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僕と私  作者: 田中佑奈
第1章 お前は一体誰で、僕は何をしに来た
3/6

プロローグ 世界【後編】

 

  ━━━僕は自分が嫌いだ━━━━


  この世界は不条理だ。君たちも感じたことはないか?不条理というこの世界に憎悪(ぞうお)嫉妬(しっと)憎しみ(にくしみ)殺意(さつい)が━━━━人間の闇が広がっていることを 例え話をしよう、1人が生に、1人が死に…君はどっちを選ぶ?当然『生』だ。誰だって生きることを望むだろう。行きたいと、決意するだろう。1人が死ななければならないのなら、君はどうする? 答えは━━━━━━

 *********************


  「ッ…お前」



「おじいちゃん!外に行っていい?」

 あの頃は七つの時だったか

「あぁ、いいよ…ただ、遠くには行くんじゃないよ」

 僕と話していたのは叔父だった。その目には曇がなく、自分の正に生きていた。

「じゃあ、行ってきまーす!!」

 何かを追い求めるかのように、すぐ玄関へと向かった。 扉を開けた時、一瞬閃光弾かと思うほどの光の量が目に当たり、目を開けた時━━━━━


 桜だ…綺麗だった。花弁は日光に照らされていて一層佳麗な桜が瞳に映る。僕は感激し、思わず声を出した。

「凄い…凄いよ!!どうして今まで気ずかなかったんだろう…あれ?」

 僕が見えたのは…人影だ

「そこに居るのは誰?」

 そういえば、この時期になると親戚が集まるようになる。

「ッ……ヒャッ…いたた」

 大きな音と一緒に痛いといった言葉を聞こえた。転んだのではないか、と僕は思い、その人のところに足を運ぶ。

「ッ…来ないで…来たら駄目!」

 そう、その子、いや彼女は言った。僕を拒絶した。彼女も僕と同じ年代に見える。当時は拒絶反応を見せるのは普通であり、何らかの違和感を感じては居なかったが、今となっては神美な姿の女性に拒絶反応を見せられるのはごもっともだ。

 と言ってもこの子は神美と言うよりかは愛くるしいと言った方が合ってるのかも知れないが。

「大丈夫、僕は東神家の息子…かな?」

 彼女は怯えていた。例えるとしたらシマウマが今にもライオンに襲われるかのような、そんな状況だと思う。

「…ほんと?そうだったんだ、ごめん、ね……ッ…いたっ」

 彼女は立ち上がったときに脚の傷口が開いてとてつもない痛みが走った。その傷口は深く、深く…

「大丈夫!?そうだ、ちょっと待って」

 僕は急いであるものを探しに行った。そして、数分後…


「…これで大丈夫だと思う…」

 僕は彼女の脚にとある葉を巻き付けた。

「…うん、大丈夫。ありがとう…一つ君に借りを貸したね━━そういえば、君の名前は?」


「僕は━━━

  僕は東山零。君は?」


「私は━━

  私はユーフィリア・アナスタシア」

 道理でだ。顔立ちも、身柄も日本人ではない。

 だが、何故だ?未だに疑問だった。東神家でも流石に外国との交渉はしないと思う。もしかしたら━━

「これからよろしくね!ユーフィリアちゃん」

「えぇ、これからよろしくお願いします。…えっと、その…零、くん…」

 彼女は僕の名前を頬染ながら話した。これは僕の見解に過ぎないが、ユーフィリアは初めて異性に君付けで名前を言ったのではないだろうか…



「今更、なんで戻ってきたんだよ…あんな事あったのに、のうのうとお前は戻ってきたのかよ!」

「ごめん、なさい…それは実家の都合でね」

 あんな事と言うのは、俺の父親が亡くなったのだ。しかも、彼女のせいで。世界で騒がれた銀行強盗。ユーフィリアが強盗犯に捕まり、父親はそいつを解放する条件として、自分を身代わりとした。━━━そして、死んだのだ。

 彼女も、自分のせいだと深く後悔し、謝っている。だが、僕は許せない。謝罪するだけでは父親の代わりにはならないからだ。彼はこの日本にとってとても必要な人物だ。一般人にはそれは政治の機密情報となっているため、彼もその一般人に過ぎない存在だった。言わば、隠れ人間国宝のような存在だ。彼には東神家に伝わる五つの能力(才能)を一つ手にしているからだ。そんな能力が世間に広まったら…人々は混乱し、彼を奪う存在も出てくるだろう。なので…らしい。

「…まぁ、実家の都合なら仕方ないな…で、なんでお前はここに居る?」

「えっと、その…言いたいことがあるの」

「ん?なんだ、言ってみろ」

 彼女は瞬間的に僕の顔に近づき、口を開いた。

「…ッ!? こ…れ…」


挿絵(By みてみん) 


 そう、彼女の口には牙があった。そして、僕は感じた、彼女は━━ユーフィリアは人間ではない、化け物(・・・)だと。


「ついて来て…君なら分かってると思うけど、僕は人間ではない、逆らったら…“どうなるか、分かってるよね?”」

 背すじが凍った。その言葉は今までの彼女のおどおどしい言葉を覆した。そして、彼女の口調、感情、心情…今まで見てきた彼女とはとても違った。今までの彼女の存在が消えるかのように…

 僕は言われるがままに彼女について行った。

「君の父親の能力…知らないよね?僕は知っている、けど━━━━もう遅いかもしれない」

「もう遅い?それって、どういうこ…っ」

 一瞬にして、暗闇の中に引きずり込まれた。とても苦しく、悲しく、愛おしく…

「…ここは…」

 見たことのない景色が広がっていた。広大な大地。僕が知っている大樹よりも遥かに大きい大樹が所々に。西には雪が。南には砂漠が。僕は考えた、いや考えなくても分かる。




「ここは━━━━━異世界だ」




どうもどうも、フランドール親衛隊でっせ!

お久しぶりの方も、初めましての方もいますね(多分)

今回は後編でまたもpart分けをしようと考えていたんですが、どこで切ればいいのか…考えるのがめんどくさくなったので一気に書きました~

そしてですね、何故こんなに期間が空いたのかと言うと忙しかった、と言うのが第1の問題、あとは察して下さい。

(まぁ、少しへまして小説を何回も書き直すハメになって力尽きただけなんですが)


次回は早めに投稿をしたいと思います!

では!!

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