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赤ん坊から始まる最適化無双 〜気づいたら学園も世界も管理対象になっていました〜  作者: 蒼井テンマ


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第24話 行く理由と行かない理由が全部正しかった

結論から言えば――

全員、同じ答えではなかった。


それが、この話し合いを一番きついものにした。



場所は、学園の中庭。


人の少ない時間帯。

監視は、ある。

だが、聞き耳は立てられていない。


(……ここなら)


俺は、三人を見渡した。


「……正式な返事、三日後までです」


誰も驚かなかった。


もう分かっている。


答えを出す時間だ。



最初に口を開いたのは、セラだった。


「私は、行く」


即答。


迷いがない。


「強い奴が必要なんだろ」


「だったら、行く」


(……分かりやすい)


「理由は、それだけ?」


俺が聞くと、

セラは少しだけ黙った。


「……ここにいても、

次はもっと面倒な形で外に出される」


(……核心突くな)


「だったら、

自分で選んだ方がマシだ」


(……覚悟、決まってる)



次に、リーナ。


彼女は、すぐには答えなかった。


視線を落とし、

少しだけ考える。


「……条件次第」


(予想通り)


「情報が足りない」


「任務内容が曖昧」


「帰還保証がない」


淡々と、事実を並べる。


「合理的じゃない」


(……正論)


「でも」


彼女は、顔を上げる。


「断った場合の条件も、

同じくらい不利」


(……そうだな)


「だから、

どちらが不利かじゃなく」


「どちらが制御できるか」


(……なるほど)



最後に、エリシア。


彼女は、最初から結論を持っていた。


「行くべきですわ」


柔らかい声。


だが、断定だ。


「政治的に見て、

これ以上きれいな断り方はありません」


(……身も蓋もない)


「今なら、

“協力的”という記録が残る」


「断れば、

“扱いづらい”という評価が固定されます」


(……怖いのは、そこだ)



三人の視線が、俺に集まる。


(……逃げられないな)


俺は、深く息を吸った。


(全員、正しい)


誰も間違っていない。


だから――

選択が、重い。



「……正直に言います」


俺は、そう前置きした。


「行きたくは、ない」


沈黙。


セラは、驚かなかった。

リーナも、エリシアも。


「危険です」


「保証がない」


「戻れるかも、分からない」


全部、本音だ。



「でも」


俺は、続ける。


「ここに残る選択肢は、

もう存在しない」


(……それが、現実だ)


「断っても、

次は命令になります」


「その時は、

条件はもっと悪い」


誰も、否定しなかった。



「だから――」


俺は、三人を見る。


「行きます」


静かな声。


だが、

それ以上に重い言葉だった。



セラが、拳を握った。


「……よし」


短く、それだけ。


リーナは、少しだけ目を閉じた。


「……なら、準備が必要」


「最悪を想定する」


エリシアは、微笑んだ。


「覚悟、決まりましたわね」


(……その笑顔、怖い)



「ただし」


俺は、続ける。


「条件があります」


三人が、同時にこちらを見る。


(……ここで言わないと、終わる)


「チームで行く」


「誰も、置いていかない」


一拍。


「それが通らないなら、

行きません」


沈黙。


(……強気すぎたか?)


だが、

これは譲れない。



エリシアが、最初に頷いた。


「交渉材料として、十分ですわ」


リーナも、続く。


「チーム前提なら、

制御可能性が上がる」


セラは、笑った。


「当たり前だろ」


(……助かった)



結論は、出た。


だが――

安心は、しなかった。


これは、終わりじゃない。


学園を出るという決断をしただけだ。


その先にあるのは、

安全でも、自由でもない。


それでも。


自分で選んだ分だけ、

まだマシだ。



翌日。


俺は、学園長に返事をした。


「条件付きで、

外部任務を受けます」


学園長は、静かに目を閉じた。


「……そうか」


それだけだった。


もう、引き止める言葉はない。


こうして、

学園時代は――

終わりに向かって、動き出した。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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