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「ガジュマル」 〜終末の下で〜  作者: カンドウ者
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プロローグ

 彼が教えてくれた。彼が支えてくれた。そして彼がいた。




 〜聖歴2009年 ネグマス王国繁華街 〜

 

 あれはまだ日が出てた時だっただろうか。それは信じがたかった。

 

 「待って、ネイちゃん!」

 「十分待ってるぞ、俺は時間には厳しいんだ」

 「ネイちゃんのいじわる、」

 「いじわる?」

 「うん、女の子は一人にしないのが掟だよ」

 

 まだ10代半ば後半ぐらいの若男女二人はそれぞれ多くの人々で溢れる街に来ていた。


 道沿いの木々は煌びやかに装飾され、今にも催事が行われそうな雰囲気の広場では観衆であふれかえっていた。アスファルトを覆う雪は今にも人々の足の周りへと積もっていく。


 「もう買うものはないのか?」

 「もうないよ、これで冬は越せるね!」

 「そうだな」

 「よし、じゃあ帰りますか」

 「・・・・・・」


 男は黙り込んだのと同時にどこか深刻で何か言いたげにしていた。

二人は大衆を切り抜け、もとの場所へと帰って行った。


 ***


 寝静まった夜。まだあたりの木々は灯されていた。だがどこからか寒気と狂気が入り交じれた時吹雪があたりを覆った。その瞬間、吹雪の中に人影が現れた。

それは廃れていて、いかにも幻想のような姿で、見えないようで見えるようだった。

 

 その姿を見て、寝床に入っていない人々の恐怖の叫びといっそうに逃げる足音で街は埋め尽くされた。


 『それ』は逃げ惑う人々を問答無用に切り刻んで行った。それはさぞ恐ろしかったか。断末魔の叫びはいやなく増えて行った。


 夜が明けた頃には町全体が血に染まっていた。そして一つ国が滅びた。


 

 

 彼女がくれたもの。彼女との記憶。そして彼女。

(俺は何をやってきたんだろう・・・・・・)

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