プロローグ 世界【中編】
僕は東神家を引き継がなければいけない。
────嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
そんな事は分かっていた。僕は。でも、やりたいことはまだあるんだ…!いつも泣いていたあの頃の僕に手を伸ばしてくれた。身も心も汚れていた僕のことを救ってくれた。僕が怒っても、「有難う」の一点張り。「なんで有難うなの?」と訊くと、「だって、君が元気なんだって分かって安心するからかな~…なんて…えへへ」
いつも泣き虫で甘えん坊なのに、今日は大人びた彼女を見た。僕はその瞬間から涙が溢れ落ちた。
「あれ?目から何か…っでてるな…っ。僕の顔どうなって…っる?」
僕は彼女の
「…すごぉく、嬉しそう!」
彼女は笑顔だった。まるで太陽のように僕を包みこんでくれた。僕は彼女に言った。
「 有難う…!! 」
「 こちらこそ 」
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「はぁー…」
僕はまた人生で一番重いため息をしてしまった。
何故か?それはだな…肆螺蕋と喧嘩をしたから…いや、こちらが一方的に喋ったんだがな。
「まぁ、こんなこと明日にでも謝れば別にいいか…」
僕はアクビをしながら靴に履き替え、昇降口をでた。そんな時━━━━
風が吹き、目の前には桜の花びらが飛び散った。
関心し、止んだ時だった…
「あ…いつ…」
「…っ!零くぅーん」
僕は彼女に会った。いや、会ってしまった。面倒な奴に