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FairyAngel×サクラ  作者: 鞠葉
6/12

第6舞 稜と同じものを感じるmjと何気に物語が動くきっかけをそれとなく与えたmj

サクラは授業を受けていた。

いつものように竜生を眺めながら。


しかし、授業中にも関わらず、常にサクラに話しかけている人物が一人。


稜だと思ったかもしれないが、さすがの稜も授業中に違う教室にまで来て話したりはしない。



話しかけているのは……


「xzの主は優しそうでいいねー。ボクの主なんかさぁー」


そう、球技大会の帰り道のコンビニで会ったアイツである。






6月1日(金)18:39


「いやぁxz、久しぶりだねー!元気してた?」


そう言うのは2189c78mj。


「ん?あれ、もしかしてこの人がxzの主さん?」


mjは竜生を見て言う。


「どーも!はじめましてー。向こうではxzのお兄ちゃんみたいな存在だったmjでーす。主さん、お名前は?」


mjは軽い調子で言った。


竜生はその様子に驚いていた。

FairyAngelはみんな、サクラみたいに堅苦しい敬語が原則なんだと思い込んでいたからだ。



「いいねーxzは。主と一緒にお買い物ですかー。ボクなんかパシリだよー」


mjは、竜生に名前を聞いたくせに別の話を始めた。

その自由ぶりに稜と同じものを感じた竜生は、助けを求めるようにサクラを見た。


「あの、mjさん。こちらはワタシのご主人様の夏目竜生様とおっしゃいます」

「おー!竜生様!よろしく竜生様ー!」


mjはやっぱり軽い調子でそう言った。

竜生は困惑しながらも挨拶をする。


「え、あ、よろしくお願いします……」

「あー、そんな堅苦しくしなくていいよー。それともxzのがうつっちゃった?アハハ!とりあえず、あだ名はたっつんでいいかな?ボクのことはテキトーに呼んでやって!」


mjは「たっつん、たっつん」と繰り返しながら終始笑っていた。


「サクラ………」

「あ…えっと、こちらの方は、2189c78mjと言って、向こうでお世話になっていました。悪い方ではないのですが、少々扱いが面倒で……」


サクラは少し申し訳なさそうに言った。

mjはそんなサクラの様子もサクラのセリフも気にかけず、


「おー!サクラ!可愛いじゃん!よかったねーいい主に当たって。ボク、主に名前なんてつけてもらってないよー。mjとかmとかって呼ばれるんだー。まあ、別にいいけどね!」


mjは主の愚痴をずっと言っていた。

延々と語っていた。







そして、現在。


mjの主は今大学に行っているらしく、ついてくるなと言われたそうで、暇だったからサクラの元に来たらしい。


「久しぶりに会えて嬉しいよー!ボクがAlfheimにいた頃と変わってないねー。堅い堅い」


mjはヘラヘラ笑いながら言った。



mjが言ったAlfheimは、『アルフヘイム』と発音する。

Alfheimとは、サクラたちFairyAngelが住んでいるところ。


FairyAngelたちは皆Alfheimで勉強し、15歳になると人間界に仕事に行く。



「ってかさー」

「あの」


サクラは一人で喋り続けるmjを遮った。

mjは少し不思議な表情(かお)をしてから、「何?」と聞いた。


サクラは答える。


「mjさん……えっと、他のクラスメイトの方はmjさんのこと気にならないのですが…夏目様には見えておられますので……静かに…」


mjが竜生の方を見やると、竜生と目があった。

竜生は苦笑いをし、授業に戻っていった。


「あぁ、そうだったね!」とやはり大声で言ったmjは、


「んー…じゃあ、そろそろ帰るよ。またね、xz!失礼いたしました…っと」


そう言うと、窓から飛んで出ていった。





かと思うと、また戻ってきて、


「そうそう、xz、言い忘れてた。今度、向こうの神社でさ、夏祭りがあるらしいよ。ボクも行ってみたいんだけどねー、主があんなのだから連れていってくれないの。たっつんは優しそうだし、連れてってもらいなよ。絶対楽しいから、ねっ?」


そう言って、また窓から出ていった。




mjが出ていって数秒後、チャイムが鳴った。

つまりmjは1時間ずっと喋り続けていたということだ。


稜に負けず劣らず、mjも相当である。






そして帰り道。


サクラは夏祭りのことを竜生に聞いてみた。


「あー、毎年やってるやつかー。でも、何で今なの?」


竜生は半笑いで言った。


「夏祭りって言ったら、期末テスト終わってからだよ?まだ6月だし」


期末テストは7月9日から。

夏祭りは次の週の20日金曜。


そして、今日は6月6日である。


1ヶ月以上も先だ。


「あ、そうなんですか。えっと、あの……夏目様…」


サクラは恥ずかしそうに目を伏せてから、竜生を上目遣いに見た。


「えっと…お暇なら……あ、ホントにお暇でしたら、夏祭りに連れていってくださいませんか……?」


そんなサクラの様子を見ていた竜生は、不覚にも頬を染め、


「え、あ……うん!いいよ!行こう!」


と、妙に張り切った様子で言った。



サクラは竜生の慌てぶりに驚いたのか、竜生の顔を覗き込む。

竜生の顔が赤いことに気付くと、


「夏目様!お熱でもあるのですか!」


とサクラも慌て出した。


「へっ?あ、いや、違う!ホント…何でもない……から……」


竜生は顔を隠すようにして、歩き始めた。



「楽しみだな、夏祭り」


サクラの頬が緩んだ気がしたが、竜生は顔を隠していてよく見えなかった。







余談。


=====Alfheimについて。


確かアルフヘイムは、妖精が住んでるところ。

エンジェル要素も入れるべきだったんだろうけど、天使の住処とか知らない←




=====2189c78mjについて。


mjのキャラが定まっていないのは仕様……なはず。

アルフヘイムでは引っ込み思案なサクラを引っ張ってくれたいいお兄ちゃん……だったはず。


ちなみに、今後mjの主は出てこない予定。名前も決めてない。





では、余談はこのへんで。

ちなみに次回は夏祭り………ではないんだなこれが。←

とりあえず足場を固める。竜生ですらキャラが不安定だしね。


個人的に稜が好きなので、いいとこ持っていかせたい。←


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