ヘルブの村
おぅ、今日も東が明るいな……ども、滝峰つづりです。
どたばたして気がつかなかったのですが20話……超えてたんですね。
魃さんとのバトルもあって、ほぼ一日に1話のペースでやってきてるので当たり前と言えば当たり前なんですけどね?
……他の作品が書けない。
はっ! いや、なんでもないです!
本編いきましょ、本編!(汗)
馬車をひた走りに走らせ続け、昼前には昨日の目標の村、ヘルブに着いた。
フェイが馬を少し休ませてあげてと、頼んできたので僕らは少しだけ休憩することになった。
ヘルブはなんの変哲もない小さな集落のようなところで、村全体の時間がゆっくり流れると思わせる雰囲気は好きになれそうな気がする。
「にゃ? ………ねぇねぇクロくん、変なことを聞くようだけどクロくんはこの村に来るのは初めて?」
「来たことないけど、どうしたの?」
「いやね、さっきから通る人がみんなクロくんばかりチラチラ見るものだからさ」
言われて僕は辺りを見回した。すると開いていた扉が急に閉められたり、近くのおばちゃんたちが思い出したように世間話をしたり……確かに変だ。
「クロ、そんなことより早く買い物するよ! また野宿するかもしれないんだから、色々と買い揃えないとね」
急がなくても出発の予定まではまだ余裕がある。僕としてはここの村人たちのことが気になって仕方ないんだけどなぁ……。
「……シロ、買い物の効率を上げるならこの人数を分けて買うと早い」
「ディーネちゃん、それって……」
シロの声はどこか嬉しさを含むものだった。
「……だから少年とディーネ、シロとフェイで周る」
が、急にシロの頬が引き攣るのを見た。
ん? シロの予想とは違う展開なのか?
そこに割って入ったのがフェイ。少し口を尖らせ文句言いたげに口を開く。
「なんでそこでディーネなのさー。……よし、ここはシロちゃんとディーネの間をとってアタシが行こう」
「だ、ダメ!」
「……抜け駆け禁止」
なんだろう、僕がこの話に参加すると余計に拗れそうな気がする。
僕はしばらく口を挟まないと決めた。
――で、なんだかんだ言いあった挙げ句には、女子と僕で別れて買い物になった。
シロたちは納得してるようだからもう何も言うまい。なんで僕が一人だけなんだよ! とか愚痴らないぞー。
「僕が任されたものは……っと、なにこれ、必要なの?」
そうぼそりとこぼしてしまうほど、渡されたメモ用紙にはおかしなものがずらり。
アヒルの玩具、桶セット、水鉄砲、ボール――……。途中から僕は読むのを止めた。
シロのやつ、風呂場の遊び道具とか買わせるつもりだよ絶対。
「はぁ……桶くらいは買っておこうかな」
玩具系は省いて本当に必要そうな物だけ買うことを決めた僕は、手始めに桶を探した。
キョロキョロしながら歩いていると、雑貨屋の中にそれっぽい物を見つけたので入ってみる。
実際に近くで見ても桶だった。なんか形がやや不恰好な気もするけど、もうこれでいいか。
「すみません、これ下さい」
店主と思われるおじさんに桶を渡す。
「……ガキ、お前にはなにも売るもんなんてねぇよ」
「はい?」
「さっさと出ていきな、客が来ねぇだろうが!」
いきなりなにを言うかと思えば……。僕だって客なんですけど。
なにか言い返してやろうと口を開こうとした瞬間だった。
「意味がわからねぇって顔だな――無形魔術師さんよ」
予想もしてなかったワードに一瞬言葉を失った。
「――ッ!? ど、どうしてそれを!!」
「昨日の兄ちゃんの言う通りだったぜ。わかったら出ていけこの疫病神!」
言われるまでもなかった。僕は真っ白に塗りつぶされた思考回路が復活する頃には訳もわからず走っていたのだから。




