第8話~~レミグランドの過去(後編)~~
1F隅っこのテーブルに座ると
「おやじさぁ~ん、Aセット2つお願い!」
「もちろんレイスに請求してね!」
「あいよ!7番テーブルAセット!ツー」
「をぃをぃ!何でおごらにゃあかんのだぁ~」
「授業料よ!」
「・・・」
こそこそと、財布を見るレイス
(Aセットなら、なんと足りるか・・・。)
「運動会・・次回から強制的に連れて行くからね!!」
「げっ!」
(そんなのに出なきゃ、ならないのか)
(ってっか、今日も強制なんだけど)
(どうやって、逃げよう・・・。)
(でも、どうして今まで、参加チェックに引っかからなかったのかしら)
(不思議ね。)
「運動会よりも、歴史を教えないと、いけない様ね。」(ギラッ!)
「というわけで、今から勉強ね!」
「げげっ!マジ?」
レイスの椅子が、少し後ろに下がる(逃亡の準備)
ローリーは、俊足の速さで、レイスの足を踏みつけて、グリグリする。
「いたっ痛い!」
「お・お・マ・ジッ!」
レイスは、手を万歳して、降参の意図を示す。
「わかった、わかった~、ごめんごめん(TT;;;;)」
「今度逃げようとしたら、おごりが増えるからね。」
「え~っ」
「はい、始めるよ」
「まず、レミグランドの歴史を知っているところまで、話してごらんなさい」
「え~っと、何百年か前に、どこか別の国から逃げてきたんだよね」
「その時にいたのは、皇太子ワイラントでぇ~」
「護衛には、ランサー(槍使い)中隊と、魔術中隊の2個中隊と、皇太子直属小隊。」
「皇太子と、御付きの方を含めて、合計40人ぐらいで、ここに逃げてきたっと!」
(間違っていないよね?)
ローリーをちら見してみる(大丈夫そうだな・・・)
「ええ、そうね」
「そして、このあたりにいた、全てのデーモンを召喚し」
「この地を占拠した。」
「え”っ!召喚したのって先の王じゃ・・・。しかも全てって^^;;」
「王族は、古の契約に縛られているのよ」
「王の先祖は、約3000年ほど前に、悪魔の存在を突き止めて、全ての不幸の原因であるこの存在を・・・。」
「今では、失われた術を使い、子々孫々まで、力を与えることに成功したと言われているわ」
「ワイラントは、デーモンを制御下に入れれば、平和になると考えたのね。」
「おまたせ!Aセット2つ♪」
お店のおねいさんが、テーブルにAセットの
[焼きたてのパンと白身魚のムニエル]を置いていく。
レイスが、二人分の勘定4ウェインを手渡す。
「今日は、ここまでね」
(助かった・・・。)
「さあ、暖かいうちに食べよっ!」
パンをちぎり、ムニエルをナイフで切って、パンに載せて食べる
「う~ん、おいし~ぃ♪」(おごりって、おいしいのよね♪)
(ただでさえお金が無いのに・・・)
(はっ!「今日は、ここまで」てことは、またおごらされるのか・・・)
(あっ!どうしよう?封書のこと・・・。)
(やっぱり、不味いかなぁ?でも・・・どうしよう?)
「ねえ~レイス?」
「あ~じぃ?」(食事語?^^;;で、何~?)
「女王様から預かった封書を見せてくれない?」
口の中の物を完全に飲み込んで
「だめだよ、父さんに渡さないといけないんだから!」
「破いたりしないから・・・ねっ!」
ローリーは、ウインクする
左手をテーブルの下に降ろし、片手で印を結び気を込める。
「ちょっとだけだよ?」
レイスは、封書を手渡す。
右手で封書を受け取る
封書を見て・・・。(正しくは、封書の内部を見て。)
(やっぱり、ただ事じゃないのね)
(支度が、必要ね!)
しばし封書を見て
「あんまり面白いものじゃないわね。」
封書を返す。
「そりゃそうだろう^^;;」
「その封書は、間違ってもあけたらダメよ!!」
「わかってるって」
・
・
・
(食べ終わって、新緑の息吹亭から出る)
外は、陽が少し落ちてきている
15:00ぐらいだろうか・・・。
「ありがと!おいしかったぁ♪」
「じゃ!またねぇー」(急がなきゃ!)
「じゃあな!」(やっと解放された^^ふぅ~)
ロリエッドは、シュリエット街道を南に歩き出す
(あれ?ローリーの家は、そっちじゃないのに・・・)
(まあ良いや、帰ろっと!)
レイスは、自宅に向かう。
用語辞典(?)
小隊:4人のチーム
中隊:3個小隊(12人)
大隊:3個中隊(36人)おまけに1個小隊が付くことがある
連隊:3個大隊(108人)おまけに1個中隊が付くことがある
↑
(これが、オリジナルを記載できない理由のひとつだったりします。)
(参考文献:バトルテック 独立愚連隊の中の一文)
ウェイン:レミグランドを始めこの地方の代表的な通貨(貴鉱石製)
(4ウェイン=約400円「物価が安いのです。^^;」)
この世界の魔術は、必ずしも呪文は必要でないのです。
力ある魔術師ならば、身振りも呪文詠唱も無く術を発動させることが可能です。
現実世界で、言うならば
たとえば、皆さんの目の前にあるだろう「マウス」を
1:頭の中だけで、形作れるならば、呪文詠唱や身振りは不要です。
(何も必要としない)
2:言葉だけで、形作れるならば、身振りは不要です。
(呪文詠唱は必要)
3:手で、こ~んな大きさのこのような形でぇーみたいに
身振りと言葉だけで形作れるならば、少なくとも触媒は、不要です。
(呪文詠唱と身振りは、必要)
4:粘土細工もしくは設計図が必要なら、触媒が必要ってことになりますね!
(呪文詠唱と身振りが必要で、触媒もしくは魔方陣などが必要です。)