対 シルバーウルフ戦
遅くなってしまって申し訳ありません、滝峰つづりです。
えっと、今日投稿が遅れた理由ですが………風邪です。風邪をひきました。なので昨晩は早く寝てしまい、朝早くに執筆してないことに気がついたしだいです。
明日からはいつもの時間にするつもりですので、今後ともよろしくお願いいたします!
それでは少しは作文能力が上がってるかを判断しながら読んでみて下さい。
僕に続きシロたちも外を覗き、それぞれ驚愕の声をあげる。
「――A級魔獣シルバーウルフ!? 生息分布はたしか雪山の高所のはずじゃ……」
「……まるであの日みたい」
「……ディ――、私たちも詠唱をするべき。今は余計な思考は要らない」
ディーネ先輩は流石だ。混乱しそうになってるシロたちに指示を与えて、束ねてる。これも緻密な経験が成せる技なんだろう。
そんな中で僕はというと……。
「ぬぐぐぐぐ……」
人間なんて簡単に咬み千切るA級魔獣の大顎。両手で上と下の鋭い犬歯をがっちり握り、咬まれる寸前を押さえていた。
時々思う、人間離れした怪力を生み出せるマナの力って偉大だよなーっと。
なんて考えてると、咬むのが困難だと悟ったシルバーウルフは前足で僕を切り裂こうと攻撃してきた。
――考えず、身体に従え!
足にマナを溜め、迫る右前足を蹴りあげる。
すると上がったのは前足だけでなく、右半分から持ち上がり、仰向けに倒れてしまった。
ここでは近づかずにあえて距離を取ってシロたちの支援を待つ。
「氷槍!」
後ろに下がるとほぼ同時に氷の杭が右を掠め、銀の狼の右肩を貫く。
僕の望んだタイミングで魔術を当てたのは以外にもシロ。ただ――
「シロ、シルバーウルフには冷気系の魔術は効果が薄いよ。やるなら火炎系が一番だ」
「ご、ごめん! 頭の中ぐちゃぐちゃで」
「……火炎槍」
抑揚のない術名に続き、燃え上がる槍がシルバーウルフの脳天に突き刺さる。一瞬の間をおき、獄炎が獣を包み込み圧倒的な熱量で消し炭に返した。
中級魔術でこの威力とは恐れ入った。ディーネのポテンシャルは計り知れない。
そのまま僕らの横に並び、どうだと鼻を鳴らす。
……地味に子供っぽい一面もあるみたい。
「くんくん………ふにゃっ! みんな、獣の臭いが沢山だよ。――シルバーウルフは群だ!!」
とたん、前から後ろから銀狼がうなり声をあげ、草むらの中から飛び出してきた。その数ざっと八匹。
「シロ、ディーネ、術式の展開を! フェイは僕と一緒に術式が出来るまでシロたちの盾を!」
高速で状況を整理し、その場で一番と思う策をたてる。
それに全員が頷き、それぞれの行動に移る。
「よし、久しぶりに頑張るぞ! 戦闘正装ver.火炎」
ゴウッ――という音と共に燃え上がるフェイ。その炎は天にとどきそうなほどまで高く上がった。
シルバーウルフも、急にあがる火柱に警戒して近寄っては来ない。
僕もすべての魔術を知っている訳ではないので、フェイが使った魔術がどんなものなのかわからなかった。
立ち上った炎はやがて凝縮していき、ついにはフェイを包む程度まで小さくなる。そして弾けるようにして中からフェイが飛び出してきた。
ヘソが見えるほど短いトップスに、ホットパンツのようなボトムス。そのお尻の少し上から猫のような尻尾がのぞいている。
……この短時間で何があったんだろう。
「にゃはは♪ やっぱ動きやす~い。さあクロくん、アタシに見惚れてないで敵に集中しよう」
「み、見惚れてなんて……、それより服が変わるだけの魔術な――のッ! と」
炎が消えたことで飛びかかってきたシルバーウルフの一匹を蹴り返しながら質問する。シルバーウルフを十メートルほど飛ばし、そこにいたもう一匹を巻き込み昏倒させた。
「まさか。この魔術は……ん~、説明より実際に見てもらった方が早いね」
まずは防御力! と、引き裂こうとするシルバーウルフの前足にわざわざ自分から当たりにいった。
僕は焦って回復系のマナを集中させたが、肉が切り裂かれる音はせず、変わりに金属が折れるような
バキンという音がした。
――シルバーウルフの爪が折れた。
皮膚で受けたはずなのにだ。たしかに防御力は高い!
次は俊敏性! と、地面を蹴るフェイ。次の瞬間にはシロたちに迫るもう一体のシルバーウルフの上空にいた。
そして俊敏性も異常なものだ。
最後に攻撃力! と、フェイは上空から空気を蹴るという離れ業をして加速し、シルバーウルフの背中に一撃。
その拳は威力と貫通力にフェイの肩辺りまで埋まり、そして――発火した。
フレイムランスより明らかに密度の高い熱量で、少し近くにいた僕は二重の意味で汗をかいてしまった。
「どう? アタシも強いんだよ♪」
「お見逸れいたしました」
本当にこの先輩方はすごい人たちです。
「よし、準備出来たよ! しっかり身を守ってね」
「「火炎連槍」」
背中合わせにシロとディーネが術を唱え死角を無くして射つ。
一つ二つと飛んでくる槍を僕はそれ以上の火力を持ってして飲み込んだ。
殆どはシルバーウルフの群に直撃しているが、それでもたまに来る流れ弾をこうして防ぐのだ。
――術の最後の槍がボスと思われるシルバーウルフの胸に刺さり、そして跡形もなく燃えた。
念のため数十メートルの四方を索敵したが、もう近くに危険な魔物はいなかった。
「ディーネもフェイも強い!! さすが先輩だよ――ね、クロ」
「僕に振られてもな……。でも、僕も勉強になったのは確かだよ」
「……ディ――……私たちからもっと学ぶ。そしたらシロ強くなる」
そこに僕を含まないのは何故?
「シロちゃんの正確な魔術構築に、その速度。まだまだ伸びる……アタシたちを超える才能を持ってるかもしれないよ♪ これからも頑張ってね!」
はい! と元気にシロは頷き、耳打ちで僕に「えへへ、褒められちゃった♪」と言ってきた。嬉しそうでなにより。
「……少年、質問する。少年の体内マナ量はどれくらい?」
僕はその問いに小さなため息をついて口を開く――――他言無用で頼むと忠告して。