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FairyAngel×サクラ  作者: 鞠葉
3/12

第3舞 テスト一週間前にやってきた結構大事な役割を担う訪問者





人間界、4月30日(月)。昭和の日、代休。



サクラと竜生は家で勉強していた。


来週5月7日月曜日から、高校生になって初めての中間テストがある。



竜生は勉強も運動も出来るが、決して天才などではなく、彼の努力の賜物だった。




「あー…!終わったぁ!」


先生からもらった数学のプリントを解き終えた竜生は、部屋を見回すとサクラがいないことに気付いた。


「あれ?サクラ…?」

「お呼びになりましたか夏目様」

「ぅっ……お!」


サクラは手にカレーライスと水がのったおぼんを持って、竜生の前に現れた。


「え、今の何!サクラ、瞬間移動まで出来んの?!」

「えぇ、まぁ一応。それより夏目様、一段落つきましたか?」

「え、うん」

「では、ご昼食をお食べになってはいかがでしょう」

「あ、ありがとう……いや、だからサクラ!俺の世話はしなくてい……」


竜生がいつものように突っ込もうとすると、それを遮るように玄関のチャイムが鳴った。


母が出たらしいので、竜生は話を戻そうとすると、


「竜生ー!稜くん来てるわよー!」


という声が届いた。



「リョウクン……」


サクラは暗号のように呟いていたが、竜生はその人物を知っていたので、素直に玄関へ向かった。サクラも竜生についていった。







「やっほー!ボクは稜くんだよ☆霧島稜(きりしまりょう)くんだよ!よろしくね、キラッ☆」


竜生は思わずドアを閉めようとした。


「ちょっ……待っ…!ごめん!ごめんって!」

「ウザいから今日は帰れよ。何だよキラッ☆って。効果音を自分で言うなよ」

「いや、ごめん!ホントごめん!いや、あのね!言い訳をするとね!」

「言い訳はいいから帰れ」


竜生は呆れた顔をしていた。


「いや、だから……強烈なキャラが来たら読者のみなさんも俺のこと覚えてくれるかな、って!せっかくの俺の紹介回なのにさ!お前前置きなげーんだよ!なに数学やってんだよ!俺の出番少なくなるじゃねーか!俺ずっと外で待ってたんだよ?!」


よくしゃべる奴だ。


「よく分かったけど、今どき中の人が中の人って知ってるネタなんて流行らないよ?」

「ネタとか言うなよ!……ってあれ?」


急に声のボリュームをおとした稜は竜生の背後を見た。

その視線の先にはサクラ。


「え、ちょっ、竜生!お前休日に彼女家に連れ込むとかエロいな!しかも超可愛いじゃねーか!美女!美女!」

「「え?」」


サクラと竜生は驚いて顔を見合わせた。

特にサクラは驚いた様子だった。無表情には変わりなかったが。


「え?って何だよ。紹介してくれよ!」

「稜、お前昼飯食べたか?」

「いや、まだだけど」

「サクラー、悪いけど、コイツの分も持ってきてくれない?」

「かしこまりました」


そう言うと、サクラは台所へ向かった。


竜生と稜は部屋へ向かったが、途中で稜が「あの子サクラって言うのか!」とか色々言うので、竜生は疲れきっていた。



サクラがカレーライスを持ってきて、竜生と稜は昼食を食べた。

食事中は終始無言だった。さすがの稜も空気を読んだらしい。


食事を終えると、その食器をサクラが片付けに行った。



今は二人。稜はそわそわしていた。

そして、その沈黙を破ったのは意外にも竜生だった。


「稜。マジでサクラ見えんの?」

「は?何言ってんの?見えるに決まってんじゃん」

「マジかよ……お前ってホント何者」


するとサクラが戻って来て、言った。


「何故ワタシを意識出来るんですか」

「え、何故って……いや、え、なに!まさかのサクラチャンって人外キャラ?」


稜は馬鹿だ。

竜生は稜がテストで50点以上を取っているのを見たことがなかった。


しかし、妙に勘が働く。


「夏目様、この方は、夏目様の信じられるお方ですか?」

「え、あーうん。まあ、馬鹿だけど、信じられるよ」

「馬鹿って何だよ!」


稜の突っ込みは無視し、サクラは少し悩んだあと、全てを話した。




「え、何その羨ましすぎる展開!竜生ばっかりずるくね?!」


稜の第一声はそれだった。

稜は微塵も疑わず、サクラの話を全て信じた。


「……な?『信じられる』お方だろ?」

「そうですね…」


竜生は苦笑いをして、サクラは相変わらず無表情だったが、少し呆れていた。



当の本人は、


「なるほどね。つまり俺は重要人物なわけだ!出来れば竜生のポジションがよかったが、この際仕方ない。我慢しよう!」


などとほざいていた。



「あ、サクラチャン。俺のことは稜でいいからね」

「かしこまりました。霧島」

「え、何で?!」

「さすがサクラ。稜の扱い方よく分かってるな」

「夏目様に褒められました、霧島」

「サクラチャンひどい……。あ、あと、タメ口でいいから」

「分かった霧島」

「サクラチャン……。」







こうして、サクラは『友達』が一人増えた。










余談。


==登場人物について==========

霧島稜。


「え、ちょっ、竜生!お前休日に彼女家に連れ込むとかエロいな!」

そーゅぅこと言う稜が一番エロかったりする。(


あと、『そーゅう』キャラですハイ。

弄られキャラってゅーか、愛されキャラってゅーか。


ちなみに隣のクラス。

竜生とは小さい頃からの腐れ縁。

176cmの竜生より背が高く、179cm。

今までのテストの平均点23点。

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