落ちこぼれ
またいつかと言いつつ続編が翌日になるとは思ってもいませんでした。滝峰つづりです。
魃さんが次翌日に更新するからよろしくね(笑)と言われたときは目眩がしました。これを書いてる時刻まで一睡もしてないんですよ。ホントダヨ?
くっ、まさかこんなひねくれた攻撃をしてくるとは魃……恐ろしい子((((;゜Д゜)))
と、茶番もここまでにして、魃さんとのバトルはまだ続いてます。いまのところ私が若干のリードと言ったところでしょうか♪ また近いうちに更新を致しますので読者の皆様今後ともよろしくお願いします!
ひたすら意味の解らない授業にクラスメイトの人を嘲笑う眼。さすがにイライラしてきたが終わりを告げる鐘の音のおかげで幾分か楽になった。
「む、今日はここまでです。各自しっかりノートにまとめるように。まぁ、クロくんは大目に見ますけど」
「先せーい、クロだけズルいでーす」
あー、はいはい。もういいからそういうの。ってか僕が来る度それ言ってるよね。
「仕方ありませんよ、クロくんには難しすぎるようですから」
どっとクラスが湧く。
いつものことなのでもう慣れた。さて、そんなことより昼飯はどこで食べようか……。教室は論外として…………やっぱあの原っぱかな。
そうと決まればこんなストレス以外溜まらない場所抜け出そう。
自分の鞄を背負い、早足にクラスを出る。
「クロ、私もい―――」
「シロさん、あんな奴より俺らと飯食わない?」
「そうそう、バカが移るよ?」
「…………ぁ」
ん? 今シロの声が聞こえた気がしたけど……確かめには戻りたくないな。用があるなら後で聞けばいいか。
そうして廊下で一度止めた足を再び動かした。
校舎を出て、人気の多い大通りからわき道にそれて歩くこと数分。祭でもあるのかと言いたくなるほどごった返していた生徒は僕を含めても四、五人ほどしかいなくなった。
理由はいたって簡単なこと、この先には何もない平野がずっと広がっているだけのつまらない場所だからだ。
僕からすれば静かで昼寝をするのにちょうどいい最高の場所なんだけどね。
「さて、この辺でいいかな……」
申しわけ程度にあった街道から数歩右へ移動し、若草の香りがする地面に腰をおろした。
鞄の中から弁当を取りだし、包みを広げる。僕の昼は簡単に作れるサンドイッチ。他にも作ろうと思えば作れるが、早起きしてまで作る気にはなれない。
まずパクリと一口。…………うん、普通だ。
「や、やっと見つけた~」
口にサンドイッチをくわえたまま振り向くと、小さな包みを手に持ちながら息も絶え絶えのシロがいた。
「は、ひほはほうひは?(あ、シロどうした?)」
「どうしたもこうしたも私をおいていくなんて酷いよ!」
酷いと言われてもな……。口の中のパンを咀嚼してしっかり飲み込み、話に戻る。
「いや、だってシロはクラスメイトに飯誘われてたじゃん」
「いつも断ってるんだよ? なのになんで諦めてくれないんだろうね」
あー、シロってこういうことに鈍いのか。
「シロみたいに可愛い子と昼を一緒に出来ればそれだけで嬉しいものなんだよ」
「わ、私が可愛い!? (え、な、ならクロも私といれてう、嬉しい………のかな?)」
「ぼそぼそとどうしたの?」
顔が少し赤い、もしかして風邪気味なのかな?
「な、なんでもないよ! それより私も一緒にごごごごごごご飯たた、食べてもいいかなっ!!」
「う、うん。でもまずは深呼吸して落ち着こう」
「あ、ごめん……」
シロは顔を真っ赤にしながら僕の横にちょこんと座り、自分の弁当箱を開けた。
カラフルな弁当だった。野菜も美味しそうに見えるし栄養バランスもよさそうだ。僕のサンドイッチとは比べ物にもならないな。
僕の視線の先のものに気がついたシロは照れくさそうに口を開く。
「えへへ、今日は上手く出来たんだ♪」
「ほんとに美味しそうだよね! 今度僕に何か作ってよ」
「それは私の気が向いたらね」
パクリとハートを型どった芋のようなものを頬張るシロ。
あまり見てると欲しくなっちゃうので首を自分のサンドイッチに固定した。
「あのさ、クロは五時間目の魔術実技は出るの?」
「うん。魔術の理論がどうこうとかじゃない限りは休む気はないよ」
「そっか……良かった」
ほっとした様子のシロは、しかしその後眉を吊り上げ、ずいっと顔を近づけた。
「でもクロさ、――実技練習の間終始手を抜いてるよね?」
「――――ッ!?」
「ほらやっぱり。どうして勝とうとしないの? クロ本当はすごく強いのに」
「それは………相手のプライドのためさ」