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FairyAngel×サクラ  作者: 鞠葉
8/12

第8舞 稜とジェームズの夢の共演とだんだん進歩しつつあるサクラ





人間界、6月14日(木)放課後。



サクラたちは図書室にいた。


稜は頭を抱えながら数字と格闘している。


その隣に座っていたサクラは、向かいに座って本を読んでいる竜生を眺めていた。


「分からん!え、これって暗号なの?!そうだ、きっと暗号なんだ!」


図書室だということを考慮してか、いつもより声のボリュームを落としてはいるが、稜のテンションはいつもと全然変わらなかった。


12日から勉強会を始めているが、稜が進歩する様子はない。


「おま……1問ぐらい黙って解けないのかよ」

「解けねーよ!いや、黙るのはできるけど、解けない!」

「どこが分からないのですか?」

「サクラチャン優しいっ!ここ、ここ教えて!」


教科書を指でトントンと叩きながら、稜はサクラを見た。








あの日、サクラは思いがけない一言を発する。


「あの…」

「ん?どした?サクラチャン」

「……ワタシでよろしければお教えしますが」

「「……え?」」


竜生と稜は、もちろん驚いた。

特に稜は驚きすぎて数秒息をすることも忘れていた。


「………………ぷはっ。え、え、サクラチャン今なんて?!びっくりしすぎて息するの忘れてたよ!」


肩で息をしながら尋ねる稜。


「え、ですから、ワタシでよければお教えします、と……」

「どうしたの…サクラ……」

「サクラチャン、最近一気に感情豊かになったよねー」

「俺も思ってた。表情が柔らかくなったよな。サクラ、なんで急に稜に教えてあげようと思ったの?」


サクラは慌てて答えた。


「あ、申し訳ありません!勝手なことを……。夏目様がダメとおっしゃるなら、もちろんダメですが…」

「いや?サクラがやりたいならいいよ?俺も協力する」

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!サクラチャンありがとう!天使!女神!まいえんじぇる!!」


稜は調子に乗って、言わなくていいことまで叫び始める。


「稜、うるさい、黙れ、もう帰れ」

「えぇ?!ひどい!」


サクラにも考えるところがあるのだろう、と竜生も稜もそれにはもう触れなかった。








「おぉぉぉぉぉぉ!分かった!スゴい!サクラチャン教えるの上手いね!」


稜は声のボリュームを少し上げすぎて、周りに睨まれた。


稜は、『お口チャック』のジェスチャーをすると、改めてサクラにお礼を言い、次の問題にうつっていった。

「口閉じてないじゃん」と竜生は思ったが、突っ込むとめんどくさくなるので、そのまま本に意識を戻した。







「あら?xz!と、たっつん!と、誰」


3人で帰っていたサクラたちは、コンビニの前でmjに会った。


「え、え、え、んんん?あ、いや、いる!いるけど!あ、サクラチャンと同じ人外キャラか!!」


稜は目を擦りながら、mjを見た。


「あら?スゴいこの子!ボクのこと見えるんだ!あーそういや普通にxzといるもんね」

「いや、めっちゃ意識してないと、すぐにでも見失いそうだけど!」

「xzのことは意識しなくても見えるのかい?」


稜は「xz?」と聞き返しつつ、意識を集中させる。


「あ、ワタシのことです、霧島さん」

「なるほど。サクラチャンは普通に見えるよ」


稜はmjを凝視しながら答える。


その横で竜生はハラハラしていた。

稜とmj、二人とも自由奔放で厄介な人物。

そんな二人が交わればどうなるか。


「ほうほう。ところでキミの名前は?」

「え、俺?皆のアイドル霧島稜くんさっ!」

「お?ノリいいね!アイドル!かっこいいよ、稜くんっ!」

「だろだろ♪君もかっこいいよん」

「おー嬉しいこと言ってくれるじゃないの。まぁ、稜くんよりたっつんの方がイケメンかな」

「ええ?!いやいやいや、よく見て!ほら、イケメン!」

「あら、イケメン!あー稜くんが主だったら楽しかっただろうなー」

「今からでも遅くないっすよ!」

「おおお!……って消されるっつの!」

「へへ、ノリ突っ込み最高!てか君の名前は?」

「ボクはー……」


と、こんな調子で10分弱話していた。

二人ともスゴい。

初対面で話が途切れないなんて、常人になせる業ではない。


そして、やっと話題が一段落ついたところで、mjはサクラに話をふる。


「あ、そうだ、xz。こないだ言ったこと、実行してるかい?」

「え、あ、はい……」

「こないだ?」


竜生はやっと言葉を発する。


「あ、たっつん、こないだは授業の妨害してごめんね?」

「こないだってあの時のことかー」

「そそー」


稜は「あの時って?」と聞くと、サクラは少し恥ずかしそうに目を伏せた。

不思議に思った稜は、mjに呼び掛ける。


「ジェームズ、あの時って?なに言ったの?」


先程の10分間で決めたあだ名をさっそく使う稜。


mjはさらっと答えた。


「あーえっとねー、こないだxzと話したときにさ、『大事な人には、ちゃんと後悔しないようにお返ししなさい』って言ったんだよー。まあ、ボクは、たっつんのことを言ったんだけど……xz、稜くんにもお礼言っときなよ。こんないい人、そうそういないからね。」

「…はい」


竜生と稜は顔を見合わせて、そういうことか、と納得した。


サクラは、自分にも普通に接してくれる稜に恩返しをしようと、自ら『教える』と言ったのだった。



「そんなの気にしなくていいのにー。俺もサクラチャンといて楽しいんだから。まあ教えてもらえるのはありがたいけど!」


稜はヘラヘラ笑いながら言った。




サクラはどことなく嬉しそうな表情をし、竜生の服の裾を少し握った。











余談。


=====ジェームズについて。


mj⇒えむじぇー⇒じぇーえむ⇒じぇーーむ⇒(中略)⇒ジェームズ


無理矢理です。

mjの名前がまだ覚えられないんだ。2189c79mjだっけ?なんか違う気がするな。

なんて言いつつサクラのも覚えてない。




あ、誤解されないように、言っときますね。

mjはボクっ娘ではなく、男性ですよ?

「xzのお兄ちゃん的な存在でした」って発言で解ると思うけど、自分で読み返して性別が危うくなってきたので。




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