乱す。



「なななな!たまっ!たまっ!」



年頃の娘達が「たまっている」だとか「たまたま」とかもう本当に何してんだおまえら。優愛に至っては顔を真っ赤にして目はグルグルである。



そんなグルグル…間違えた、優愛が何故かまた俺に言う。



「はははは、早くはにゃれにゃっ!はにゃっ!離れなよっ!」



このグルグルかみっかみである。


そうすると、そこでようやくビッチ…間違えた外国人、ええと名前は【リサ・アシュホード】と言う。イギリス人である。が優愛の存在に気付き、チラッと見て何を思ったのか挑発する。


「ねぇ、翔馬…そこの"(メス)ガキ"どこで拾ったの?…もぅ、翔馬には私がいるのにぃ」



因みに今コンビニの駐車場である。こんな所でマジでなにやってんだ…と思い、さすがに俺もそろそろリサを(とが)める事にする。



「おい、リサ、ちょっとはなしてくれ」


そうリサにお願いしていると優愛が言う。



「めっ!メスガキじゃない!これでもCはあるんだからっ!!」



ん?なんの話?何がCなの?



「そんなサイズ子供と一緒よ、アンタ中学生なんじゃないの?ちょっと翔馬と一緒にいるからって調子にのらないでよね!自称C・カ・ッ・プ・ちゃん!」



どうやら胸のサイズの話らしいが、何故そんな話になってんだ…と優愛の胸に目がいく。



「なっ!何みてんの!翔馬のエロ大臣っ!!」



すると、何故かリサまで言い出す。



「そうよ!エロ大臣!私のを見なさいっ!」



「いや、なんでだ。」そんな話をしているとリサのバイクのサイドカーから、ひょこっと何かが顔を出した。



それに気付き、俺はサイドカーを注視する。と、明らかに老婆がのっている。リサ…おまえ人にこんな女どこで拾ってきたのかと聞いていたが、おまえはどこで老婆を拾ってきたんだ…


と言うのも、俺はリサの事は知っているがこの老婆に見覚えはない。


なので、ようやく俺を解放して優愛と「私の方がデカい」だの「私の方が綺麗」だのと言い合っているどうしようもないヤツ①のリサに声をかける。ちなみに言わずともわかると思うが②は優愛である。


「なぁ」


ガルルルルと唸っていたリサはすぐにこちらを向き言う。


「なに?翔馬!プロポーズ?」


「いや違う。このサイドカーに、乗ってる人」


「挙式はいつにする?やっぱり6月よね!」


「いや、あげねぇから。」



むぅ!と、むくれるリサを無視して俺は続ける。


「どちら様…?」


それを聞いてリサが「はぁ」とため息をはいて言う。



「私の新しいfamily(ファミリー)(家族)よ」



おぅけぃ、こいつ何言ってんだ?とうとう脳ミソまでエロに侵食されたのだろうか?


すると、こちらを見ていた老婆が俺をみてニコッと微笑み言う。



「ふふふ、若いのねぇ…私の兄の若い頃にそっくりよ、あなた。」



おいおいおいおい、支離滅裂(しりめつれつ)とはこう言う時に使うのだろうか?なんにせよ、カオスである。



話が誰とも噛み合わない。そして少しひきつった笑顔で軽く会釈する俺をみてリサが言う。



「ところで翔馬、アナタ日本一周中でしょ?今どこに向かってるの?」



今何処に向かってる?か…まあ、先程までは空港を目指していたのだが、現在はどうするか決めてはいません。と言うのが正直な所だ。そんな事を考えているとそのままリサが提案してくる。



「翔馬!アナタ見たところ南下してるみたいだし、私と【宮崎】に行きましょっ!」



先程俺は現在コンビニの駐車場と言ったが、少し規模をでかくして言おう。今関東である。こいつの提案をのむとなると結構な長旅になる…ん?いやまてよ、どうせ行くのは同じか…?



「なら、べつにかまわないのか?…いやでも優愛がなぁ…」



そんな風に考えていると



「宮崎ならここいますけどねっ!」



と何故かプリプリと腹をたてている優愛が本当にくだらない事を言いだす。プリプリしながら。


「宮崎なら!ここにっ!」


明らかに「は?」と言う顔をしているリサに俺がこっそりと言うこいつは【宮崎 優愛】と言う名前なのだと。


するとリサはニヤリとして優愛をいじりだした。


「うるさいわよ、韮崎(にらさき)



「違う!宮崎っ!」



「それは、これから翔馬と私が向かうところよ楢崎(ならさき)。」



「え?違うそうじゃないよ!私が宮崎!」



「アンタ正気!?いつから人間をやめて土地になったの?」



「違うそうじゃないってば!」



「意味がわからないわ…翔馬、アナタこんなのと一緒にいたの?大丈夫?」



きっとこいつは、心のなかで今ほくそえんでいるのだろう。



む~っとほっぺたを膨らましている優愛をなだめ、とりあえず先にリサの話を聞くことにする。



「なんで宮崎なんだ?」



「宮崎は私…」



「ややこしくなるから優愛は黙ってろ」



ガーンと落ち込む優愛、だが今は話を進めたい。そんな優愛を横目に見てリサが言う。



「そうね、話すと長くなるんだけどいいかしら?」



と前置きをして、リサは話始めた。



「翔馬が旅に出た後、私は翔馬を追いかけて旅に出たわ。頼りは翔馬のスマホにあらかじめインストールしていたGPS追跡アプリだったの。」



ん?さらりと怖いこと言わなかった?今…まあ、とりあえずこのまま聞こう。



「もちろんバレないように加工していれていたわよ?それから翔馬を追いかけている途中、イギリスの家族に手紙を出さないといけないことを思い出したの。でも知らない土地だし、不安じゃない?それに正直スマホで調べれば一発で郵便局なんていけるんだけど、それじゃあおもしろくないでしょ?だから私は第一村人に話しかけたのよ、そしたら快く郵便局をおしえてくれたの。しかも、その人も郵便局に向かうって言うじゃない?ワオ!これって運命?Destiny(デスティニー)(運命)!って思うでしょ?それから…郵便局にいって多鶴子と話をしたわ。その話を聞いて、私は多鶴子を宮崎につれていこうと誓ったのよ。わかった?」




お婆さんは多鶴子と言うらしい…てかなんか一番大事な部分が抜けた気がするが、だいたい分かった。まぁしかし、優愛の件もあるし…そんな事を考えて、ふと、優愛の方を見るといつのまにかおばあさんと話をしていたようで、「うんうん」とうなずいている。



そして次の瞬間こちらを向いて言うのだ。



「翔馬…あのね」




もう、これだけで充分である。コイツは行きたいのだ。




まあ、お婆さんの話しも気にはなるが、それはおいおい聞くとして、行先に悩んでいても仕方ないし、優愛の話も聞かなきゃならない。やること多いな…そうおもうと先は思いやられるが、それと同時に少しだけワクワクしている俺がいる。旅とは自由に、気ままに、これが基本だと思うのは俺だけだろうか?


なんにせよ、立ち止まっていては何も変わらない。嫌でも日は上って沈むのである。


ならば、とりあえず進むことにしようじゃないか。だから俺は優愛とリサ、そして多鶴子さんに言うのだ。






「行くか。九州。」





こうして、"仲良し?カルテットの旅"が始まったのだったーー。





【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!】

































※キャラクター紹介



【名前】:リサ・アシュホード


【年齢】:20歳


【性格】:アクティブで勝ち気な性格だが、優しさももっているタイプ。


【バストサイズ】:Eカップ


【好きな食べ物】:ちょこばなな、甘酒、フライドチキン

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