危険の足音
ども、もうすでに一日一話が当たり前になりつつある滝峰つづりです。
魃さんとの差を数えなくなってしまいました。これでもまだ勝負なのでしょうか?
まぁ、そこは私個人の話なので、どっかその辺に置いておきましょう。
そして今さらなのですが十話も休まずよく書けてるなと自分を誉めたくなりました。
え、本編を見せろって? …………わかりました。それではまた次回で会いましょう♪
シロの自己紹介が終わる。結局なでなでの件は、はぐらかされたけどホントはそんなことどうでもよかった。
「シロちゃんよろしくねー♪ それと、アタシたちは先輩だけど敬語とか必要ないから」
「……少年は例外。少し先輩に対する礼儀がなってない。努力すべき」
小さい方の先輩はまだ子供と間違えたこと根に持ってるみたいだ。
ここは笑顔を取り繕って誤魔化しておこう。
「じゃあ次はアタシの紹介をするね? といっても学園の中じゃ知らない人はほとんどいないんだけどね」
僕がその知らない方の一人であることは言うまでもない。
「アタシはフェイラン、得意な魔術は肉体強化系の魔術だよ」
肉体強化系の魔術師、つまりフェイランさんは完全近距離型。魔術師と言うより剣士や戦士の方に分類されるタイプである。
「……ちなみにフェイは二つ名を持ってる」
「二つ名?」
「うわ、クロ本当に知らないのか……」
すみませんね、どうも学園の噂とは縁がないものでして。
「にゃはは、普通にしてたらいつの間にか付いてたんだよね『血まみれの獅子』――だったっけ?」
だったっけって……。しかも普通に過ごしてたら付くはずのない二つ名だし。
「じゃあ最後にディーネよろしく」
「……ディーネ。物質操作、特に水の操作が得意。よろしく……」
淡々と自己紹介を進めていくちっちゃい先輩、もといディーネ先輩。
「あのね、ディーネにも二つ名があるんだよ」
「へー、ディーネ先輩はどんな二つ名を持ってるんですか?」
「……先輩も敬語も必要ない」
「じゃあディーネ、どんな二つ名持ってるの?」
「……自己紹介は終わり。質問は受け付けない」
あからさまな逃げの一手。どうやら不本意な二つ名で言いたくないらしい。それなら逆に知りたいというもの。
「フェイランさん……じゃなくてフェイ」
若干不機嫌そうな顔をされたので名前を言い直す。今度は嬉しそうに返事をしてくれた。
「なんだい、クロくん♪」
「ディーネの二つ名教えて?」
「いい――」
ものすごい形相で僕らを睨むディーネ。
「――や、ダメだよ。そこは本人の口から聞かないとね!」
「クロ。私、話についていけないんだけど」
シロは少し焦ったように僕に耳打ちする。
「シロはついてこなくていい話だよ。でも自己紹介も一応終わったしそろそろ話題を変えようか――」
色々な話をしてる間も馬車は着実に進んでいた。
が、しかし急に動きが止まってしまった。
その減速に体は踏ん張りきれずごろごろと荷台の一番奥まで転がり、背中を強打した。
「いったーっ……みんな、大丈夫?」
「びっくりしたー……」
「ふにゅ……何事だー?」
「…………ふぅ」
どうやら全員無事みたいだった。
何があったのかと馬車の外に顔を出してみると、道を塞いでいる生き物がいた。
白銀に輝くしなやかな毛、巨木を噛み砕くという伝説もある鋭い牙の連なるあぎと、体長五メートルを超える巨大な体躯。見間違えることはなかった。こいつは――
「――シルバーウルフ!!」
いうが早いか僕は荷台から飛び降りた。
次回はバトルになるのか……(作文能力上がってるかな?)