慣れっこだから
イエーイ!! 朝の妙なテンションの滝峰つづりだぜーい!!!
と、適当な挨拶を打ったのはいいですが……さて、なにを話したものか。
よし、ここは盛大にネタバレでも…………バラすようなネタなかったなー。
そうですねー、私の執筆時間の話でもしましょうか。はいそこ誰得とか言わない。分かってても言わないのが優しさです。
私は基本的に執筆をはじめる時間は朝です。朝の3時半くらいから書きます。
別に眠くはなりませんよ、寝る時間も早いですし調度いい塩梅なのです。
………………終わった!? 終わっちゃいましたよ。あー!! 時間ももうない!
ぐっだぐだな前書きになっちゃいました。本編いきましょうか!
息も絶え絶えに僕は走った。
分かっていた。無形魔術師の扱われ方なんて、存在理由なんて……。分かっていた判っていた解っていた!!
地面を蹴る度、脚に送るマナの濃度が濃くなる。一歩踏み出すごとに空気が重く、四肢に絡み付いてくる。
誰も追ってきやしない、理解している。それでも僕は速度を緩めること――逃げることを止められなかった。
どの道を通ってきたのか、それすらも覚えていない。気が付けば僕は荒く肩で息をしながら馬車の横の岩にもたれていた。
当然、もう買い物なんて行ける気がしない。
慣れてるはずの罵倒のはずなのにまるで初めて言われたかのように胸がズキリと痛んだ。
きっとそれはシロたちのせい……いや、おかげなんだろう。
シロがあの頃の僕に声をかけてくれなければこの場所に立つこともなかっただろう。
フェイのあの無邪気な笑顔が僕を少しだけ前に向かせてくれた。
ディーネを泣かせてしまったとき、ディーネもシロもフェイも、みんな大事な仲間なんだって、泣かせたくないなって思わせてくれた。
――みんながいなければ到底この痛みを思い出すこともなかった。
そう感じると自然と心が軽くなり、脳も高速で回転をはじめる。もう大丈夫だ、整理してみよう。
なぜあの店主は僕が無形魔術師だと気付いたのだろうか……。見かけだけで魔術師の判断は出来ないだろうに。
そういえば気になることを言ってたっけ。
『昨日の兄ちゃんの言う通りだったぜ』
昨日の……。僕らとは別行動の隊も、昨日はここを経由していると思う。
店主の口振りから、その兄ちゃんなる人とは昨日が初顔合わせなのかもしれない。
「……なんだかきな臭くなってきたな」
「クロ――ッ!!」
聞き慣れた声に思考を中断して前を向く。その瞬間ふわっと香る甘い匂いとともになにかがダイブしてきた。
それが確かな重みと温もりを持ったシロであることはすぐに理解した。
シロは手を僕の背に回し、ぎゅっと力を込めている。
「あ、あのぅシロさん? これはいったい……」
「買い物中におばさんが話しかけてきたの『貴女がたも無形魔術師の面倒を見なきゃいけないなんて大変だね』って」
ああ、なるほど……。
僕は今、苦虫を噛み潰したような、そんな顔をしてるかもしれない。
「だからクロの事をすぐに捜した。捜してる最中も無形魔術師がどうこうって………みんな酷いよ。クロなにもしてないじゃん…………」
「僕は大丈夫……こういうのは慣れっこだから」
微かに震えるシロの肩。僕の黒いローブに一つ二つと雫がこぼれ落ちる。
僕はそっとシロの真っ白な髪を撫でた。
理由は分からない。シロを安心させるためなのか、それとも自分を慰めるためなのか。
でも一つだけ分かったことならある。これは僕を狙っていること。
さすがに僕も黙って全てを許すような聖人を気取るつもりはない。
なによりシロを、仲間を結果的に泣かしたとあれば、僕の力を存分に使って報復するしかないでしょ。




