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赤ん坊から始まる最適化無双 〜気づいたら学園も世界も管理対象になっていました〜  作者: 蒼井テンマ


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20/26

第20話 学園公式行事で組まされた即席チームが噛み合いすぎました

王立魔導学園には、年に一度の公式行事がある。


合同演習。


座学でも模擬戦でもない。

複数人で課題をこなし、

判断力・連携・被害抑制を評価する――

学園が「生徒を戦力として見る」数少ない機会だ。


(……早くないか?)


入学して、まだ一ヶ月も経っていない。


だが、俺は呼ばれていた。



「特別枠ユウト」


演習担当教師が、名簿を見ながら言う。


「君は、編成指定だ」


(ですよね)


そして、続けて名前が呼ばれる。


「リーナ・アルフェル」


「セラ・グレン」


「エリシア・フォン・ヴァルデン」


(……揃えたな)


教師は、淡々と告げた。


「以上四名を、一チームとする」


周囲が、ざわつく。


理論特化


武闘派


貴族政治枠


そして特別枠


(……実験だ)


学園側が、

俺を中心に置いた場合、何が起きるか

それを見に来ている。



課題は、簡単だった。


「制限区域に設置された魔力炉を安定化せよ」


敵性魔物あり


施設破壊は減点


無力化優先


(……嫌な条件だな)


セラが、肩を回す。


「壊せば早いのに」


リーナが、即座に言う。


「それだと、評価が落ちる」


エリシアは、微笑んだ。


「記録に残るのは、被害ゼロですわ」


(……方向性は一致してる)


俺は、短く言った。


「役割、決めます」


三人が、こちらを見る。



「セラ、前」


「魔物を引き付けて」


「……了解」


即答だった。


「リーナ、後方」


「魔力流と構造把握」


「分かった」


迷いがない。


「エリシア」


「外周と記録」


「教師の視線、気にして」


彼女は、楽しそうに微笑む。


「得意分野ですわ」


(……完璧だな)



開始。


セラが、真っ先に飛び出す。


動きが速い。

だが、無駄がない。


(……修正、してるな)


前回の模擬戦の影響だろう。


魔物が、セラに集中する。


「今です」


リーナの声。


俺は、地面に手を置いた。


流れを、整える。


崩れた魔力循環を、

“正しい位置に戻す”。


――魔力炉の揺れが、止まる。


(……早い)


教師席が、ざわつく。


「もう……?」


「いや、まだ安定化の途中だ」



魔物が、一体、裏に回ろうとする。


エリシアが、即座に合図を出す。


「右、二時方向」


セラが、対応。


斬らない。

弾く。

押し戻す。


(……連携、成立してる)


俺は、最低限の調整だけを続ける。


前に出ない。

基準にならない。


(……これでいい)



数分後。


魔力炉は、完全に安定した。


被害ゼロ。

負傷者ゼロ。


「……演習終了」


教師の声が、少し遅れて響く。


沈黙。


そして――

拍手。


(……やりすぎたか?)



結果発表。


「被害率、ゼロ」


「対応時間、最短」


「連携評価、最高」


教師は、言葉を選ぶように続けた。


「……模範解答だ」


(……模範、ね)


セラが、笑った。


「楽しかったな」


リーナは、頷く。


「合理的だった」


エリシアは、微笑む。


「記録、完璧ですわ」


三人が、俺を見る。


(……これ)


(固定チーム、確定だな)



その日の夜。


学園長は、報告書に一行だけ書き足したという。


特別枠は、

単独ではなく、チームとして扱うべきである。


それは、

俺にとっての制限であり、

同時に――

次の無双ステージへの許可証でもあった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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