第19話 教師会議に呼ばれた結果、問題の所在がはっきりしました
呼び出しは、予告なしだった。
「特別枠生徒ユウト。
放課後、会議室に来なさい」
(……来たな)
この手の呼び出しは、
前世でも、だいたい碌な話ではなかった。
◇
会議室には、すでに人が揃っていた。
学園長。
魔法理論担当。
実技担当。
規律担当。
――全員、胃が痛そうな顔をしている。
(……分かる)
俺は、空いている席に座った。
「まず、確認したい」
学園長が、静かに切り出す。
「君は、学園を混乱させる意図があるか?」
(……いきなり核心だな)
「ありません」
即答する。
「目立たないように、しています」
教師陣が、同時に黙り込んだ。
(……信用されてないな)
◇
魔法理論担当が、資料を広げる。
「君が存在するだけで、
周囲の魔力環境が変化する件だが――」
「これは、制御可能なのか?」
(……難しい質問だ)
俺は、少し考えて答えた。
「……完全には、無理です」
「だが、意図的な発動は抑えています」
実技担当が、眉をひそめる。
「つまり、無意識に影響を与える?」
「はい」
沈黙。
(……これは)
(“本人が一番困ってる”パターンだ)
◇
規律担当が、咳払いをする。
「君は、序列に入らないと宣言したな」
「はい」
「それが、他の生徒の不満を――」
俺は、首を振った。
「不満は、元からあります」
教師たちが、固まる。
(……言い切った)
「序列は、
不満を“見えやすくする”だけです」
「拒否したから生まれた不満ではありません」
静寂。
学園長が、ゆっくり頷いた。
「……確かに」
◇
「では、どうすればいい?」
学園長が、問いかける。
(……ここで逃げると、後が面倒だ)
俺は、正直に言った。
「管理しようとすると、壊れます」
教師陣が、顔を上げる。
「放置すると、危険です」
「だから――」
一拍、置く。
「“使わない”でください」
沈黙。
(……言ったな、俺)
「教育は、受けます」
「規律も、守ります」
「ただし――」
「基準には、しないでください」
教師たちが、互いを見る。
◇
魔法理論担当が、低く呟いた。
「……基準にしなければ、問題は減る」
実技担当が、腕を組む。
「だが、戦力としては……」
学園長が、手を上げる。
「今は、話していない」
(……さすが)
◇
学園長は、俺を見る。
「一つ、条件がある」
(来た)
「君は、単独行動を控えろ」
「必ず、誰かと行動すること」
(……監視か)
「理解できます」
俺は、頷いた。
「その方が、事故が減ります」
教師陣が、少しだけ驚いた。
(……同意されると思ってなかった顔だ)
◇
「では、決定する」
学園長が、宣言する。
特別枠は維持
成績評価は別枠
無断実技禁止
原則、複数人行動
「以上だ」
会議は、終わった。
◇
廊下に出ると、
リーナ、セラ、エリシアが待っていた。
「……どうだった?」
セラが、真っ先に聞く。
「……管理された」
正直に答える。
リーナが、頷く。
「想定内」
エリシアは、微笑む。
「正式に“問題児扱い”ですわね」
(否定できない)
◇
俺は、三人を見る。
(……これで、確定したな)
学園は俺を、
個人では扱わない。
チームとして。
枠として。
例外として。
それは、守りでもあり、
同時に――
次の段階への合図でもあった。
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