空元気
前回の話を読み返してみて、自分の表現方法めちゃくちゃだなぁと反省している滝峰つづりです。
今度の戦いまでにはもう少しレベルを上げておきます。はい、反省終了! あ、やめてください、そんな責めた目で見ないで下さい、次はホント頑張りますので―――
と、今日の茶番終わり。さて、今日はバトルしている魃さんの作品についてなのですが……、どうやら作品の延びが芳しくないようで…………。バトルの相手がこう言うのもアレなのですがどうぞ魃さんの作品の方も覗いて見てください。
それではまた次回!
六時間目は緊急な会議が入ったとかで自習になったらしい。どっちみち僕は出席するつもりもなかったのでシロに付き添い保健室にいる。
オルバークたちの処分はというと、とりあえず今は保留となった。いずれ罪にみあった罰があるといいんだけど。
シロは保健室ですぐ目を覚まし、僕を見ての開口一番がありがとうだった。
話を聞けば一応意識はあったが動けない状態だったらしく、僕が豪炎爆弾を消火したところで意識が途絶えたと。
「でもさー、頑張って唱えた上級呪文なんだからクロもあたってくれて良いじゃん」
「無茶言うな。流石になんの準備も無しに上級呪文を受ける勇気なんてないよ」
様々な薬品の匂いが混ざった保健室独特の香り。
そこのベッドに横たわるシロの話し相手になりながら、椅子に座り、近くにあった本を読んでいた。
緊急会議に保健の先生も出払っているため、不謹慎ながらも雑談していて叱られることはない。
「あたれば私の勝ちだったのに」
「あそこまで大振りだと中々あたらないって」
体育館の床をぶち抜く一撃、あれでも腕輪で力をセーブされてるんだから驚きだ。(床は一定の速度で自己再生する優れものなのでシロが怒られることはない)あの魔術に冷や汗を流したと言ったら付け上がるので絶対に口にしない。
「私ね、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「内容次第だね」
「クロくんの魔術について聞きたいのです!」
「教えない」
「うわーん、断るの早いよー」
本を読んでるふりして、シロを横目で見る。彼女は言葉とは裏腹に楽しそうに笑っていた。
「わかったよ………少しくらいなら教える。なにを聞きたいの?」
「全部!」
「へー、この魔物ってそんな習性があったんだー……この本為になるなー」
「わー! ごめんなさい一つだけに絞りますから話を聞いてー!!」
始めからそう答えればいいのに。
「で、僕の魔術のどんなことを聞きたいの?」
「ズバリ、発動までにかかる時間」
「あれ、案外まともだね?」
僕が少しからかうとシロは口を尖らせた。
「これでも学年トップです。馬鹿にしないでよね」
「はいはい。じゃあその答えだけど僕が術を使うまでに要する時間はほぼゼロと言ってもいいね」
「うわ、ズルい」と、素直な感想を述べたシロ。
「まぁ例外もあるけどね」
「例外って?」
シロはきょとんと目をぱちくりさせる。
「新しい魔術を創るときだよ」
「あー、なるほど。そういえばクロくんは出来るんだったよね」
納得したように目を閉じ、何度も頷く。そしてぼそりと口を動かす。
「でもさ魔術を創るってどんな感じなの?」
「僕も考えたことなかったな。僕の場合言わば直感みたいなものだら」
「直感、かー……。クロは完全な天才肌だからねぇ………」
窓の外を見て、たそがれ(た真似をす)るシロ。そんな彼女にかるくツッコミを入れといた。
「この学年で上級呪文を唱えられるあんたが言うか……」
それからしばらくどうでもいい話で盛り上がっていたが、とうとうシロが限界を迎えたようでうとうとと、浅い眠りに入り始めた。
なので僕は椅子からそっと立ち上がり、途中から読むことを忘れていた本を静かに閉じた。
この本に実践出来そうなことは載ってなかったな。
題名は『体内のマナの効率のよい回復方法』
――まったく、空元気なんてしなくていいのに。